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残り火  作者: 一色 サラ


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1/3

1話

花火がなくなっていく。夏の終わりに打ち上げられていたもの。消えて去っていた。


 スマホが鳴りでると、「イカト病院ですが」と看護師を名乗る人から連絡がきた。彼が自傷行為を行ったと言われた。なんで、別れて、何の関係ない私を呼び出すのだろう。

行く必要性はないので、「別れているので行きません」と返すと、看護師の声はしつこくは言えなかったのだろうか、「分かりました」と電話が切れた。

 

「なんで、僕の言うことが聞けないんだ」留守番に残されていた。怖くなって、彼の存在から逃げるように、地方に引っ越すことにした。スマホも乗り換え、関係を切った。秋となり11月半ばになった。彼を別れて3ヵ月が過ぎ去って行った。今はホテルのレストランで日々忙しく余計なことを考えることもなく、無我夢中で働いていた。

仕事の中休みに、食堂でカレーを食べていると、少し先にあったテレビからニュースが流れて来た。

女性のアナウンサーが「今月12日、公園の女子トイレにて女子高校生の見つかりました。身体に数か所の刺し傷があったとされています。SNSで知り合ったとされる山添《やまぞえ》正人《まさと》24歳を殺人容疑で逮捕した」

 彼の名前で、彼の画像が映し出されていた。恐怖と絶望に襲われそうになった。

「戸塚さん、大丈夫ですか?」

 レストランで一緒に働いてる町田さんに声をかけられ、動揺をバレたくはなかった。

「大丈夫ですよ」 

 笑っているが、平常心を保つように、心の中を読まれないように保った。

「だったらいいけど。中休みはしっかり体を休めてね。先に寮に戻っているわ」

 そう言って、町田は食堂を出て行った。



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