第二十一章
それから数日、ベラは姿を見せなかった。
彼は依頼のために必要な回数より多くギルドへ足を運び、そのたびに自分が最初に見ているのは、依頼板でも、マリィでも、壁際の卓でもなく、前に彼女を見かけた場所なのだと気づいた。
空だった。
二日目に、マリィのほうから気づいた。
「ベラを探しています?」
「そんなに目立つか?」
「私には、はい」
「彼女はどこだ?」
「荷の護衛に出ました。商人が臨時の組を作って、報酬も悪くなかったんです。四日、たぶん五日。道が約束より面白くなろうとしなければ」
彼はうなずいた。
「わかった」
マリィは目を細めた。
「結局、話していないんですね?」
「ああ」
「気が変わりました?」
「いいや」
「なら、彼女は戻ってきます」
「確実ではない」
「アステルには、根を張る場所を見つけられなかった者はみんな戻ってきます」
彼は答えなかった。
ベラがいないのは、もしかするとむしろ良かったのかもしれない。彼らには自分たちの用事が十分あった。
その数日で、彼らは続けて三つの依頼を受けた。
派手すぎず、角猪二頭ほど危険ではないが、もう新人の小遣い稼ぎでもない依頼だった。一つは、古い石切り場に出た石の蛞蝓と、蛞蝓目当てに来る者を餌にしていた二体の捕食性の蜥蜴の掃討。二つ目は、村の樹脂採りを森へ護衛する依頼。そこには木に棲む噛みつき魔物が出ていた。三つ目は、農場の外れから山羊をさらっていく魔物への夜の待ち伏せだった。
よく動けていた。
失敗がなかったわけではない。だが最初の日々に彼らの上へぶら下がっていた、生の恐慌はもうなかった。リニは力をより均一に保つようになった。メイは短剣を持つたびに、技能ではなく自分の体の一部を思い出していくように動いた。ノエルはもう、ただの観察役ではなかった。彼女にとって短剣はまだ最後の境界線だったが、少なくとも今の彼女は、その境界線をどう差し出せばいいのか知っていた。
彼は自分が、短い命令を出して、失敗を待たなくなっていることに何度も気づいた。
危険な感覚だった。
そして心地よかった。
最後の依頼から戻って三日目、ノエルは自分一人でギルドへ書類を出し、報酬を受け取りに行った。リニは一緒に行きたがったが、ノエルは「私が一人でギルドまで行って戻ることもできないなら、私たちの有用性についての話は全部燃やしてかまいません」と言った。メイは「偶然」付き添うと言ったが、ノエルは「太腿に短剣二本を下げた偶然は怪しすぎます」と返した。
結局、ノエルは一人で出ていった。
戻ってきたのは夕方近くだった。
扉を開けて入り、背後で閉め、財布を卓に置いた。
重い音だった。
硬貨の音が、部屋の空気をすぐに変えた。
リニが顔を上げた。
壁際に座り、短剣の一本をだるそうに手入れしていたメイが動きを止めた。
彼はノエルを見た。
彼女はまっすぐ立っていたが、顔つきが妙だった。嬉しそうではない。怯えているのでもない。むしろ、硬くなるほど集中していた。
「契約を破棄するだけのお金が、私たちにはできました」とノエルは言った。
沈黙が、鋭く澄んだものになった。
部屋が急に硝子でできたようだった。
メイは動かなかった。
リニは指の周りを回していた小石を、ゆっくり下ろした。
ノエルは、少し声を落として続けた。
「それに、残ります。贅沢しなければ、私たちがほぼ一週間生きる分くらいは。だから暮らせます」
彼は数秒、財布を見ていた。
これだ。
彼らが向かってきた点。
いつか、ではない。
あといくつか依頼を終えたら、でもない。
運が良ければ、でもない。
今だ。
彼は立ち上がった。
「なら引き延ばさない。金を持って行く」
ノエルが目を逸らした。
「その必要はありません」
彼は止まった。
「どういう意味だ?」
「もう商人をここへ呼びました」
メイが鋭く顔を向けた。
「何?」
ノエルは鞄の紐を握りしめた。
「そのほうが安全だと思いました。あなたをまたあそこへ連れていかないで済む。通りを歩かなくて済む。人前で値段交渉される余地を与えなくて済む。私は念書を見せて、金額を確認して、出張手続きの手付けを払いました。半刻後に来ます」
メイは、言葉がわからないような顔で彼女を見ていた。
