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『ファインプレー』
蠢きながら徐々に戻っていく……骨がゴキゴキと嫌な音を立て形が形成されていく。
29番に呆然としている俺たちだったが、
「剛さん!灯油!灯油かガソリン!!」
「わ、わかった!」
剛さんは家の奥へ走った。
「この野郎!死ねぇ!」
俺は必死に蹴りを入れていたが、効くはずもなく、
再生のスピードが速い。
ジュルジュルと肉が盛り上がり、どんどん人の形になっていく。
「ヴぁあああ!!」
とうとう顔が再生しこの世のものとは思えない叫び声を発したところで剛さんが戻ってきた。
すぐにポリタンクの中身をぶち撒けた。
俺はポケットからジッポを取り出そうとしたが……
「あ……!ジッポがない!」
あ!そうだった!首都高で使い捨てたわ!
「剛さん!ライター!」
「俺、タバコ吸わねえんだよ!」
「そんな面して、吸ってねぇのかよ!吸えよ!」
「どいて!」
亜美ちゃんが割り込んで火のついたマッチを投げ込んだ。
「ぎゃあああ!!」
29番は叫び声を上げて転げまわり、土の上まで行くと穴を掘り、そのまま姿を消した。
(あいつ、火傷あったし炎に弱いのかも)
「亜美ちゃん、ファインプレー!ナイスナイス!どこにマッチあったの?」
「おじいちゃんの仏壇!」
とりあえずは撃退したが、また来るかもしれない恐怖感を残していった。




