第十四章
メイは自分で首輪をつけた。
それは大事だった。
おそらく、この胸糞の悪い手続き全体の中で、唯一大事なことだった。
奴隷商人の部屋は清潔で、明るく、それゆえになおさらひどく見えた。磨かれた木、書類の詰まった整った棚、硬貨用の秤、二つのインク壺、薄い金属の印章。壁には、従属契約を扱うためのアステル市の許可証が掛かっていた。
地下室ではない。壁に鎖もない。悲鳴もない。
すべて上品だった。
すべて合法だった。
だからこそ、彼はその卓を叩き壊したくなった。
商人は痩せた、身なりの整った中年の男で、声は柔らかかったが、その目にはもうずっと前から柔らかいものなど残っていなかった。彼は彼らの条件に驚かなかった。念書に憤りもしなかった。ただそれを非常に注意深く読み、いくつかの表現を確認し、「付随義務の非標準認証」とやらの追加料金を取り、それが強盗ではないような顔をした。
ノエルはその金額で青ざめた。
恐怖からではない。
選択肢がないという理由だけで金が他人の懐へ流れ込むのを見ている、計算のできる人間の怒りからだった。
リニはそばに立っていた。その顔は、もし今彼女の力が暴発したなら、磨かれた卓の跡が床にきれいな影として残るだけだろう、という顔だった。
メイは黙っていた。
商人が首輪へ手を伸ばしたとき、彼女は牙を剥いた。
「触るな」
商人はすぐに指を引っ込めた。
賢い。
メイは自分で首輪を取り出した。暗い革はほとんど静かに彼女の掌へ収まったが、彼には、留め具のところで彼女の指が震えたのが見えた。
彼女はそれを首へ上げた。
一秒、止まった。
そして留めた。
小さな音が鳴った。
本来より大きく聞こえた。
リニは目を閉じた。
ノエルは書類のほうへ顔を背けた。
彼はまっすぐ見ていた。
見たかったからではない。
自分が関わっていることから目を隠す権利など、彼にはなかったからだ。
商人は登録用の印を付けた。彼らが求めたとおり、正面ではなく横側に、小さな板を。次に条件を読み上げた。負け賭けによる譲渡。新しい保持者による受領。念書に付随する制限。別個の同意と認証された理由なしでの売却、譲渡、担保化の禁止。金額が貯まりしだい契約を破棄する義務。
一つ一つの言葉は乾いていた。
一つ一つの言葉が汚した。
彼は署名した。
メイは爪で印をつけた。
リニとノエルは証人として署名した。
財布は、ノエルが外に出てすぐ帳面を開き、残額を黙って書き直すほど、はっきり軽くなった。それから彼女は数字を見て、帳面を閉じ、言った。
「私は合法な手続きが嫌いです」
メイが鼻を鳴らした。
「私は気に入ったわ。とても心がこもっていた」
「始めないで」
「私はまだ始めてもいない」
「だからよ」
リニは黙って歩いていた。時々、彼女の視線がメイの首輪へ落ち、そのたびにすぐ逸れた。見ることが、もう一度その行為へ参加することになるかのように。
メイはそれにも気づいた。
「崩れたりしないわよ、貴族娘」
「あなたが崩れるなんて思っていません」
「なら、空気にまで謝りたそうな顔で見るな」
リニは唇を結んだ。
「わかりました」
メイの耳がぴくりと動いた。
「覚えが早い」
彼は横を歩きながら、これで新しい問題ができたのだと思っていた。
法的な問題でさえない。
もっと深い。
契約は結ばれた。
形式上、メイは彼に縛られた。
実際に彼はその力を使うつもりはない。
だが世界も、体も、習慣も、契約そのものの魔法も、彼の意図がどれほど高潔かなど尋ねてくれないかもしれない。
それは常に頭に置かなければならなかった。
だから彼は、彼女たちを宿へは戻さなかった。
「ギルドへ行く」と彼は言った。
メイが鋭く彼を見た。
