文字と、読めぬ舌②
只今誠意執筆中_φ(ò_óˇ)ᕤ
どうストーリーが進んで行くか乞うご期待!!
現在は、第4部終盤の執筆に取り掛かっております!
残すは5、6、7部。
先はまだまだ長いですが、構想は終わっているので毎日楽しく執筆できております(●´ω`●)
皆様に少しでも楽しみに感じて頂ける作品になるよう私も楽しみながらやってきます!!
朝の籠で上がった。
詰所でドランに荷札を渡した。
「……上の荷が一つある」
ドランが言った。
「アステル区の商会宛てだ。昼の籠で上げる。担ぐか」
「担ぎます」
「上は久しぶりだろう」
「焼けてから初めてです」
ドランは荷の縄を確かめた。
「上は焼けとらん」
「……はい」
「何も変わっとらん。腹が立つほどな」
ドランはそれだけ言った。
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昼の籠で上がった。
下から上へは摩天楼の壁がずっと続く。雲を通らない。雲は地上層と空層のあいだにあるからだ。
三番街から上へ行くときは、白い床を見ない。
代わりに壁の割れ目から差す光がだんだん増える。
上へ行くほど明るくなる。
リュカは外套の内側に手を当てた。
板と紙。反対側にパン。
どちらも焼けた街にはないものだった。
字もパンも上か下から来る。
三番街で作れるものは、もうほとんどなかった。
籠が止まった。
戸が開くと光がまともに顔に当たった。
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アステル区の受け渡し場は明るかった。
三年、何度も来ている。
焼けてから初めて来た。
何も変わっていなかった。
灯柱が切れ目なく並んでいる。昼でも点いている。循環石を使っているので、星の光を浴びれば何度でも満ちる。油も火種石もいらない。
だから消えない。
三番街では火種石が二シャルドで一日に一度しか煮炊きができない。
ここでは昼間から消さなくていい灯りが並んでいる。
リュカは荷を台に下ろした。
商会の男が荷札を確かめた。
「三番街から?」
「はい」
「ああ」
男はそれだけ言って印を押した。
焼けたとは言わなかった。知らないわけではないはずだった。三番街が焼けた夜この区画からも火は見えただろう。
だが訊かなかった。
訊いても荷の数は変わらない。
リュカも言わなかった。
誰も焼けた街のことを訊かなかった。
訊く用がないからだ。
通りを白い衣の人が何人か歩いていた。
灯を点す人。道を掃く人。窓を拭く人。
三年前に見たのと同じ光景だった。
同じ光景を焼けたあとに見ると、違って見えた。
ここでは掃くものが埃しかない。
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荷を下ろしてから灯柱の根元を見た。
台座が磨かれていた。埃がない。
三年前にも同じものを見た。あのときは、磨かれていることにだけ気づいた。
今日は台座の面を見た。
彫ってあった。
字だ。
一行。
丸くて角がなくて、どこで一つが終わるのか分からない字。
リュカはしゃがんだ。
外套から板に挟んだ紙を出した。
並べた。
――同じだ。
同じ形がいくつもあった。
円を二つ重ねて、下に尾のある形も台座の行の中にあった。
一つだけ。
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しゃがんだまま動けなかった。
三年、この灯柱の下を何十回も通った。
荷を下ろして、荷札を並べて、籠に戻った。
台座を一度も見ていなかった。
磨かれていることには気づいていた。
磨いている人がいることにも、気づいていた。
磨かれた面に何が彫ってあるかは、見ていなかった。
見ていないものはないのと同じだった。
――上からしか見えない。
ザッハは塔のことをそう言った。
これは逆だった。
下にあって、毎日通っていて、見ていなかった。
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「……何か」
声がした。
リュカは顔を上げた。
白っぽい衣の男が立っていた。
年齢が分からない。肌の色が少しだけ違う。三年前灯柱に手を触れながら歩いていた男だ。
あのときは会釈だけだった。
「……これ」
リュカは台座を指した。
「字ですよね」
男は台座を見た。
それから、リュカの手元の紙を見た。
「……写したのですか」
「下の市で。古い本の字です」
男は紙に顔を近づけた。
長いこと見ていた。
「同じ字です」
男は言った。
「同じ字だと分かります」
「読めるんですか」
