第四十四章
儀式は夜明けに定められた。
夜明けが魔法的に必要だったからではない。アスタルホルンはアイリを通して、人間が象徴を好むのは時に滑稽だが、いつも無益とは限らない、と伝えてきた。死すべき者たちが夜と昼の境で手放すほうが楽だというなら、そうすればいい。世界は骨と炎と神の糸だけで保たれているわけではない。時には、壊れずに済む正しい時刻を誰かが選べることでも保たれる。
魔法陣は、アステルの彼らの家の中庭に作った。
神殿ではない。
ギルドでもない。
マルブルクでもない。
カイレンがどれほど手を尽くしても、街の半分が必ず集まったであろう城門のそばでもない。
家で。
陣は一晩かけて描かれた。
ノエル、マリィ、そして二人のギルド魔導士が――ゴルゲラニスの厳しい監視の下で。彼女が何度か「だめだ」と言うと、その声だけで魔導士たちは問い返すことなく線を丸ごと消した。リニは輪郭が崩れないよう、細い力の結びを保っていた。アイリは中庭の中央に立ち、ときどき目を閉じた。こちら側と、あちら側を、同時に聞いていたからだ。
第一の世界では、白き陥没孔で、アスタルホルンが対応する骨の輪郭を作っていた。
正確には、アイリの伝えたところでは、作っているのではなく、「悪魔の女と女竜と女神がようやく自分から離れてくれるために必要なことをする邪魔にならないよう、現実を修正している」のだという。
その言葉が、儀式前のほとんど最後の笑いになった。
それを聞いたメイは牙を見せた。
「尊敬する」
ゴルゲラニスがうなずいた。
「古い生存の論理だ」
ノエルは記録から顔も上げずに呟いた。
「『世界間帰還儀式、実施理由:発起者が関係者たちからの圧力に疲れたため』」
マリィがすぐ付け足した。
「非公開報告には、そう書きます」
「やめろ」と彼は言った。
「遅いです。もう頭の中で整えました」
けれど、冗談も長くは持たなかった。
時が近づきすぎていた。
カイレンは家の周囲二つの通りに衛兵を配置した。説明なしに。ただ命じ、誰も逆らう危険を冒さなかった。デイロンはギルドの護衛、治癒師、予備の結晶を詰めた封印箱を送った。必要になるかどうかは、誰にもわからなかった。彼自身は夜明け近くに来たが、中庭へは入らなかった。門のところで止まり、陣を見て、彼らを見て、彼を見て、短く言った。
「幸運を」
余計なことは何もなかった。
デイロンにしては、ほとんど抱擁だった。
サイラエルから手紙が届いた。
もちろん、彼女自身は来なかった。エル=ラエンを離れることなどできない。もう、できない。だが手紙は夜のうちに、早馬の使者で届いた。三つの封印と、中に彼女の手で書かれた一行だけがあった。
「扉が開くなら、行ってください。あなたたちが去っても、ここに残るものは空虚ではありません。」
彼は長くその一行を見ていた。
それから手紙を畳み、懐にしまった。
夜明けには、陣は完成していた。
中庭は、実際より広く見えた。足元の石は、白墨、銀の粉、骨の粉、そして数滴の血で描かれた線に覆われていた――彼の、リニの、ゴルゲラニスの、アイリの血。外側の輪郭はこの世界の印で保たれていた。内側は繋がりの印で。中心には、彼のための空白が残されていた。
檻ではない。
門でもない。
選択の場所。
アスタルホルンは、夜明けになって最後の言葉をアイリへ伝えた。
アイリは不意に涙の中で笑い、言った。
「悪魔の女と女竜と女神には、とうとううんざりした、って」
メイの耳が動いた。
「本当にそう言ったの?」
「意味はまさにそれ」
ゴルゲラニスが笑った。
「うまい言い方だ」
アイリはさらに聞くために目を閉じた。
「彼はやる。憐れんでいるからではない。あなたたちの愛を信じているからでもない。二つの世界のこの馬鹿げた皺がどう終わるのかに興味があるからでもない。ただ、そうしなければ逃れられないから。愚かで、必死ですらあるけれど、彼の言い方では、いくつかの災厄は永遠に聞かされるより、一度自分の中を通してしまうほうが簡単だそうよ」