あるいは、あまりにもよくわかっている顔で。
「あなたが決めたのね」と彼女は言った。
ノエルが青ざめた。
「私は……いいえ。つまり、はい、技術的な部分は私が決めました。私たちはそうしたかったはずで……」
「そうだ」と彼は言った。
速すぎた。
なぜなら、このままではノエルが自分の決断の中へ落ちていくのが見えたからだ。
「俺たちはそう望んでいた。彼女は正しく動いた」
メイは答えなかった。
ただ短剣を卓に置いた。
とても丁寧に。
投げつけるより悪かった。
リニが静かに言った。
「メイ……」
「やめて」
メイの声は平らだった。
完全に。
そのせいで部屋はさらに冷えた。
半刻は、嫌な夜のように伸びた。
誰もまともには話さなかった。ノエルは二度、何かを説明しようとして、二度とも止まった。リニはメイのそばに座っていたが、触れなかった。彼は窓辺に立ち、宿の中庭を見下ろしながら、すべては正しく進んでいるのだと考えていた。
だからこそ、こんなに悪い。
商人は時間どおりに来た。
同じ、乾いた身なりの整った男。柔らかい声と、柔らかさのない目。彼と一緒に書記、持ち運び用の書類箱、印章、書類を燃やすための小さな金属の鉢、そして店の証人が二人。どうやら追加料金を払えば、体面も宿の部屋まで運んでこられるらしい。
手続きは、契約を結んだときより短かった。
本人確認。登録板の確認。念書の照合。金額の支払い。首輪に刻まれた奴隷契約の印の解除。署名。メイの爪による印。彼の署名。証人としてのノエルとリニの署名。印章。
それから商人は乾いた声で言った。
「契約は破棄されました。従属側のすべての義務は終了。保持者の権利も終了。譲渡、徴収、強制労働、債務拘束は不可能です」
彼はメイの首輪から登録板を外した。
首輪はメイ自身が外した。
手は震えていなかった。
まったく。
それもまた悪かった。
書類は金属の鉢で燃やされた。炎は小さく、ほとんど事務的だった。黒い縁が丸まり、文字は黒ずみ、署名は消えた。数日間、世界の中で彼女の形式上の立場を決めていたものは、一分で灰になった。
商人は金と書類箱と印章をまとめ、頷いて出ていった。
その後を、書記と証人たちが続いた。
扉が閉まった。
メイは部屋の真ん中に立ち、首輪を手にしていた。
登録板のないそれは、ただの暗い革の帯に見えた。
ほとんど普通の物に。
ほとんど。
誰も、何を言えばいいのかわからなかった。
彼らが目指していた自由は、祝祭ではなかった。安堵でもなかった。胸糞の悪い章の美しい終わりでもなかった。
それはただ部屋の中に立っていた。重く、剥き出しで、誰もそこへどう近づけばいいのかわからなかった。
メイは首輪を見ていた。
リニはメイを見ていた。
ノエルは卓に残った金を見ていて、おそらく初めて、数字の中に支えを見つけられなかった。
彼は、今あと一秒沈黙したら、全員があとで這い上がるのが難しくなる穴へ落ちると理解した。
そして彼は、言い得る中で最悪の言葉を言った。
正しいと判断したからだ。
「行け」
メイが顔を上げた。
「何?」
「君は行きたかったんだろう。なら行け。扉はそこだ」
リニが鋭く彼へ顔を向けた。
ノエルは固まった。
彼は声を平らに保つよう強いながら続けた。
「俺はもう、君の運命へ踏み込まない。自分の好きに生きろ。君はもう自由だ。短剣は記念に持っていけ。君はよく働いてくれた」
一語一語が打った。
彼には見えていた。
それでも最後まで言った。
なぜなら、もし今ここで出口を与えなければ、扉をまっすぐ開けてやらなければ、彼らが感謝を期待しているとか、彼女は残るべきだとか、彼女の居場所はもう決まっているとか、ほんのわずかでも匂わせてしまえば――自由はまた、見えない鎖をつけた頼みごとになるからだ。
痛いほうがいい。
乱暴でもいい。
あとで彼女が彼を憎んでもいい。
それでも、去る権利を彼女は持たなければならない。
本物の権利を。
紙の上だけではなく。
沈黙の中で、すべてがさらに悪くなった。
メイは、拳ではなく、もっと細い何かで彼に殴られたような顔で彼を見ていた。
「そういうこと」と彼女は言った。
「ああ」
リニが立ち上がった。
「やめて」
彼は彼女を見なかった。
「必要だ」
