外伝補足 現代日本に於ける因習村の現実について
探索者たち
今回の犠牲者枠。あの日あの時何処にでもいた就職氷河期からドロップアップした大学四回生。全員、金無し、彼女なし、奨学金は返す見込み無しの負け組予備軍。目の前に迫った現実から半ば逃げる様に若さに任せて因習村探しに出た者たちである。
苦しむ前に幸せになれて良かったね♡
探索先に本物の近くを引き当てる→奇跡汚染進み人外の野獣うろつく因習村と外の境界で車両故障→奇跡耐性ゼロの現代人なら本能的に避ける所をズンズン奥に進む→偶然狩りに出て居た村民に村に誘導される→よもや山側から入って来るとは思わなかった女将が気まぐれを起こす→駄菓子屋での祠誘導イベント回避→コンビニで目星判定成功→温泉イベントで現代常識判定成功→不定の狂気からのパニック脱出→女将の気まぐれ判定「ギルティ!!!」
と言った感じで、賽の目がクリティカルとファンブルを出しまくる荒れた卓だった為、最終的に神話ナマモノを集団で嗾けられて全滅した。何も知らなければ助かったものを。その場合でも氷河期に打ちのめされ疲れた辺りで行方不明になる可能性大だが…
女将
その正体は言わずと知れた淫乱毒フ。SNSの時代に入り、情報統制どうすんべと思っていた時に、偶然にも探索者が入り込んで来たので趣向を凝らしてみた。彼女が執拗に食わせてきた食品は汚染されている為、一週間も食べていれば探索者たちは
1、時間間隔を失う
2、現代常識判定が確定失敗
3、やってしまいましたねぇ…責任取ってもらいましょうか…
等して(女将主観では)穏便に村民になった筈なのだが、探索者たちが不定の狂気からの脱走したので狩る事にした。なお探索者が逃走判定に成功したとしても、街側で警察に確定で止められる様に手を打ってもいる。こんな事では次回から誰もセッションに参加してくれないであろう。
駄菓子屋の店主
女将こと毒フの量産した悍ましき神話ナマモノの群れが村を襲う前に生れていた純粋な人間。十代でも押し通せる見た目だが実年齢は60代前半。異種族の兄弟姉妹が5人いる。兄弟仲は良好。夫は現在街で非常に自由な商売をしているゴミパンダ。
悩みは都会で暮らしている姉妹たちが帰省する度に戦後すぐ生れには受け入れがたい恰好をさせて来る事
「なんだぁ?コギャル?止めてくんろ!姉ちゃんの歳考えろ!」
因みに神話ナマモノの村に住んでいるのでルートによっては攻略できるが、その場合戻って来た旦那に第2婦人にされるバットエンドを迎える。
モブ村民
許可なく村に立ち入った物は当身!クロロホルム!(特製)して来る因習村住民レベル99のセイタカアワダチソウが半分を占めている。如何なる探偵であろうとこの村で起こった事件は解決できないであろう…腕力は全てを解決するのだ。
村
周囲を奇跡汚染と幻想が囲う、悍ましきナマモノと人狩りの伝統渦巻く本物の因習村。母体は異世界転移して来た村長()が当時の妻と共に戦災孤児を引き取って作られた村なのだが、副村長()が襲来した為、ナマモノが爆速で繁殖した。
その後襲われる周辺の村々の(NTRへの)怒りに燃える人々の襲来を返り撃ちし、返す刀で周辺社会への浸透と制圧等のイベントを経て因習村としての地位を確固たるものにした。最早この地域にこの村に逆らえる者はいない。
主要産業は農業と山林採集。日本はおろか世界的に高値で取引される幸せになるお薬の原材料を外部に卸している。長閑な農村の正体見たり。
街
とある製薬企業のお膝元である小さな街。この企業のお陰で経済は潤っており、町民の殆どが企業系列の仕事をしている言わば企業都市。大量の私兵を抱えている、人体実験が行われている、政治家と癒着している、午前三時に山へ向かうトラックから叫び声が聞こえたと言う人もいるが根も葉もない噂です。
主要産業は既に述べた通り製薬。漢方薬と健康食品の製造で全国的に名高い。漢方薬なんだよ?安心して飲んでくれていいよ?……口開けて?良い子だから?ね?……開けろって言ってんだろ!!!
因習村の歴史
昭和20年 異世界より義妹に一服盛られた男が流れ着く。人類の支配する世界に絶望した彼は世界に背を向け隠遁する。
昭和21年 戦争で全てを無くしたと言う女性(16)を男が助ける。彼女の全てを諦め切った顔に何か感じる物があったのだろう。
同年 罠だった…こいつはとんでもねぇ食虫植物だぜ!なんだよ戦死した旦那とは20歳差ってさぁ!押し切って私の物にしましたのオホホって自慢する事じゃねぇ!出て行け!!出てけぇよぉ!!!
同年 負けました…色々あったんだよ…色々さ…あっ!遠くの空で戦死した旦那とやらが「やべぇ奴だろ?後は任せた!」って言ってる…
昭和22年 娘誕生。しかしその姿は…魂もまた人類の物では無かった。煤けていた男の目に光が戻る。
同年 恐らくは永遠に近しい時を生きるであろう娘に安全に過ごせる場所を作る為、男は戦争で親を失った子供たちを集め始める。空を覆い、偽りの太陽を地上に呼び出す男の想像を絶する戦いに敗れた国には行く当ての無い子供が数え切れぬ程いたのだ。人間の法律だと?私には関係ない!
昭和23年 男の妻が死亡する。事故だった。予期できた筈だったのだ、娘が生まれてから、この土地が少しづつ変わって行っていたと言うのに…
同年 妻の墓の前で男は決意する。腕に抱く温かみの為にこれからを生きて行こうと、この子を孤独にはするまいと亡き妻に誓う…だから…その肩を掴む力を緩めて貰えると嬉しいのだが…私にも事情と言う物があったのだ!これは決して浮気などではない!第一、私たちはその様な関係ではなかったではないか!落ち着け!!落ち着いてくれ!!!この娘だけは!!娘だけは許してくれ!!!
昭和40年 男の村の近隣で怪異が続発する。被害は近隣各所に渡り多数の行方不明者が出るが、不思議な事に記録は少ない。
昭和41年 一番近い村の村民たちが大挙して押し寄せる。神隠し、NTR、BSS、略奪婚は許される物ではなかった。男たちは刀と猟銃と松明を持って元凶を清めにやってきたのだ。
同年、襲撃発生より12時間後 ご馳走さまでした。でもなんか足りねぇなぁ!全部だ!全部寄越せ!お前たちは我々に管理運営ナデナデされて始めて人生の喜びを知るのだ!
昭和42年 大規模な地滑りが発生。近隣村落と県との連絡が一時途絶する。全ての連絡手段が破壊され、県救助隊が到達できたのは発生から一週間を経過してからの事であった。
昭和43年 前年の地滑りにより人口の流出が始まる。
昭和63年 一部の世帯を残し隣村への移住が行われ、村は名前だけの存在になった。
以降、この村は廃村同然である。ダム建設が請け負い業者の作業員の集団失踪で中止され様とも、毎年キャンパーが何人か消えたのだとしても、それは悲しい事故だ。この村には何もない。人はいない。産業は自営農家だけ、だから何も心配する事はない。因習村なんて物は存在しないのだ。