マリィが小さく言った。
「その骨の竜、好きです。遠くからなら」
「遠くからだけだ」とゴルゲラニスが言った。
その後、別れの時が来た。
彼は、それに備えることができると思っていた。
できない。
何を言うかを知ることはできる。誰を最初に抱きしめるかを理解しておくこともできる。嘘はつかない、不可能な約束はしない、去ることをただ部屋を横切るだけのように装わない、と前もって決めることもできる。
それでも、リニが最初に近づいてきたとき、用意していた言葉はすべて役に立たなくなった。
彼女は泣いていなかった。
まだ。
五つの小さな物が、彼女の手首の周りで回っていた。小石、金属片、木片、ガラス片、骨。彼がかつて別のリニに教え、その彼女が不可能な夢を通してこちらのリニへ伝えた呼吸。
「それでも、あなたは来ました」と彼女は言った。
「ああ」
「それでも、行くんですね」
彼は一瞬、目を閉じた。
「ああ」
リニはうなずいた。
「知っていました。でも、知っていることと、ここに立つことは違います」
「ああ」
彼女はさらに近づき、彼の両手を取った。
「簡単に手放すとは言いません」
「言わなくていい」
「でも、手放します。もし私があなたを留めたら、それはもう愛ではなく、綺麗な服を着た恐れになってしまうから」
彼は彼女を抱きしめた。
リニは震えたが、折れなかった。
「残りの者たちを見つけてくれ」と、彼は小さく言った。「テリ。シリ。ルシア。あちらで家族になった全員を。もしこちらにいるなら、見つけてくれ。子どもたちのことを抜きにしても、それはとても良い目的になる。俺の目的じゃない。君たちの目的だ」
リニは顔を上げた。
「道を繰り返すために?」
「違う。もしどこかで、何を待っているのか自分たちでも知らずに待っているのなら、この世界に彼女たち抜きで済ませないために」
彼女は長く彼を見ていた。
それからうなずいた。
「見つけます」
彼は痛みの中で微笑んだ。
「知っている」
メイは鋭く近づいてきた。
止まればもう一歩も進めなくなるとでもいうように。
「綺麗な言葉は言わないで」
「わかった」
「戻ってくるとも言わないで」
「言わない」
「私なら大丈夫だとも言わないで」
彼は彼女を見た。
「君は大丈夫だ」
彼女は拳で彼の胸を打った。
前より強く。
「言うなって言ったでしょ」
「嘘をついた。一回くらいは許される」
メイは、まるでそれが脅しであるかのように、怒った嗚咽を漏らした。
「嫌い」
「知ってる」
「違う。あなたじゃない。これ。全部」
「知ってる」
彼女は彼にしがみつき、胸に顔を埋め、ほとんど音にならない声で言った。
「もし、私に子どもができたら……」
「その子は君のものだ」
「あなたのものでもある」
「俺のものでもある」
「私たちのもの」
「私たちのものだ」
「誰にも甘やかした声で扱わせない」
「アイリにも?」
メイは一秒だけ黙った。
「彼女なら、いい。時々。やりすぎなければ」
彼は彼女の髪を撫でた。
「いい娘だ」
彼女は痛みで低く唸ったが、離れなかった。
「覚えておく。そして怒る」
「とても君らしい」
「なら、忘れないで」
ノエルは少し離れたところで、紙を手に立っていた。
もちろん、紙を。
近づいてきたとき、それが一覧でも、報告書でも、計算でもないことがわかった。
手紙だった。
「今、渡すべきかどうかわかりません」と彼女は言った。「もしかしたら、一緒に渡れないかもしれません。邪魔になるかもしれません。もし……」
彼はその紙を受け取った。
「持っていく」
「あまり整っていません」
「なら、間違いなく君のものだ」
彼女はほとんど微笑み、それからやはり涙がこぼれた。
「すべて正しく理解すれば、楽になると思っていました」
「それで?」
「なりません」
彼は彼女を抱きしめた。ノエルは、彼女の整然さがついにひび割れたかのように、強くしがみついた。
