『来訪者』
ピンポーン
家のチャイムが鳴った。
(あれ?そんなうるさかったかな?)
ドアスコープ覗いても……
見えない。
指で塞がれているのだろう。
(怪しいな……)
俺は護身用の拳銃を抜いた。
チェーンを付けてからドアを開けると
バチン!とチェーンが電動工具で切断された。
次の瞬間、蹴りが腹にめり込み、俺は床に転がった。
そのまま、男にショットガンを突きつけられ
「動くな!銃を捨てろ!」
拳銃を落とし玄関で倒れていた所、部屋にもう1人入って行った。
「28番を発見」
そう言うと沙夜ちゃんの腕を掴み連れていこうとした。
(番号呼び?28番?沙夜ちゃんのことか?)
俺はわけもわからず混乱して動けずにいた。
「やめて!」
沙夜ちゃんは、必死に抵抗しているが、そのまま引き摺られるようにして連行される。
「沙夜ちゃん!」
部屋の外まで連れられたところで
「この男はどうしますか?」
「ついでだ。始末しろ」
冷酷な指示を飛ばした。
男はゆっくりと引き金に指をかける
(あ、詰んだ……?)
「だめぇ!!」
沙夜ちゃんが叫ぶと同時に
キィィィィン
と激しい耳鳴りがした。
グチャッ!ミシミシ……!
「え……?」
俺の目の前で人間1人が空間ごと圧縮されギチギチと嫌な音を立てながら“ソフトボール”ほどの球体になって、落ちた。
「げえええ!!」
沙夜ちゃんはその場にへたり込み嘔吐した。
俺はその隙に転がって拳銃を拾い、残る1人の頭を撃ち抜いた。
俺は射殺した事より、目の前で人間が球体になった事が衝撃で握った拳銃がガタガタと震え、手を離せなかった。
俺は震える声で、
「沙夜ちゃん、大丈夫?」
自分も落ち着かせるよう、ゆっくりとした口調で聞いた。
「はい……はい……!」
沙夜ちゃんは泣きながら何度も頷いた。
俺は立ち上がろうとしたが、腰が抜けてすぐに立てなかった。怖いと本当に腰抜けるんだな……
「助けてくれてありがとね」
としばらく声をかけたが
「……すみません、すみません」
罪悪感からかずっと謝っていた。
俺は少しすると、落ち着いてきて立ち上がれた。
遠くからサイレンの音が聞こえる。通報されたのかも
「げ!沙夜ちゃん、とりあえず誰か来たら面倒だから逃げよう」
沙夜ちゃんを立たせるとアパートの裏口から走って逃げ出した。




