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サキュバスとエロ漫画野郎と冒険者  作者: 胡桃リリス
第七章 サキュバスとエロ漫画野郎と暁の魔法使い
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6-1 エロ漫画野郎と破壊神 すっごくヨーロッパな感じがする!!

風都探偵第4話がウマ娘回でアイマス回だった件に関してさらに嬉しく

 セバスティアンさんは仕事があるらしく、王城の前で別れ、ジャンヌさんとルネさんに連れられて、第一区画へと降りて来た。

 昨日は見て回ることができなかったため、楽しみである。

 それは他のメンバーも同様で、ブロードとエルフィはきょろきょろとあたりを見渡し、そわそわとしていた。

 エルフィは、なんというか、海外旅行の気分だろう。オルバインの街もある程度は歩き回ったが、あそことは違う雰囲気のエリスに興味深々なようだ。


「晴樹さん、晴樹さんっ!」

「ん?」

「なんていうか、すっごくヨーロッパな感じがする!!」

「よかったな」


 まぁ、なんというか、緩やかな丘とか、山に築かれた西洋の街って感じだもんな。

 と言うかオルバインも十分ヨーロッパしてたけど。っていうか、この世界で俺たちが立ち寄ったところは全部ヨーロッパヨーロッパしてたわ。


「皆の服装とか、文化とかもどっか近世っぽいし」

「ん? 近世?」

「はいっ! 昨日、寝る前にエルナちゃんと話してて、馬車にサスペンションがあるって話を聞いて、あーそっやたら近世やなって思ったんです!」

「あー、そう言えば……」


 思えば、ところどころ、中世ヨーロッパよりも、近世ヨーロッパっぽいところもあるし、何なら現代地球っぽかったり、それを超越した技術も中にはあるなぁ……。

 メイプルへと振り返って、日本語で問いかけると、日本語で答えられながら頷かれた。


『……中世ヨーロッパ風って、何だっけ』

『十五世紀くらいまでのヨーロッパ……まぁアンタが言いたいのは、日本人がよくイメージするって奴なんでしょうけど。別にいいんじゃない? そもそも、ここは私たちのいた地球じゃないんだし』


 まぁ、それはそうなんだが……ずっとこの世界って中世ヨーロッパっぽいとか考えてたから、近世のそれに考えが至っていなかったから……うごご……。

 高校時代に在籍していた同好会やら、妹や両親から教えてもらったゲームや漫画などでいろいろと知りたいことがあって、そう言った知識は多少持っていると自負していたのに……何たる不覚……!


『あれ、晴樹さん、どーしたんですか?』

『中世ヨーロッパっぽいなぁと思ってたら、よく考えたら近世ヨーロッパっぽいところもいっぱいあるなってことに気づいて落ち込んでるだけだから気にしちゃだめよ』

『えっ、ここって異世界やし、地球の中世とか近世とか、関係ないんとちゃうん?』

『それはそれ、これはこれって奴ね。どーでもいいわ』


 メイプルはそう言って、俺の手を引いた。


「ほら行くわよ。ジャンヌたちの時間をこれ以上奪わない」

『ちなみに、ヴォーバンが活躍していたのは十七世紀初頭、つまりバリバリ近世ね』


 そして、俺のメンタルにきっちりとトドメを差してくれた。

 そっか、そうやったな……ヴォーバンさん、十七世紀の人やったな……ごはっ。


『ちなみにエルフィ、西洋の近世って、どれくらいから始まったかわかる?』

『えぇと、大航海時代とかルネサンスのあった頃やったっけ? せやから十五世紀くらいやったかな?』

『まぁ大体そのあたりで覚えてたらいいわ。十五世紀中ごろから後半がスタートって感じで』


 そう言えばそうやった。歴史の授業でやった。今更思い出したわ。

 だからもうやめてくれ、もう俺のメンタルライフはゼロなんだが?!


『ま、さっきエルフィも言ったけど、ここは現代地球じゃないし、そもそも地球みたいな歴史をたどってる訳でもないから、私たちから見たら色々と混乱したり、ごっちゃになってるところがあるように思うかもしれないけど、それがこの世界なんだから気にしたってしょうがないのよ』


 それはそうなんだが……うん、まぁ気にしたってしょうがないな。

 うん、異世界だし!!


「あの、ハルキさんたちは一体何を話しているんですの?」

「気にしなくていいと思うよ?」


 地球出身組三人(俺たち)のやり取りを待ってくれていたジャンヌさんが訝しんだような表情をしていたが、エルナが適当に突っ込んで流そうとしてくれていた。ありがたや。


「さて、それではエリスの街を案内いたしますが、どこかご希望の場所はありますか?」

「……あ、だったら、大広場に行きたいわ」


 誰も何も言わなかったので、メイプルが手を挙げて答えた。


「承知いたしましたわ。では、こちらへ」


 ルネさんを連れて歩き出したジャンヌさんの後に俺たちも続いていく。殿(しんがり)は俺とリアさんだ。

 何度か訪れているって言ってたし、あんまり気にならないのかなと思ってたら、隣に並んできたリアさんが前を向いたまま、自然な様子で脳内に直接話しかけて来た。


『ハルキよ、今のところ、奴らは抑えられている』

『あ、そうなんですね』


 日頃からこういうことに慣れているおかげで、一切動揺せずに対応できた。


『ナターシャさんたちはどうですか?』

『無事だ。今のところ、苦戦している様子もないが……』


 少し言い淀んだリアさんは、しかし、


『ふむ、ザタークの奴がいないようだな』

『ザターク?』

『星海の邪神の一柱で、クッタクァ、ノディアーと同じように、八百年前からこの星を狙っている最古参の強者だ』


 新しい邪神の名前が出てきて、しかもそいつがクッタクァやノディアーと同じく、八百年前から生き残ってきた、リアさんをして強者と呼ぶ程のヤバい奴だとわかり、嫌でも緊張してしまった。