「もし私が……もし、授かったら……」
「その子は、自分の母親がとても勇敢だったと知る」
「違います」
「勇敢だった」
「ずっと怖かったんです」
「だから勇敢なんだ」
彼女は目を強く閉じた。
「そんなふうに言わないでください。覚えてしまいます」
「そのために言っている」
ノエルの後に、ベラが近づいた。
涙はなかった。
彼女はいつものように、まっすぐ、強く彼の前に立った。ただ、手は空だった。盾は壁際に残してあった。
「綺麗な別れ方は知らない」と彼女は言った。
「俺もだ」
「よし。なら、要件だけ。あなたは第一の戦列へ戻る。ここには第二の戦列が残る。予備ではない。弱いわけでもない。ただ、別の戦列だ」
「ああ」
「私たちは家を保つ」
「知っている」
「子どもたちが生まれたら、その子たちも保つ」
「知っている」
「サイラエルが呼べば、判断する」
「知っている」
「残りの者たちを見つけたら、あなたの影ではなく、私たち自身の選択で決める」
彼は息を吐いた。
「それは特に大事だ」
ベラはうなずいた。
「わかった」
それからようやく、彼を抱きしめた。
盾としてではない。
女として。
静かに、強く、痛みより強くあろうとはせずに。
「あなたは、私たちに空虚を残したわけではない」と、彼女は彼の肩で言った。「でも、それでも空っぽにはなる」
「ああ」
「腹立たしい」
彼はほとんど笑いそうになった。
「とても」
ゴルゲラニスは、その中で最も長く待っていた。
彼女が近づくと、中庭はまた狭くなったようだった。
炎の髪。金の目。人の姿はもうそれほど不慣れには見えなかったが、その内側の竜はどこにも消えていなかった。
「あなたは彼女のもとへ行く」と彼女は言った。
「彼女たちのもとへ」
「そして彼女のもとへ」
彼はわからないふりをしなかった。
「ああ」
ゴルゲラニスは目を細めた。
「彼女はまだ受け入れていない」
「知っている」
「私も、完全には受け入れていない」
「知っている」
「でも、あなたが行かなければならない理由は理解している」
「それは助けになるか?」
「ならない」
「正直だ」
「私は竜だ。不満を言う者を焼けるなら、正直は簡単になる」
どこか横で、メイが涙の中で鼻を鳴らした。
ゴルゲラニスは彼の顔に触れた。
とても慎重に。
彼女にしては、ほとんど信じられないほど慎重に。
「あなたは言った。そういう君だからこそ、なおさら、と」
「ああ」
「覚えている」
「俺もだ」
「もし私の中で命が目覚めたら……」
彼女は言葉を切った。
言葉を知らなかったからではない。
竜にとって「もし」という言葉は、何世紀もの重みを持つからだ。
「その時、それはあなたが残った証ではない」とゴルゲラニスは言った。「とても古い空虚でさえ、時には間違えるのだという証になる」
彼は彼女の手を取った。
「それを知りたい」
「知っている」
「できるなら、彼女たちを見つけてくれ。残りの者たちを」
「竜に目的を与えるのか?」
「提案している」
彼女は笑った。
「愚かなくらい大胆だ」
「今までは、それでどうにかなってきた」
「いつもではない」
「十分な回数は」
ゴルゲラニスは身を屈め、自分から彼に口づけた。
長い人間の別れではない。
短く。
熱く。
石に炎で刻む印のように。
「行け」と彼女は言った。「アスタルホルンはあと千年くらい待てると、私が決めてしまう前に」
マリィが最後に近づいた。彼女は彼の女にはならなかったが、もうとっくに彼らの物語の一部だった。
彼女はぎこちなく襟を直し、それから小さく巻いた紙を差し出した。
「簡易報告書の写しです。とても簡易です。あちらで誰かが、あなたがこちらで何をやらかしたのか知りたがったときのために。あなたはいつものように重要な細部の半分を忘れるでしょうから」
彼は紙を受け取った。
「ありがとう」
「それと……」マリィは言いよどんだ。彼女にしては、ほとんど事件だった。「骨の竜の儀式で世界間を去る人に、どう言えば正しいのかわかりません。女神と悪魔の女と女竜が、あまりにも皆を困らせたせいで」