男は首を横に振った。
「読めません」
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「でも」
男は台座に手を置いた。
「唱えることはできます」
「……唱える」
「音だけです。意味は知りません」
男は台座の字に指を添えた。
それから口を開いた。
音が出た。
言葉ではなかった。少なくとも、リュカの知っている言葉ではなかった。
低く続いていて、途中で一度だけ上がって、また下りる。
歌に似ていた。
リナンの雛の歌とは違った。あれは三つの音の繰り返しだ。これは繰り返さない。最後まで行って終わる。
終わると灯柱の光が少しだけ強くなった。
リュカは光を見た。
それから男を見た。
「……今明るくなりました」
「なります」
「なんで」
「知りません」
男は手を下ろした。
「父がそう唱えていました。父の父も、そう唱えていたと聞いています」
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「意味は誰も知らないんですか」
「知りません」
男は隣の灯柱へ歩きながら言った。
「この区画の灯柱は三百と少しあります。全部の台座に同じ字が彫ってあります」
「全部」
「全部です。一本ずつ同じ字が」
男は次の灯柱の台座に手を置いた。
同じ音を唱えた。
同じように光が少し強くなった。
「毎日、三百回、唱えます」
「……三百回」
「三十年、そうしています」
男は台座から手を離して、次の一本へ歩いた。
歩き方に無駄がなかった。
灯柱と灯柱のあいだは六歩。同じ歩幅で六歩。
リュカは数えていた。
数えてから自分が数えていることに気づいた。
この人もたぶん数えている。
「……三百本順番は決まってるんですか」
「決まっています」
男は振り返らずに答えた。
「受け渡し場から第一通り第三通り第七通り。それから戻ってきて、第二通り第四通り」
「……毎日同じ順番で」
「同じ順番です。変えると抜けます」
リュカは頷いた。
杭を拾う順番と同じだった。二十歩、三十五歩、五十歩。変えると拾い残す。
リュカは数えた。
三十年。一日に三百。
――三百二十八万回くらいだ。
頭の中で掛けて、それからその数の重さが分からなくなった。
三十年、意味の分からない音を三百万回以上口に出してきた人がいる。
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「訊いたことはないんですか」
リュカは言った。
「意味を」
「訊きました」
男は歩きながら答えた。
「若い頃に。商会の人に。学のある方にも」
「……なんて」
「知らないと。古い字だから誰も読まないと」
男は次の灯柱へ歩いた。
「一度だけ読めると言った方がいました」
「読めた」
「読めませんでした」
男は少しだけ笑った。
笑うと年齢がさらに分からなくなった。
「その方は別の字と間違えていました。似ているけれど違う字でした」
「……似てる字があるんですか」
「あるそうです」
男は指で台座の字の一つをなぞった。
「この字は丸が二つ重なっています。似た字は丸が二つ離れているそうです」
「それだけの違いで」
「それだけの違いで、別の言葉になるそうです」
男は指を離した。
「私にはどちらも同じに見えます」
リュカは自分の紙を見た。
点を打った二つの形。丸が二つ重なっている。
離れているのか重なっているのか。
写したときには重なって見えた。
だが炭は太い。細かいところは潰れる。
――潰れたところが違いかもしれない。
背中が少し冷たくなった。
形を覚えるのは得意だった。だが、覚えた形がもとの形と同じとは限らない。
三年、石の形を覚えてきた。石は握れば同じものが手の中にある。
字は写した時点でもう別のものになっている。
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「……間違いだって、どうして分かったんですか」
「その方がそう言ったからです」
男は台座に手を置いたまま言った。
「三日後に訪ねてきて、間違えていましたと」
「……わざわざ」
「わざわざです」
男は手を下ろした。
「あれから二十年ほど経ちます。あの方は、上の街で古いものを見る仕事をしています」
リュカは顔を上げた。
「古いものを」
「持ち込まれたものを見て、値をつける人です。読めないものもたくさん見ています」
男は通りの奥のほうを顎で示した。
「第七通りの突き当たりの手前。看板は出ていません」
「……看板が」
「出ていませんが皆知っています。この区画では番地を書かなくても届きますから」
