戦闘訓練
「クライド様!訓練の時間ですよ!」
「分かった、今行く。」
俺が異世界に転生してから8年程経ち、それにつれて言葉やこの世界のことがわかってきた。
俺は【カラクス】という地方の領主の息子、
『フォルカ•クライド』に転生したらしい。
そして……
「それでは訓練を始めましょう!」
このメイドは『クライナ』俺の戦闘訓練、料理を担当するメイドだ。
そしてまだ5歳の俺は、訓練としてクソ強いメイドと組み手をさせられていた。
「ぎゃあああ!」
手加減されてても、何もできずに吹っ飛ばされるだけになってしまうが。
(やっぱ、この世界の人間の身体スペックが異常なほど優れているな。個人差もあるだろうけど、少し戦闘に長けた人であれば女性でも立派なバケモンだ。)
「レベルを上げるには、まだ早かったでしょうか……」
クライナはこちらへ歩きながら、申し訳なさそうに呟いた。
「もう一回だ!次は魔法も試してみる。」
この世界には魔法があり、火、電気、風が一般的に使える魔法の属性だ。水属性もあるが、大量に魔力を使う上にコントロールも難しい。
おまけに強化とか、付与とかあるみたいだけど……
「行くぞ!火:球体」
(今は考えてる余裕はない)
俺は火球を飛ばすと同時に走り出し、俺はクライナへ回り込むよう仕掛けた。
だが、クライナは笑顔で火球を拳で打ち消して、俺へ目線を向けた。
やばい……!
そう思った直後、目にも止まらぬ早さで回し蹴りを打ち込まれ、防御も意味をなさないほどに吹っ飛ばされていた。
「いい線いってましたよ!危なかったです!しかも防御されるなんて思ってなかったです!」
クライナは笑顔でこちらへ駆け寄ってきた。
(火球を素手で打ち消しといて、何が危なかった、だよ。しかもこの、能力も有効に使えそうにないし)
この世界には努力すれば誰でも取得できる技術だけではなく、能力の原理の説明ができない、努力しても真似できない能力、特異性を持つ人間がいる。
多種多様なものがあるが同じ特異性を持つ人間はこの世界に2人といない。
そしてそんな特別な俺の特異性は、目に見えない流れを見て感じることができる、それだけだ。
感情とか軌道が見えるのは良いけど、狙ったもの以外のものも見えるのが難点だ。おまけに上手く扱えないし。
「では今日の戦闘訓練は終わりましょうか。」
「分かった」
クライナに告げられ頷く。
痛いし疲れた…
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