「もう?」
「ああ」
「あなたは、すぐに使い始めるつもり?」
「違う。俺は、すぐ契約破棄のために稼ぎ始めるつもりだ」
彼女は黙った。
それから顔を背けた。
「筋は通っている」
「ほとんど褒め言葉みたいに聞こえるな」
「喜ぶな」
ギルドで、マリィはメイと首輪と彼らの顔を見て、瞬時に笑みを消した。
明るく、速く、よく喋るマリィはいなくなった。その代わりに、答えを聞く覚悟があるときだけ尋ねるべき問いがあることをよく理解している、ギルド職員がそこにいた。
「新しい参加者ですか?」彼女は尋ねた。
「ああ」と彼は言った。
メイは自分で一歩前へ出た。
「メイ。獣人。近接戦闘。今は武器なし」
マリィは一瞬だけ首輪を見た。
それからすぐに視線を書類へ移した。
正しい。
「組の一員として登録しますか?」
彼はうなずいた。
「そのとおりだ」
「所有物としてではなく、付き添いとしてでもなく、従属する召使いとしてでもなく?」
「組の一員としてだ」と彼は繰り返した。
メイは動かずに立っていた。
だが耳が動いたので、彼にはわかった。
聞いていた。
マリィも理解したが、顔には出さなかった。
「では、組の代表者とメイ本人の署名が必要です。従属契約があるなら、形式上はあなたの署名だけでも足りますが、生きている人間をギルドに登録するときは、本人が自分で印をつけるほうが私は好きです」
「賢い習慣です」とノエルが言った。
「眠りやすくなります」とマリィが答えた。
メイは自分で印をつけた。
今度の爪の跡は、前より確かだった。
「さて」とマリィは用紙をしまいながら言った。「これであなたたちは四人です。そして見たところ、私が知らないほうがいい何かに、もう見事に足を突っ込んだようですね」
「そのとおりだ」と彼は言った。
「素晴らしいです。では、依頼ですか?」
「ああ」
マリィは帳面を開いた。
「角猪のあとですから、もう少し柔らかいものを勧めたいところですが」
「だが?」
「ですが、今日に限って、小型の穴掘り獣の群れに関する依頼が二つ入りました。村はほぼ隣同士です。小型の魔物で、大きな犬くらいの大きさ。爪、牙。跳躍は苦手、走るのは速い。群れなら危険ですが、一体だけなら、手足が余分にある怒った野犬より少し厄介なくらいです」
「群れは何体だ?」
「説明によれば、一つ目は六か七。二つ目は十まで」
彼は考え込んだ。
昨日なら、断っていた。
今日なら、必ずしもそうではない。
リニなら一撃で群れの一部を削れる。彼は抜けてきたものを処理できる。メイは武器なしでも近接戦闘では恐ろしいだろう。ノエルは見て、数え、警告し、回り込みを見逃さないようにできる。
小型の魔物の群れ。
それは以前なら、確実な敗北だった種類の依頼だ。
今なら、試験になる。
危険だが、有用な試験。
「両方受ける」と彼は言った。
ノエルが口を開けた。
そして閉じた。
自分でももう、道順、報酬、出費を計算していたからだ。
メイは興味を帯びて見た。
「いきなり二つ?」
「村が近い。一度の外出で二件片づく。早く稼げる」
「私のために?」
「契約破棄のために」
彼女は笑みを歪めた。
「言葉ね」
「ああ。だが今は念書もある」
マリィは普段より少し長く彼らを見ていたが、割り込まなかった。
「角猪のときも警告しました」と彼女は言った。「今回も警告します。小型穴掘り獣は重くはありませんが、囲ませると足を狙って倒してきます。特に、背が低い者、若い者、弱く見える者を」
ノエルがため息をついた。
「つまり私ですね」
「ご自分でおっしゃいました」
「もう慣れました」