「正しい言い方なんて、たぶんない」
「よかった。なら、そのまま言います。あなたはひどく不便な人です。あなたが来る前、私には普通の仕事、普通の報告書、普通に変な冒険者たちがいました。それがあなたたちのせいで、私の人生にはマルブルク、竜、女神、リッチ、東の国の女王、世界間儀式、そして理性的な人間なら卓に顔を伏せるべきことに驚かない習慣が入りました」
「すまない」
「いりません。私の人生で最高の狂気でした」
彼女は素早く彼を抱きしめ、同じくらい素早く退いた。
「終わりです。泣いて職業的な見た目を台無しにする前に」
ノエルが静かに言った。
「もう」
「本の子、黙って」
アイリが残った。
いちばん難しい相手だった。
彼女が、他の者たちと同じように彼を失うからではない。違う。第一の世界で彼女は待っている。そこには彼女の身体があり、居場所があり、家族があり、彼女の彼がいる。儀式が成功すれば、戻った彼を抱きしめられる。
それでも、アイリとの別れがいちばん難しかった。
なぜなら、ここに立っていたのは彼女だけではなかったからだ。
この世界の愛の女神も、そばにいた。
別の身体でではない。
空中の声としてでもない。
だが、アイリが借り受けたまさにその身体の内側にある存在として。長いあいだ、完全には語られなかった契約によって得た身体の中に。
今になって、明らかになった。
アイリは、ただで身体を得たわけではなかった。
継続的な観察との交換だった。
この世界の女神は、見たがった。
暇つぶしの好奇心からではない。最初は、おそらくそれに近かったかもしれない。異世界の愛の女神、異世界の男、その周囲で二つの世界の版が慣れた形を壊しはじめる、情熱と忠誠と痛みと選択の奇妙な結び目。愛の女神なら、見たくならないはずがない。
だが、観察は参加になった。
アイリはそれを、儀式の前の夜に語った。
重く。
彼だけにではない。
皆に。
「彼女は全部を聞いたわけではない」とアイリは言った。「でも、誰より多くを聞いた。身体を通して感じた。私の触れ方を通して。あなたたちの痛みを通して。この家が彼の周りに集まっていく様子を通して。サイラエルを通して。子どもたちをめぐる決断を通して。ゴルゲラニスを通して。最初、彼女が私に身体を与えたのは、面白かったから。そして彼女の同意がなければ、私はここに定着できなかったから。でも今は……」
アイリは言葉を切った。
ゴルゲラニスが言った。
「今は、彼を留めたい」
「ええ」とアイリは答えた。
リニは青ざめた。
メイは静かに悪態をついた。
ノエルは目を閉じた。
ベラは動かなかったが、顔が硬くなった。
「君は?」と彼は尋ねた。
アイリは彼を見た。
その視線には、彼女がほとんど完全には見せない痛みがあった。
「私は、違う」
静かに。
ただそれだけ。
恐ろしいほどに。
「私はあなたを取り戻したい。一部ではなく。可能性ではなく。反映ではなく。あなたを。私は『あり得たすべて』ではなく、まさにあなたを得たの。だから、別の女神が初めて、見るだけではなく留めたいということを理解したからといって、渡しはしない」
彼は彼女へ近づいた。だがアイリは手を上げた。
「待って。ここが契約のいちばん重い部分だった。私は彼女が見ると知っていた。彼女が愛しはじめるとは知らなかった。あるいは、ほとんど愛するようになるとは。あるいは留めたいと望むようになるとは――神々にとって、そこは時に分けにくいの。でも今、彼女には身体が残る」
メイが鋭く顔を上げた。
「どういう意味?」
アイリは彼女へ向いた。
「私が完全に去ったら、この身体は彼女に残る。私の複製としてではない。空の殻としてでもない。彼女はここにいられる。あなたたちと共に。世話をし、学びながら。私の代わりでも、彼の代わりでもなく。ただ、私の目と手を通して、すでにそばにいた者として」