「そんなふうにはだめ」
「なら、どうする?」
リニは答えなかった。
彼女も、わからなかったからだ。
ノエルは膝に手を置いたまま白い顔で座っていた。その顔には、久しぶりに計算された緊張ではなく、剥き出しの、途方に暮れた理解があった。もしかすると、今日の自分は急ぎすぎたのかもしれない。もしかすると、彼女はすべて正しくやったのかもしれない。約束どおりに。メイをまた商人のところへ連れていかずに済むように。契約をできるだけ早く断ち切るように。
それでも、何か大事なところで間違えたのかもしれない。
メイはゆっくり扉へ歩いていった。
首輪はまだ手の中にあった。
短剣は太腿にある。
彼女は敷居まで行った。
扉を開けた。
戸口で止まった。
背筋はまっすぐだった。まっすぐすぎた。肩は硬い。耳はぴったり伏せられて、銀色の髪がほとんど隠していた。尻尾は動かなかった。
リニは手で口元を覆った。
泣かないようにしていた。
必死に。
そのせいで、なおさらうまくいかなかった。
ノエルが静かに言った。
「メイ……」
メイは振り向かなかった。
「黙って」
ノエルは黙った。
彼は卓のそばに立ち、内側が細く重い塊へ縮んでいくのを感じていた。
これだ。
自由。
扉は開いている。
誰も押さえていない。
誰も命じていない。
誰にも権利はない。
彼は喜ぶべきだった。
せめて静かに受け入れるべきだった。
だが実際には、世界の喉を掴んで、自由が追放に見えない道を考えろと要求したかった。
メイが不意に、静かに尋ねた。
「それで終わり?」
彼は答えなかった。
彼女は振り向いた。
その顔は怒っていなかった。
怒ってくれていたほうがよかった。
怒りなら彼はもう耐え方を知っている。メイの怒りは正直で、鋭く、わかりやすい。だが今の彼女の顔にあったのは、あまりにも無防備で、ほとんど子どものような何かだった。だからこそ、耐えがたかった。
「こうなの?」彼女は尋ねた。
彼は自分に言わせた。
「君は自由だ」
「私が聞いたのはそれじゃない」
彼は黙っていた。
メイは一歩、部屋へ戻った。
もう一歩。
扉は彼女の背後で開いたままだった。
「あなたは、私に出ていってほしかったの?」彼女が尋ねた。
「俺は、君が出ていけるようにしたかった」
「逃げるな」
「逃げていない」
「嘘」
声が揺れた。
ほんの少し。
だが、揺れた。
彼女は手の中の首輪を握りしめ、革が軋んだ。
「あなたは、私に出ていってほしかったの?」
彼は彼女を見て、「ああ」とは答えられなかった。
できなかった。
それは嘘だからだ。
「いいや」と言うこともできなかった。そうすれば自由はまた罠になる。
メイは、彼が言葉を見つけるより早く答えを見た。
「老いぼれの馬鹿」と彼女は息を吐いた。
父親のことではない。
彼のことだった。
そして不意に、首輪を彼の胸へ投げつけた。
彼は反射的に受け止めた。
メイが近づいた。
「あなた、本気で私がそれを望んでいたと思ったの? あなたが『出ていけ』って言うのを。やっと部屋から運び出す物みたいに」
「俺は……」
「黙って」
彼は黙った。
彼女は荒く息をしていた。
「あなたは私を勝ち取った。それから、縛らなかった。それから、紙を渡した。それから、働かせた。それから、褒めた。それから、守った。それから、『家族』と言った。それから今日、紙を燃やして、すぐ――出ていけ?」
リニが小さくしゃくり上げた。
メイは鋭く目を閉じた。まるでその音が彼女にも当たったようだった。
「私は女奴隷になりたくなかった」と、彼女はさらに低く言った。「契約も嫌だった。首輪も嫌だった。私の老いぼれの馬鹿が、賭け卓に私を置けるのも嫌だった。あなたが命令できるのも嫌だった」
彼女は目を開けた。
「でも、紙が燃えた瞬間に、私が要らないものになるのも嫌だった」
その言葉が、開いた傷のように彼らの間へ落ちた。
要らないもの。
彼は彼女へ一歩近づいた。
メイは退かなかった。
「君は要らないものじゃない」と彼は言った。
「なら、どうして追い出すの」
「追い出していない」
「『出ていけ』と言った」
「俺は、君は出ていけると言ったつもりだった」
「私は、出ていかなければならないと聞いた」