「線の後ろにいてください」とマリィは言った。「それと、散らばらせないでください。三、四体逃げると、村は一週間後にまた依頼を出してきます」
それは重要だった。
とても。
出発前に、彼は武器屋へ寄ることを提案した。
「短剣を二本」と彼はメイに言った。「簡単なものでいい。高くなくていい。ただ、あるほうが楽だ」
メイは冷たく彼を見た。
「嫌」
「君が素手でもやれるのは知っている。だが――」
「嫌」
彼は黙った。
内側で古い記憶が動いた。彼のメイ、刃、シミター、双短剣、正確さ、獣じみた動き、手の延長のような鋼。
言いたくなった。
君に合う、と。
買って渡したくなった。
道を速めたくなった。
だめだ。
特に今は。
契約はあまりにも新しい。どんな圧力も、助言ではなく命令のように感じられかねない。そして彼は、その命令を使うつもりはなかった。
「わかった」と彼は言った。
メイは、続きがあると予想していたように目を細めた。
続きはなかった。
「それだけ?」彼女は尋ねた。
「ああ」
「説得しないの?」
「しない」
「命令できるから?」
「まさに、だからしない」
メイの尻尾が動いた。
「むかつく」
「それはもう聞いた」
「繰り返す」
「理にかなっている」
彼女は顔を背けたが、肩の硬さは少しだけ薄れた。
彼は、彼女が短剣なしでもやれることを知っていた。
そして、その通りだった。
一つ目の群れは、ほとんど問題にならなかった。
ほとんど、だ。
どんな群れでも不快なものは不快だからだ。
村は低い雑木林の端にあった。穴掘り獣たちは牧草地の裏にある古い窪地を気に入り、毎晩、根のあたりの土を掘り返して小動物を追い出し、そのついでに鶏小屋へ近づいていた。魔物たちは醜かった。低い体、茶灰色の毛、長い前脚、爪、伸びた口、そして普通の腐肉食いにしては賢すぎる光を宿した目。
八体いた。
リニの働きは、もう前よりよかった。
完璧ではない。最初の一撃は必要より少し広く出て、土と枯れ葉を上げすぎたが、当たった。四体が一気に弾き飛ばされ、根に叩きつけられて折れた。端をかすめられた五体目は悲鳴を上げ、這って逃げようとした。
一呼吸で、群れの半分が消えた。
良い。
美しくはない。
まさに、良かった。
二体が彼へ向かった。
彼は一体の顔へ短い魔法の衝撃を叩き込み、刃で仕留めた。もう一体は横へ流して通し、振り返って首を斬った。肋骨は疼いたが、耐えられた。角猪のときよりはもう良い。
残り三体はリニのほうへ走った。
メイが途中で受け止めた。
武器なしで。
ただ、爪と牙を持つ影のように。
一体目の顔を、跳ぶ暇もない速さで裂いた。二体目は脇腹へ蹴りを入れて横へ弾き、落ちかけるその体勢から喉の下へ爪を突き入れた。三体目は低く抜けようとしたが、メイのほうが速かった。跳び込み、転がり、鋭い一閃。茶灰色の体が地面に崩れた。
それからメイは立ち上がり、手についた血を振り払い、彼を見た。
どうだ、とでも言うように。
彼はうなずいた。
「良かった」
彼女は鼻を鳴らした。
だが、聞こえたことを隠しはしなかった。
二つ目の群れは、より確実だった。
彼らが急に熟練者になったからではない。
一つ目で、やり方が通じるとわかったからだ。
リニはもう広く撃ちすぎなかった。九体のうち五体をすぐに削った。しかも三体は、力任せの一撃ではなく、短い魔力の二撃できれいに仕留めた。彼は横から回ろうとした二体を処理した。メイは近接戦闘へ、ひどく楽しそうな怒りで飛び込んだので、遠くで見ていた村の猟師が思わず柵の後ろへ下がったほどだった。
そしてここで、ノエルが役に立った。
彼女はいるべき場所にいた。出しゃばらなかった。理由もなく叫ばなかった。見ていた。
そして見つけた。