沈黙は、壁の向こうで街が目覚める音が聞こえるほどだった。
「彼女は同意したの?」とベラが尋ねた。
アイリは目を閉じた。
「今、決めている」
それは、すでに陣の中で起きていた。
アイリは彼の前に立っていた。だが、その目を通して語っていた光は一つだけではなかった。
彼女の中で何かが変わっていた。
髪の色でも、声でも、顔でもない。
もっと深いところで。
一瞬、二柱の愛の女神が一つの身体の中に重なって立っていた。愛する者を迎えに来た異世界の女神と、ただ見ているつもりだったのに、家と、女たちと、未来の子どもたちと、女竜と、痛みと、そして今、手放さなければならない男を得てしまったこの世界の女神。
アイリは声に出して言った。
「彼女はつらい」
彼はうなずいた。
「知っている」
「不公平だと言っている」
「ああ」
「あなたはこの世界の一部になったと」
「ああ」
「ここに、あなたの子どもたちがいると」
「たぶん」
「サイラエルを支えると約束したと」
「ああ」
「彼女たちはあなたを愛していると」
「ああ」
アイリは目を開いた。
その目には一瞬、彼女の緑の温もりだけではないものがあった。もっと深く、この空気、この大地、この中庭、この女たちに結びついた、この地のものが。
「それでも、あなたは去ることを選ぶの?」
彼はすぐには答えなかった。
それは、アイリだけの問いではなかったからだ。
この世界の女神だけの問いでもなかった。
この世界そのものの問いだった。
「俺は、奪われた場所へ戻ることを選ぶ」と彼は言った。「ここでの愛が少ないからじゃない。この世界が一時的で、本物ではないからでもない。俺はあちらから力ずくで引き剥がされた。あちらにも俺の家族がいる。あちらにも待っている者たちがいる。そして道があるなら、俺は通らなければならない」
この世界の女神は、アイリの目を通して沈黙していた。
やがてアイリが囁いた。
「彼女は理解している。憎んでいるけれど、理解している」
彼はリニ、メイ、ノエル、ベラ、ゴルゲラニスを見た。
「ここには家族が残る」と彼は言った。「俺の所有物ではない。彼女たち自身の家族だ。生きている。目的がある。子どもたちが生まれるなら、その子たちもいる。これから見つけられる者たちもいる。サイラエルもいる。アステルもある。君たちがいる。彼女が世話をしたいなら、すればいい。俺が捨てたものとしてではなく、この世界が得たものとして」
アイリが震えた。
涙が頬を伝った。
彼女だけの涙ではなかった。
「彼女は同意したわ」とアイリは言った。「手放すことに」
そして、それがおそらく儀式の本当の始まりだった。
陣は光ではなく、意味の線で燃え上がった。
リニは自分の点に立ち、五つの物を掲げた。それらは彼女の手首の周りを回り、それから外側の輪郭の周りを回って、こちら側をまっすぐに保った。
ゴルゲラニスは陣の南の線へ踏み出した。人の姿のままだが、その背後に一瞬、竜の翼の影が開いた。彼女は形を与えた。
アイリは彼の正面に立った。彼女は繋がりを保った。
どこか遠く、第一の世界で、アスタルホルンは骨の輪郭を立ち上げていた。アイリはその愚痴まで伝えた――この後で愛や転移や運命や「ちょっとした小さな質問」などを持って、誰かがもう一度でも自分のところへ来たら、白き陥没孔を閉じて、記憶すら道を忘れるようにしてやる、と。
メイが涙の中で鼻を鳴らした。
「古い骨の退屈野郎」
アイリが微笑んだ。
「聞こえているわ」
「聞かせておけばいい」
陣が働き始めた。
門のようにではなく。
扉のようにでもなく。
最初に彼は、この世界が自分を保っているのを感じた。
悪意ではない。
鎖でもない。
彼がここでしてきた、すべてのことで。
王宮裏の砂の練習場。
よそ者を見る目で彼を見ていたリニとノエル。
最初の話。
実の父に賭けで失われたメイがいた食卓。
登録札のない首輪。
盾を持つベラ。
マルブルク第一階層。