彼は目を閉じた。
これだ。
過ち。
意図ではなく。
言葉。
声。
彼女の人生を決めないようにしながら、自由の瞬間さえ彼女の代わりに決めてしまったこと。
「すまない」と彼は言った。
メイは打たれたように震えた。
「嫌い」
「知っている」
「あなたがそう言うの、嫌い」
「知っている」
「その後、殴りにくくなるから」
「殴っていい」
彼女は拳を握った。
「殴りたくない」
彼は目を開けた。
メイはすぐ近くに立っていた。首輪は彼の手の中にある。首輪のない彼女の首は、妙に開いて見えた。見慣れず、無防備に見えた。そもそもそんなことに気づいた自分を、彼は憎んだ。
彼女は下から彼を見上げていた。
「言って」と彼女は要求した。
「何を?」
「残っていいって」
「残っていい」
「違う」
声がさらに揺れた。
「『望むなら残ってもいい、俺にはどうでもいい』みたいにじゃない。新しい紙みたいにじゃない。正しい答えみたいにじゃない」
彼はゆっくり息を吐いた。
リニはもう声を出さずに泣いていて、窓のほうを向いていた。
ノエルは動かずに座り、正しい行動でも正しい言葉がなければ、間違いとほとんど同じくらい傷つけるのだと今理解した人間の顔をしていた。
メイは、ほとんど囁きで言った。
「頼んで」
彼は理解した。
同時に、理解できなかった。
「メイ……」
「私に残ってって頼んで。命じるな。放すな。頼んで」
そこで彼は、もう考えなかった。
慎重な表現も組み立てなかった。
正しさで身を守ろうともしなかった。
ただ真実を言った。
「残ってくれ」
メイは強く目を閉じた。
強すぎるほどに。
「もう一回」
「俺たちと一緒に残ってくれ」
彼女は震えた。
「もう一回」
彼は最後の一歩を踏み、すぐそばで止まった。
触れずに。
「俺のそばに残ってくれ」
メイは目を開けた。
その目にはもう涙が浮かんでいた。
彼女はそれを憎んでいた。見ればわかった。どれほど憎んでいるか。顔を、怒りを、強さを、先に噛みつく習慣を保とうとしていた。
保てなかった。
「主人」と彼女は言った。
意識して。
はっきりと。
その言葉を自分で選んで。
口を滑らせたのではない。あの時のようにこぼれたのでもない。それはもはや、契約の影響ではなかった。
彼女自身がそれを取った。
そのせいで、リニとノエルの息がほとんど止まったのを、彼は物理的に感じた。
「私を追い出さないで」とメイは言った。「要らないものだと思わないで」
彼は、君は自由だと言いたかった。そう呼ぶ必要はないと言いたかった。その言葉にはもう力はないと言いたかった。彼女には首輪も、主人も、誰かの印も要らないと言いたかった。
だが理解した。今それを言うのは助けではない。
それはまた、彼にとって不快だからという理由で、彼女が自分で選んだ言葉を奪うことになる。
彼は黙って首輪を差し出した。
つけずに。
勧めずに。
ただ返した。
メイは彼の手の中の暗い革を見た。
長く。
それから取った。
数秒、手の中で持っていた。
そして自分でつけた。
登録板なしで。
商人なしで。
紙なしで。
法なしで。
ただ、暗い革の帯として。
象徴なのか。挑戦なのか。記憶なのか。自分はもう物ではないが、すぐに消えなければならない切れ端でもない、と言うための彼女自身の方法なのか。
彼にはわからなかった。
そして、おそらく今すぐわかるべきでもなかった。
メイは留め具を閉じた。
それから彼のそばへ一歩踏み込み、額を彼の胸に押しつけた。
最初から抱きついたのではない。
ただ静かに、少し不器用にぶつかった。崩れていく家の中で、ようやく一本の柱にたどり着いた人間のように。
そして壊れた。
綺麗ではなかった。
柔らかくもなかった。
掠れた、怒った、恥じるような嗚咽だった。泣くことそのものを、力ずくで引きずり出されているようだった。
彼は寝台の端へ腰を下ろした。そうしなければ、彼女は立ったまま折れてしまう。メイはほとんど彼の前へ崩れ落ち、彼の服を、次に帯を掴み、それから腰に腕を回した。まるで彼が人間ではなく、崩れる家の真ん中に残った最後の柱であるかのように。
彼は彼女の頭に掌を置いた。
今度は意識して。
ゆっくりと。
彼女が離れたければ間に合うように。
