EP2 エロ漫画野郎と新米魔導士と草谷の百合 私のやりたいこと
書き直したら7000文字超えてたので、もう一分割しました。
そして、修正作業してたら直投稿していることに気が付きました。OTZ
「私、どうしたいんだろ……」
「それは自分で決めることじゃないかしら?」
顔を上げると、いつの間にそこにいたのか、ミレニアが椅子に座っていた。ついでに、その隣に晴樹さんもいた。
「ってメイプルちゃんと一緒に出てったんじゃないんですか?!」
「いや、一度出て、ミレニア連れて戻ってきた」
「私の監督役よ。今は我慢なさいな」
そう言われたら、文句言えないじゃん。
「ハルキは信頼していいと思うわ」
「いきなりどうしたん?」
「コイツをそう邪険にしないであげなさいってことよ」
別に邪険にしてるんじゃなくて、さっきからずっとここにいて、私の独り言とか聞かれてたんじゃないかって心配になって焦っただけ。
訳を説明したら、二人が顔を見合わせてから苦笑いした。
滅茶苦茶恥ずい。
「で、話を戻すけれど、アンタがどうしたいかを決めるのはアンタよ。メイプルたちに着いていくのも、私たちと一緒に行くのも、冒険者になるのも、自由に選んでいい。そういう権利をアンタは持っているの。私とリリィは、そんなに選択肢はもらえなかったわ」
うぐっ、そう言われると反応に困るんだけど。
「エルフィ。アンタは、利用されたとわかってからも、私を助けようとしてくれた。本当に感謝しているわ」
「うん」
改めてお礼を言われると、少し照れくさくて、ついミレニアから目を逸らした。
「私はね、一緒に冒険者ギルドで働くなら、悪くないって思っているの。リリィもアンタの事を気に入ったみたいだし」
でもね、とミレニアは続ける。
「もしもアンタが、これをしたいって思うことがあれば、それを選びなさい。後悔のないように」
「それはわかっとるけど……」
なんて言うか、勇気がないというか。
ここに来て、少し怖気づいた感じ?
言い出せなくて、口ごもっていると、ミレニアが話を続けた。
「アンタの名前は、エルフィ・エクスカッシャン」
「え? う、うん」
出会った時に、彼女がくれた、大切な名前だ。
意味は、良くわかっていないけど。
「エルフィは、エルフからもじったの。それから、エクスカッシャンっていうのは、初めて見た時に、アンタが遠い場所からこっちへ来たって思ったから、遠くから来たって意味で、エクスカッシャンって名付けた。
それで、アンタの名前の意味は、遠い世界から来たエルフの少女って意味よ。あながち、間違ってなかったね」
そんな意味があったんだ。
知らなかった。
「人に名前を付けるなんて、初めての経験だったわ」
「改めて、ありがとう。名前をくれて」
「アンタが記憶喪失だなんて言うから、与えただけよ」
澄ました態度だけど、何となく、照れているのがわかった。気付かないふりをしておいてあげよう。
「でも、名前を付けたおかげかしらね。アンタの事、巻きこみづらくなって」
「もういいよ」
そんな難しい話は、もう終わったんだよ。少なくとも、私の中では終わり。
「アンタって、何と言うか……」
「何よその心配そうな目は」
「心配してるのよ。そんなお人好しでこの先やって行けるのかって」
「別に、誰彼かまわずこんな風に言ったりしないよ。ミレーだから、私は助けたくて、新しくまたやり直したいって思ったんだから」
「それを甘いって言うの。まだその名前で呼んで……」
やれやれとため息をつくミレニアだけど、アンタも同じよね?