「三体逃げる!」彼女が叫んだ。「右、沢のほう!」
メイはすでに振り向いていたが、そちらではなかった。
ノエルの呼びかけは完璧に働いた。
「メイ! もっと右!」
メイが駆け出した。
三体の穴掘り獣は本当に、低く、地面へ這うようにして、茂みを利用しながら逃げていた。沢へ出て、その先の藪へ入られたら、依頼は未完了とするしかなかった。あるいは後で一体ずつ追い回すことになる。そちらのほうが悪い。
メイは一体目を跳躍で捕まえ、二体目は投げた石で後脚を打って走りを崩し、三体目は水際のすぐそばで追いついた。そこで彼女はただ上からのしかかり、地面へ押さえつけ、爪の一動作で終わらせた。
戻ってきたとき、ノエルは目を大きく開けて立っていた。
恐怖からではない。
自分の叫びが本当に結果を決めたのだと理解したからだ。
彼は彼女へ近づき、考える前に言った。
「いい娘だ」
ノエルが固まった。
リニも。
メイが顔を向けた。
彼自身も、半分言ったところで理解した。
まただ。
この呪われた癖。
ただ今度、打撃は前回とは別の場所へ入った。
ノエルは一瞬で赤くなった。リニのときのような、期待の内側が折れるような反応ではない。むしろ、不意打ちと照れ、そして褒め言葉があまりにもまっすぐ届いてしまったせいだった。
「私は……」ノエルが言った。「つまり……ただ見えただけです」
「それが大事なんだ」と彼は言った。「そして、警告は間に合った」
ノエルは目を逸らした。
「ありがとうございます」
リニは少し離れて立っていた。
その視線に、説明しづらい色がよぎった。嫉妬に似ていた。邪悪なものではない。子供っぽいものでもない。むしろ痛むようなものだった。自分では感じたくないのに、だからこそ余計に感じてしまうような。
メイは疑わしげに彼を見ていた。
「あなた、全員をそうやって褒めるの?」
彼は息を吐いた。
「これは……癖だ」
「便利な癖ね」
「そうでもない」
彼は三人を見た。
穴掘り獣の血が地面に残り、掘り返された草と満足げな村人たちを背景に、説明するにはまったく都合が悪かった。
だが、必要だった。
「あの世界で」と彼は言った。「俺はよくそう褒めていた。リニを。メイを。ノエルがそばにいるときは、時々ノエルも。侮辱としてではない。命令としてでもない。ただ……温かい仕草としてだ。誰かがやり遂げたとき。乾いた『よくやった』ではなく、もっと近い何かを言う必要があるときに」
ノエルはまだ横を見ていた。
リニは黙っていた。
メイは顔をしかめた。
「褒められること自体は別に嫌じゃない」と彼女は言った。「でも撫でるな」
「私はしません」
「本気で」
「本気だ」
「私に『いい娘だ』もなし」
彼は彼女を見た。
「わかった」
彼女は目を細めた。
「わざと?」
「違う。今のは違う」
「疑わしい」
彼は少し黙った。
それから、癖の言葉を使わずに言った。
「君は今日、見事に動いた。武器なしで、無駄な動きもなく、速かった。一つ目の群れはきれいに処理した。二つ目ではノエルの呼びかけに正しく反応して、魔物たちを逃がさなかった。強かった」
メイが固まった。
彼は、鼻を鳴らすか、乱暴な返事か、「自分でも知っている」という言葉を予想していた。
だが彼女は黙った。
そこで見えた。契約のせいか、それとも全部が重なったせいか、褒め言葉は普通の言葉より深いところへ入っていた。柔らかくではない。むしろ痛むように。押し返したいのに、すぐにはできないように。
彼女の首の首輪は暗く、髪と肌の色の中でほとんど目立たなかった。
それでも、そこにあった。
メイは視線を逸らした。
「そう」
「今のは褒め言葉です」と、ようやく立ち直ったノエルが言った。「そういうときは時々『ありがとう』と答えます」