彼女は離れなかった。
逆に、さらに強く身を寄せた。
彼は銀色の髪を、耳の間を、慎重に指で撫でた。
「いい娘だ」と、彼は静かに言った。
メイは、その言葉が最後の守りを壊したようにしゃくり上げた。
「嫌い」と、涙の間から絞り出した。
「知っている」
「そう言われるの、嫌い……」
「知っている」
「もう一回」
彼は彼女の頭を撫でた。
ゆっくり。
何度も。
「いい娘だ」
彼女はさらに激しく泣いた。
怒りも、窓辺の夜も、酒場も、父親も、賭けも、契約も、首輪も、「はい、主人」も、最初の褒め言葉で走った衝撃も、今日の「行け」も、扉も、一瞬だけ空虚になった自由も――そのすべてが、ようやく割れた。
リニはもう、泣かないふりをしていなかった。
ノエルも隣で泣いていた。静かに、ほとんど音を立てず、まっすぐ見てはいけないと思っているように床を見ながら。
彼はメイを撫で続けた。
そして今、意味がある言葉だけを言った。
「君は必要だ。聞こえるか。必要なんだ。俺が勝ち取ったからじゃない。君がよく戦うからでもない。君が必要だ」
メイは彼から離れないまま首を振った。
否定なのか。
もっと、なのか。
「残ってくれ」と彼はもう一度言った。「女奴隷としてじゃない。物としてじゃない。借りとしてじゃない。ただ、残ってくれ」
彼女は涙に濡れた顔を上げた。
赤く、怒った、濡れた目。震える鼻。伏せられた耳。登録板のない首輪が首にある。今や、それは法の印ではなく、もっと複雑で、もっと危険な何かだった。
「私が決めた」と彼女は掠れた声で言った。
「ああ」
「私が」
「ああ」
「あなたじゃない」
「俺じゃない」
「紙じゃない」
「紙じゃない」
「老いぼれの馬鹿じゃない」
「彼じゃない」
彼女はまた彼の腹に顔を埋めた。
「なら、もう二度とあんな声で『出ていけ』なんて言わないで」
「言わない」
「絶対」
「努める」
メイが震えた。
彼はすぐに言い直した。
「絶対に」
彼女は静かになった。
落ち着いたわけではない。
ただ力が尽きたのだ。
リニが最初に近づいた。
傷ついた獣へ近づくように慎重に。床に座り、メイに触れはしないが、十分そばにいた。
「私たちは、あなたに行ってほしかったわけじゃない」と彼女は静かに言った。
メイは掠れた声で答えた。
「見えてた」
リニはしゃくり上げながら、ほとんど笑った。
「そんなに見えていましたか?」
「顔で泣いてた」
「泣かないようにしていました」
「下手だった」
ノエルも続いて近づいた。
本を胸に抱くようにして、もう片側へ座った。
「私は、正しいことをしていると思っていました」と彼女は言った。
メイは顔を上げなかった。
「したわ」
ノエルが固まった。
「何を?」
「正しくやった。ただ……」
メイは唾を呑んだ。
「それでも痛い」
ノエルは目を閉じた。
「はい」
「泣くな、帳面」
「遅いです」
「今日はみんな弱い」
「あなたもです」
メイは涙の間で鼻を鳴らした。
「私が最初に始めた。私には権利がある」
彼は上から彼女たちを見下ろしていた。膝元のメイ。そばのリニ。そばのノエル。三人とも壊れかけで、生きていて、近すぎる。
そして理解した。この後、もうこれは、金と生存のための一時的なつながりだというふりはできない。
契約は焼かれた。
紙は消えた。
だが、別の何か――形式はなく、守りはなく、そしてはるかに強い何かが、逆に決定的に生まれてしまった。
彼はもう一度、メイを撫でた。
「いい娘だ」
「それでも噛むから」と彼女はぼそりと言った。
「知っている」
「後で」
「ああ」
彼女は少し顔を動かし、頬を彼の掌へ押しつけた。
「今じゃない」
「今じゃない」
窓の外では、夕方のアステルが騒いでいた。
階下では宿が生き、食べ、飲み、言い争い、笑っている。街のどこかでは、ベラが他人の荷と一緒に戻ってきているかもしれない。別の世界のどこかでは、彼の大切な女たちが、きっと今も手がかりを求めて国をひっくり返している。世界と世界の間のどこかでは、カールヴェスの呪いがまだ自分の成功を信じているのかもしれない。
そしてここ、小さな部屋では、自由になったメイが、彼女自身がつけた首輪をしたまま、彼の膝で泣いていた。