第九階層。
第二十階層。
ゴルゲラニスと炎。
地下墓所のサイラエル。
死の後の、命の夜。
家。
彼女たち全員。
すべての糸が彼を通り抜け、手放したがらなかった。
それから遠くから、もう一方が来た。
第一の世界。
像ではない。
記憶でもない。
呼び声。
そこにリニがいる。メイがいる。ベラ。ヘラ。アイリ。シリ。ノエル。テリ。アスタルホルンのところまでたどり着き、今、彼を受け取るために骨の陣のそばに立つ者たちがいる。
彼は骨の竜の声を聞いた。
耳ではなく。
骨の内側で。
「異物。こちらの枝へ戻ることに同意するか」
この世界のメイは拳を握った。
リニは声もなく泣いていた。
ノエルは手紙を胸に抱いていた。
ベラはまっすぐ立っていた。
ゴルゲラニスは金色の目を逸らさなかった。
アイリは二つの世界で同時に彼を見ていた。
彼は言った。
「同意する」
陣が燃え上がった。
そして彼は消えはじめた。
速くはなかった。
アスタルホルンは、おそらく急な転移を下品、あるいは危険すぎる愚行だと考えていたのだろう。身体は少しずつ軽くなった。まず指。次に呼吸。そして皮膚が、別の空気を思い出しはじめた。
彼には時間があった。
最後の時間が。
彼は彼女たちへ向いた。
「残りの者たちを見つけてくれ」と彼は言った。「俺のためじゃない。君たち自身のために。もしこちらにいるなら、見つけてくれ。テリ、シリ、ほかの者たちを。あちらでは彼女たちは家族だ。こちらでも、たぶん君たちの家族になるべきかもしれない。あるいは、ならないかもしれない。君たちが決めてくれ。でも、それは良い目的だ。とても良い目的だ」
リニは涙の中でうなずいた。
「見つけます」
メイは袖で顔を拭った。
「馬鹿じゃなければね」
「馬鹿だろうな」
「なら、なおさらよ」
ノエルは手紙を胸に押し当てた。
「全部、書きます。あとで……子どもたちが……」
彼女は言い終えなかった。
「ああ」と彼は言った。「書いてくれ」
ベラが言った。
「行け」
その一語は、彼女にとって重かった。それでも、まっすぐに出た。
「私たちは保つ」
「知っている」
ゴルゲラニスは、顔ではなく、痛みの形そのものを覚えようとしているように彼を見ていた。
「残りの者たちに会ったら」と彼女は言った。「竜に目的を与えるほど、あなたは図々しかったと伝えよう」
「彼女たちは信じる」
「残念だ」
アイリがいちばん近くへ来た。
彼女もすでに、この身体での密度を失いはじめていた。消えているのではない。ただ、繋がりが変わっていた。この世界の女神は奥に残り、これからは彼なしでここにいなければならないことを受け入れていた。
アイリは彼の唇に触れた。
「私はあちらにいるわ」と彼女は言った。
「知っている」
「そして、こちらにも愛は残る」
彼は全員を見た。
「知っている」
「なら、行って」
彼はさらに何か言いたかった。
間に合わなかった。
あるいは、言ったのかもしれない。ただ、言葉はもう光の中へ消えていた。
世界が一本の細い糸へ伸びた。
アステル、中庭、顔、涙、炎、家、未来の子どもたち、サイラエル、ゴルゲラニス、リニ、メイ、ノエル、ベラ、マリィ、アイリ――すべてが消失ではなく、身体が去った後にも心に残る痕跡になった。
それから、彼はいなくなった。
陣はすぐには消えなかった。
最初に消えたのは彼の身体だった。
その後も数瞬、彼が立っていた場所が、空気の中に残っていた。
空の形。
静寂。
本物の。
誰も陣の中央へ駆け寄らなかった。誰も叫ばなかった。誰もすぐ崩れ落ちなかった。
ただ立っていた。
彼なしで。
そして世界は死ななかった。
それは残酷だった。
それからメイが地面に座り込み、両手で顔を覆った。
リニがその隣に膝をついた。
ノエルが泣きだし、マリィが自分も泣きながら、後ろから彼女を抱きしめた。
ベラは長いあいだまっすぐ立っていたが、やがて頭を下げ、目を閉じた。
ゴルゲラニスは、最後の線が消えるまで陣の中央を見ていた。
