そう言うのであれば
「直接聞いても駄目か……。」
庭をぼんやり歩きながらそう呟いたその時、声がかかった。
「あのぉ、浮かない顔をしてらっしゃいますが、どうかしましたかぁ?クライド様ぁ。」
彼女は『プラナド』。主に庭の植物の面倒を見ているメイドだ。
「いや、少し父様の仕事について気になって聞いてみたのだが、はぐらかされてちゃんと聞けなくて残念でな。」
過去にあったことを考えていたとは当然、隠して伝える。
彼女は、少し考え込むようなそぶりを見せて答えた。
「えーとぉ、クライド様も感じているとは思うのですがぁ、決してあの人は悪い人ではありませんよぉ。絶対にあの人は意味もなく隠し事はしませんしぃ、本当に大事なことは必ず伝える人ですぅ。
例えばほらぁ、私って目つきがすっごく悪くてぇ第一印象があまり良くないのに、こんな話し方でみんな気持ち悪がってあまり話そうとしてくれないんですよぉ。それで職に就けなくて困っていたらぁ、偶然出会った時、声をかけて雇ってくれたんですよぉ。しかも私に合ったゆったりとした仕事で!
だから……いずれ時が来ればきっと教えてくれますからぁ、その時まで気長に待ちませんかぁ。」
(確かに、フラスタルからは優しさは感じられる。だが表面だけそうしているだけかもしれない。
でも現に助けられた人がいる?だけどそれも仕組まれている事だとしたら?でも……)
プラナドの話を聞いて俺は頭の中で、行動するべきなのか、待ってても大丈夫なのか葛藤し続けた。
そしてふと彼女の方を見ると、こちらに笑みを向けていることに気づいた。裏表のない純粋な。
まるで昔の……。
(そんな想像しているようなでかい闇を隠しておいてこんな明るい、暖かい笑顔を浮かべるなんてできないか)
そう結論づけて、
「分かった、プラナドの言う通りその時が来るまで信じて待ってみることにするよ。ありがとう。」
そう伝えると彼女はより一層、明るい笑顔になった。
* * *
疑いは0になったわけじゃないが、彼女の言う通りその時が来るのを待ち続けることにした。
待って待って待って、待ち続けて、長い時が経った。
いつものように訓練と食事を終え、自室に戻ろうとした時、父に呼び止められ、不意にその時がやって来た。
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