何だかんだと私を助けてくれようとしてたし。
「ハルキ、この子、アンタと同郷なんでしょ? アンタたちの世界って、こんな頭お花畑でも生きていられるの?」
「まぁ、俺たちの国なら、この世界の奴らから見たら甘い考えで生きていけるかな」
「それであの文明力なの? くっ、恐ろしいわね」
「いや、俺らからしたら、こっちの世界の文明力もすっごいで?」
ミレニアと晴樹さんが楽しそうに話し始めた。
ダンジョンの中に閉じ込められた時は勢いで話してたけど、今のミレニアの雰囲気は、ある程度以上親しい相手にする態度だ。
後、距離がちょっと近い。ミレニア、近いよ。
「あのー、二人とも、私がいるんだけどー」
「あ、ごめんなさいね? もしかいて、私とハルキが仲良く話してて、嫉妬しちゃった?」
「してないしてない」
絶対にしてないから。……うん、多分。
「それよりも、私は、ミレーと出会えてよかったと思ってるよ」
「あんな目にあっといてよく言えるわね」
「確かに滅茶苦茶大変だったけど、終わったら、こうやって笑い話にできるんだから、やっぱり私は出会えてよかったって思えるよ」
終わりよければ全て良し、と言う言葉もあるし。こっちであるかは知らないけど。
「本当にこの子はもう……ハルキ、何とか言いなさいよ」
「いや、俺も神様から神託受けて来たから、頑張った結果がこれなら、俺としては同意見かなと」
「アンタもか」
「それにエルフィさんも言ってただろ。ミレニア、アンタだからこの子はそんな風に言ってくれてるんだ」
晴樹さんが言うと、ミレニアは首を横に振ってそっぽを向いた。頬が赤くなってるけど、指摘はしないことにした。
「もう! 話戻すわよ! 兎にも角にも、どうするかはアンタが決めなさい!」
突き放すように言ってくるけど、ミレニアはやっぱり、いい奴だなって思う。
もう、あんな辛い顔と役割、させたくないな。
リリィちゃんも。
それと、妖精ちゃんたち……あ。
「ああッ!」
「何急に?!」
「妖精ちゃんたちは今どうしてる?! ダンジョンに置いてきっぱなしになってない?!」
あれだけ仲良くなったのに、どうして今の今まで忘れてたんだろ私!
まさか、あの戦いの余波で……。
「妖精も魔物も全員無事よ。ハルキたちが結界を張って守ってくれていたわ。今は破壊神とブロードって子が面倒を見てくれているから安心なさい」
「よ、よかったぁぁ」
力が抜けて、ベッドに背中から倒れ込んだ。ふかふかのマットに受け止められながら、アーゼちゃんたちのこれからも考えないといけないなぁと思った。
「あ、それと妖精と魔物たちは、私とリリィと一緒にギルドの施設に行くことになったわ」
「えっ、もう決まってるの!?」
「決めたのはあの子たちよ。アンタの為になるならって」
アーゼちゃんたち……皆、私の為にって……。
「アンタはダンジョンマスターとしてもかなり異質だったからねぇ。もちろん、いい意味でね」
「メイプルとブロードも、あれだけ慕われているダンジョンマスターも珍しいって言ってたな」
うぅ、皆ぁ。
もっと自分のために生きていいんだよ?
「あの子たちが決めたことなんだから、元上司として応援してあげなさい」
「ふぁい……」
そうだよね。
後で会ったら、皆抱きしめてあげよう。
落ち着いたところで、改めて、私は今後の自分の事について考えた。
ミレニアとリリィちゃん、それにダンジョンの仲間たちを、あの邪神たちから守りたい。
でも、やっぱり、私が着いて行って、迷惑じゃないかな。
「晴樹さんは……」
「うん?」
「邪神と何で戦うんですか?」
「元の世界に戻りたいのと、光の運命神様からお願いされたからっていうのと、後は……」
滅茶苦茶さらさらと出てきた。
やっぱり、覚悟が違うなぁ。
「助けたいって思う人たちが出来たから、かな」
「助けたい人?」
「そう」
それ以上の答えはなかったけど、それで十分だった。
すとんと何かが、私の中で落ち着いた。
「私にも、助けたいって思う人たちがいるんです」
ミレニアを見ると、何も言わずに見つめ返してきた。
私が出した答えを、黙って聞いてくれている。
「晴樹さん。私、皆さんの旅に着いてっていいですか?」
晴樹さんが、静かに見つめてきた。
睨んでいる訳じゃなくて、私の本音を見透かすように、真っ直ぐ見つめてくる。
少し緊張したけど、私の気持ちに迷いはない。
真っ直ぐ見つめ返してしばらくすると、晴樹さんが口元を微かに綻ばせた。
「OK、メイプルに言っとく」
「ありがとうございます」
後悔はない。
この世界で、私のやりたいことが、見つかったんだから。
お読みいただき、ありがとうございます。
前書きにも書きましたが、さらに長くなったのでもう一分割してます。
次回でちゃんとEP終わります。