「行った」と彼女は言った。
「戻ったの」とアイリが訂正した。
正確には、もうアイリではなかった。
声は似ていた。
だが、違った。
この世界の愛の女神が、残された身体の中で目を開けた。
赤い髪。緑の目。アイリが契約によって得て、今置いていった同じ肉体。だが視線は違っていた――経験としては若く、この世界に属するものとしては古く、アイリなら許さなかったほど戸惑っていた。
彼女は陣の端に立ち、残った者たちを見ていた。
リニを。
メイを。
ノエルを。
ベラを。
ゴルゲラニスを。
マリィを。
家を。
中央の空の場所を。
「彼女は彼と行った」と女神が言った。
メイが濡れた顔を上げた。
「あなたは?」
女神は指を握りしめた。
「私は、ここにいる」
ゴルゲラニスがゆっくり近づいた。
「あなたは彼を留めたがった」
「ええ」
「だが、手放した」
「ええ」
「なぜだ」
女神は彼女たちを見た。
そして、すぐには答えなかった。
「彼が正しいから。ここに残ったのは、彼が捨てたものではない。彼があなたたちと一緒に作ったもの。もし私が彼を得られないなら、彼が愛したものの世話はできる。これから生きていくものの世話も」
最初に手を伸ばしたのはリニだった。
速くはない。
確信を持ってもいない。
けれど、伸ばした。
女神はその手を見た。まるで、自分に取る権利があるのかわからないように。
それから、取った。
メイが呟いた。
「あまり聖女ぶらないでよ」
女神は瞬きした。
「私は愛の女神よ」
「だからよ」
ベラが息を吐いた。
ほとんど笑い。
ほとんど痛み。
「名前が必要になります」と、ノエルが顔を拭いながら、同時にインクを広げないようにしながら言った。
「名前?」
「アイリと混同しないために」
女神は考え込んだ。
ゴルゲラニスが言った。
「後でいい。今日は、彼女がここにいるだけで十分だ」
それは正しかった。
彼女たちは残った。
彼なしで。
けれど、空ではなかった。
彼女たちには、自分たちの望みがあった。
自分たちの目的があった。
残りの者たちを見つけること。
子どもたちが来たなら、その子たちを守ること。
東の冠が重くのしかかりすぎたとき、サイラエルを支えること。
アステルの家を保つこと。
ギルドと街を噂の海に沈ませないこと。
最初は契約だった身体に残り、今では家族の一部になった女神が、何者になるのか理解すること。
ゴルゲラニスは、最初に「そういう君だからこそ、なおさら」と言ってくれた者なしで、死すべき者たちの間にいる竜とは何かを決めなければならなかった。
リニは、待っていた者であることをやめ、進む者にならなければならなかった。
メイは、鎖ではなく、選択を守らなければならなかった。
ノエルは、彼の物語だけではなく、自分の物語も書かなければならなかった。
ベラは、もう一時的とは呼べなくなった家の前で盾を保たなければならなかった。
マリィは、不可能を整えて、未来にせめて書類だけは残るようにしなければならなかった。
そして遠くエル=ラエンでは、サイラエルが、もしかすると今まさに窓辺に立ち、未来の子の父がこの世界を去ったことをまだ知らずにいるだろう。だが彼は影ではなく、彼女が呼べばいつか来る組を残していった。
夜明けがようやくアステルの上へ昇った。
光は消えた陣の上に落ちた。
空の場所に。
残された者たちに。
最初に立ち上がったのはメイだった。
袖で顔を拭った。乱暴に、粗く、ほとんど挑むように。
「それで」と彼女は言った。「残りを見つける?」
リニが顔を上げた。
目にはまだ涙があった。
だが答えはもうあった。
「見つけます」
ベラが盾を持ち上げた。
ノエルが白紙を開いた。
ゴルゲラニスは東を見て、それから北を見て、それから家を見た。
これから彼女たちの中で名を得ることになる愛の女神は、静かにリニの手を握りしめた。
そして、彼なしで残された世界は、次の一歩を踏み出した。