『クッタクァとノディアーに劣らず厄介な奴だが……姿を最初から見せていないというのは、少し妙だ』

『どんな邪神なんですか?』

『お主たちが大食いと呼ぶアイツをも凌ぐ回復能力を備え、次元断裂を常の攻撃手段として用いてくるな』


 絶句した。

 大食いを超える回復手段を持っている上に、次元断裂とか、文字通り次元違いの攻撃方法を通常攻撃でしてくるって……クッタクァより厄介じゃねーか。


『次元断裂なんぞ星海の邪神たちは普通に使ってくるぞ。ただ、こちら側へ顔を出された際に、担当した者と待機している者たちが能力を抑え込むから、クッタクァたちが好んで使ってこないだけだ』

『うげっ、マジですか』


 そういえば、あいつら、能力かなり抑えられてるんだっけか。

 リアさんが、クッタクァが弱体化させられてるって言ってたしな。

 神様たちが能力抑えられてて、これまでの強さだったもんなぁ。

 タスラムとヴェスタ・フレイム無かったら、本当にどうしようもないって感じがあったが……。

 次元断裂なんてマジどうやって防げと?


『今のお主の力で防ぐには……私のオーラを纏わせたエーテル・ランパードで防ぐことができる。だが、奴は息をするように使ってくる故、お主の魔力が切れる方が先であろうな』

『クッタクァよりキツい相手ですね。それに回復って、ヴェスタ・フレイムでどうにかできますか?』

『私の見立てでは、瞬時に浄化されるだろうが……下手をすれば、一瞬だけ耐えるやもしれん』

『その一瞬が、命取りになるんですね』


 邪悪とは言え相手は神。

 一般人でも対応に困る一瞬という時間ならば、神様にすれば無限の選択肢が何回でもトライアルできる時間なのだろう。

 これまでのクッタクァたちとの戦いで、それを嫌でも感じさせられている。


『その時はタスラムの力を借りると良いだろう。奴も、これまでに何度も星海の邪神を退けて来た神器だ』

『そうさせてもらいます』


 タスラムの持ち主……一応、どの神様が持ち主かはわかっているし、何ならすぐにでも返せる状況ではあるのだが、俺のところにまだ居た方がいいだろうということで、タスラムをお借りし続けている。

 リヴァイアサンの時にはかなり無茶をさせてしまったが、その後のクッタクァとの戦いでは本当に助けられた。

 いざという時は、また一緒に戦ってもらおう。


『それで、今回、そのザタークって奴の姿がないってことが、何でそんなに気になるんですか?』

『あぁ。戦いの最中に疲れたから寝ると言って姿を消し、そのまま本当にクッタクァたちが撤退するまで戻らなかったことも一度や二度ではない』


 あー……ダウナー系な奴なんかな。

 何か聞いてる限り、純粋に厄介な相手みたいだし、助かると言えば助かるが。


『だが、私がこの世界に来る前に、時折、神々の想像していなかった、邪神の強力な先兵が地上に出てくることがあるらしい。その時、決まってザタークの姿がなかったと聞いている。私もこの世界に来てから、何度か、そのような場面を目撃している。ザタークがやったことかどうかは、確証がないが』


 前言撤回。

 純粋に厄介かつヤバい敵らしい。


 クッタクァと、まだ直接戦っていないノディアーという奴もいるのに、まだ頭の痛くなるような敵がいる。


 なめていた訳じゃないが、こんな奴らがまだわんさかいて、それで神様たちが困る程攻めてきているのだから、改めて、この戦いの恐ろしさを実感した。

 理不尽だが、倒せない訳じゃない。


 それに、俺には、仲間たちがいる。


 邪神の攻撃は絶大だ。それから皆を守り、できうる限り一撃で浄化するのは、俺の役目だ。


『今はそれでよい』


 リアさんがそう言ってこの会話を終了させてすぐに、最初の目的地である大広場に到着した。


 たくさんの人たちが行き交い、日々を過ごしている。

 どこにでもありふれた光景って奴だが……どの人も、この世界で確かに生きている人たちだ。


 この人たちを、住んでいる街を、そしてこの世界を、星海の邪神たちから守り抜かないとな。


 ジャンヌさんの広場の解説を聞きながら、改めてそう決意したのだった。

お読みいただき、ありがとうございます。


夏休みが終わりますね。大学生の方々はもう少し夏休みが続く感じでしょうか。

ヒグラシとツクツクボウシが鳴いていると、8月も終わりだなと毎年感じています。

皆様はどのような8月をお過ごしでしたでしょうか。

私は、色々と学びが多かった月です。


さて、8月が終わっても夏はまだしばらく続きますのでご注意を。

特に水分補給と睡眠時間は大事ですよ!


それでは、また次回。

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