メイは彼女へ視線を投げた。
「ありがとう、宮廷帳面」
「私は帳面じゃありません」
「でもいつも何か書いてる」
「誰かが未来について考えなければならないので」
「私だって考えてる」
「誰を殴るかのことを」
「それも未来よ」
リニが静かに笑った。
緊張がほどけた。
完全にではないが、十分に。
彼はリニへ向き直った。
「君もよく動いた。昨日の訓練より良かったし、角猪のときよりずっと良かった。最初の一撃は少し広かったが、範囲内だった。二つ目の群れはほとんど正しく取った」
リニはうなずいた。
「ほとんど?」
「ほとんどだ。二発目で一瞬、必要より力が上がった。でも、君は戻した」
「感じました」
「それが大事だ」
彼女は微笑んだ。
静かに。
抑えた微笑みだった。
だが目にはまだ、さっきの説明しづらい色が残っていた。
彼は気づいた。
触れなかった。
今ではない。
証拠集めは早かった。穴掘り獣からは、爪と、耳の後ろの骨の突起を取った。村人たちは数を数えるのを手伝い、印を押し、感謝として野菜の袋を一つ足した。それをノエルは、まるで正式な報酬の一部であるかのように厳かに受け取った。
二つ目の村も、余計な交渉なしで依頼を確認した。メイが爪に血をつけた姿と、リニが手首のそばで小石を静かに回している姿を見て、値切ろうという気持ちは吹き飛んだらしい。
彼らがギルドへ戻ったのは夕方だった。
マリィは二件の依頼を受け取り、証拠を見て、それから彼らを見た。
「一日で二件ですか?」
「村が近かったんです」とノエルが言った。
「それに全員生きている」
「それも近かった」と彼は言った。
マリィは笑みを浮かべた。
「見たところ、組の増員は役に立ったようですね」
メイが鼻を鳴らした。
「報告書に書いておきなさい」
「ギルド職員を挑発しないで」とノエルが言った。
「挑発したら何?」
「彼女たちは、あなたが生きているより長く書き続けます」
マリィが指を一本上げた。
「この子は権力の本質を理解していますね」
「私は子どもではありません」とノエルは自動的に言った。
「ギルドでは、逆を証明するまで、すべての新人は女の子、男の子、あるいは未来の問題です」
彼は支払いを受け取った。
合計すると、角猪よりも多かった。
リスクと疲労を考えるなら、そこまで大きな差ではない。だが彼らにとっては、はっきり違った。
ノエルは受付でそのまま硬貨を数え、もう一度数え、それから記録した。その顔は、その日初めて、ほとんど満足そうだった。
「四人で一週間半は生きられます」と彼女は言った。「贅沢しなければ」
「契約破棄までは?」メイが尋ねた。
ノエルはページをめくった。
「この調子なら……依頼を受けて、余計な出費をせず、誰かの肋骨を折らなければ……」
「誰か?」メイが聞き返した。
「特に彼です」とノエルは彼へ頷いた。「一週間、もしかすると一週間半。運が良ければ」
メイは黙ってそれを受け入れた。
一週間か、一週間半。
今すぐの自由ではない。
だが、もう期限だった。
見える終点だった。
それは空気を変えた。
その夜の戦闘検討は、ほとんど落ち着いて進んだ。
彼らは自分たちの部屋にいて、食事と水とノエルの記録、そして隅に置かれた野菜袋があった。メイは壁際の場所を取っていたが、もういつでも扉へ飛び出すつもりのようではなかった。ただ、そのほうが彼女にとって楽なのだろう。
「失敗は少なかった」と彼は言った。
ノエルが顔を上げた。
「これはもう褒め言葉の始まりですか、それとも罠ですか?」
「始まりだ」
「怪しいです」
「慣れろ」
彼は項目ごとに話した。
リニ――良い制御、少し広い最初の一撃、斉射後の力の戻し方は改善、距離も正しく保った。
ノエル――観察は優秀、呼びかけは適切、一度も攻撃線に立たず、戦士のふりをしなかった。そのおかげで、より大きく役に立った。
メイ――高い速度、命令への反応は良い、近接戦闘は安定している。ただし、側面確認なしに深く前へ入りすぎる危険がある。
メイが鼻を鳴らした。
「追ってたのよ」
「ああ。そして、もし茂みに二つ目の群れがいたら、君は一人でそこへ飛び込んでいた」
「いなかった」
「今日はな」
彼女は目を回した。
「はいはい、主人」
その言葉は不意に飛び出した。
ただ自然に。
自動的に。
そしてすぐ、誰かが重い鉄を落としたように、部屋を打った。
メイが固まった。
ノエルの筆が止まった。
リニがゆっくり顔を上げた。
彼も固まった。
首輪。
契約。
彼女が言うつもりのなかった言葉。
それでも、口から出た言葉。
へりくだったものではない。柔らかいものでもない。服従的でさえなかった。むしろ「はいはい、わかった」と言うときのような、苛立ち混じりの返しだった。だが形は、たしかにそれだった。
「はいはい、主人」
メイの毛の下の顔色が悪くなった。
それから、最初に気づいた者を噛み殺すような顔で牙を剥いた。
そして全員が気づいていた。
全員が同時に、気づかなかったふりをした。
ノエルが最初に帳面へ戻った。
「つまり、記録します。追跡時は、組の視界から外れる範囲まで先行しないこと」
リニはとても慎重に杯を取った。
「それは妥当です」
彼も同じように平らな声で言うよう、自分に強いた。
「ああ。その通りだ」
メイは、疑いと怒りと、それ以外の何か――無防備で、ほとんど痛むような何か――を混ぜた目で彼らを見ていた。全員が聞いたと理解していた。全員が聞かなかったふりをしていることも理解していた。そして、おそらく彼女は、どちらに怒ればいいのかわからなかった。
誰も何も提案しなかった。
何を提案しろというのか。
言うな? 彼女はそもそも言うつもりがなかった。
気づくな? 彼らはすでに必死にそれをしていた。
今すぐ契約を破棄する? 金が足りない。
影響について話し合う? 早すぎる。痛すぎる。事実が少なすぎる。
だから彼らはただ、その縁を歩き、下を見なかった。
検討は続いた。
少しぎこちなく。
それでも続いた。
その後、食べた。今回は角猪ではなく、村でもらった野菜を加えた普通の煮込みだった。ノエルは野菜を「組の副収入」と宣言した。メイは、賞金が出るなら誰かの首も収入に入れていいのかと尋ねた。リニは、まず合法性を確認したほうがいいと言った。ノエルはあまりに真剣な顔で同意したので、メイは初めて本当に声を出して笑いかけた。
かけただけだったが。
ずっと後、蝋燭がほとんど燃え尽きたころ、メイはまだ壁際に座り、指で首輪の縁に触れていた。
引っ張っていたのではない。
ただ、それがそこにあると確かめていた。
彼はまっすぐ見なかった。
だが見えていた。
リニも見ていた。
ノエルはおそらく誰よりもよく見ていて、それでも計算に忙しいふりをしていた。
その日は成功だった。
二つの依頼。良い組の動き。金。契約破棄までの期間は、ぼんやりした夢ではなく、現実の一週間か一週間半になった。メイは正式に、所有物ではなく組の一員として記録された。リニはより正確になった。ノエルは初めて本物の戦闘で褒められた。彼自身も、数日前よりましに動けた。
それでも、あの偶然の「はいはい、主人」は、見えない石のように彼らの間に残った。
歩くことは妨げない。
だが、彼らの一歩一歩が今、とても薄い氷の上で行われているのだと思い出させながら。