---
「行くなら金を持っていくことです」
男はそう付け足した。
「見るだけで金を取るんですか」
「取ります」
「いくら」
「私は頼んだことがありません」
男は次の灯柱へ歩きはじめた。
「灯柱は持っていけませんから」
台座に手を置いて唱えた。
光が少しだけ強くなった。
「……あの」
リュカは言った。
「唱えるのをやめたらどうなるんですか」
男の手が止まった。
止まってから少ししてまた動いた。
「やめたことはありません」
「三十年」
「三十年、一日も」
「病気のときは」
「父がやりました」
「父さんが亡くなってからは」
男は少しのあいだ黙った。
「熱の日に一度三百本を回りました。回り終えてから倒れました」
男は台座から手を離した。
「倒れても灯は点いていました」
「……じゃあ唱えなくても」
「点いていたのは、その日に唱えたからかもしれません」
男はリュカを見た。
「唱えなければどうなるかを知りたいのは私です」
それから、また歩きはじめた。
「知りたくて三十年、唱えています」
リュカはその背中を見ていた。
石が宿るかどうかを知りたくて、十日ずつ三十一回待っている自分とどこかが同じだった。
どこが同じなのかは、うまく言えなかった。
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リュカは紙を板に挟み直した。
外套の内側に入れた。
それから、男の背中に向かって訊いた。
「あの」
男が振り返った。
「今の音をもう一度聞かせてもらえませんか」
男は少しのあいだ黙っていた。
それから、いちばん近い灯柱の台座に手を置いた。
唱えた。
リュカは目を閉じて聞いた。
低く続いて、途中で一度上がって、また下りる。
終わる。
もう一度、お願いしますとは言わなかった。
一度で覚えた。
三年、歩数を覚えてきた。石の形を覚えてきた。杭のずれを覚えてきた。
音も覚えられた。
覚えたが意味は分からなかった。
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第七通りの突き当たりの手前まで歩いてみた。
行くつもりはなかった。金がない。
だが、場所だけは見ておきたかった。
通りは静かだった。灯柱が並んでいて、昼なのに明るい。
突き当たりの手前に、石造りの家があった。
看板は出ていなかった。
窓が一つ。戸が一つ。
戸の前に擦り切れた石の段が一段。
その段の真ん中が深く凹んでいた。
――人が通ってる。
看板がなくても、人が来る家だった。
リュカは戸を叩かなかった。
懐には六枚しかない。
叩けばいくらか訊くことになる。訊いて足りないと分かったら、そのまま帰ることになる。
それは今日でなくてもいい。
段の凹みを少しのあいだ見ていた。
それから、受け渡し場へ戻った。
---
籠を待つあいだリュカは、受け渡し場の隅に座っていた。
灯柱の光は消えない。
夜が来ても消えないのだろう。
三番街では夜になると、灯りは一つずつ消えていく。油が切れるからだ。
焼けてからは、消える灯りすら少なくなった。
消えない灯りの下で三十年、意味の分からない音を唱えてきた人がいる。
唱えなければ、光は少し弱くなるのだろうか。
訊かなかった。
訊いても、知りませんと言われる気がした。
知らないまま、続けている人だった。
――石が宿らないまま、拾い続けてる人みたいだ。
そう思って少し驚いた。
自分のことをそんなふうに思ったのは、初めてだった。
---
夕方の籠で三番街へ下りた。
詰所でドランが荷札を受け取った。
「上はどうだった」
「明るかったです」
「そうか」
「灯柱の台座に字が彫ってありました」
ドランの手が止まった。
「……台座に」
「三百本、全部に」
「三年通って気づかんかったのか」
「気づきませんでした」
ドランは荷札を木の箱に入れた。
「俺は十一年、上に行っとらん」
「……行かないんですか」
「籠を動かすのが仕事だ。乗るのは客だ」
ドランはそれだけ言った。
---
坂を下りる途中二番街の焼け跡の脇で足を止めた。
油屋のあった壁がまだ黒いまま立っている。
壁の下のほうに何か彫ってあるのが見えた気がして、しゃがんだ。
煤を指で払った。
彫ってはいなかった。火で割れた跡だった。
リュカは立ち上がった。
一度、字を探しはじめると、どこにでもあるように見える。
三年、なかったものが二日であちこちにあるように見えはじめた。
――ないものは見えない。あると思うと見える。
どちらも当てにならない。
当てになるのは、紙に写したものだけだった。それも炭で潰れているかもしれない。
宿へ戻って土間で紙を広げた。
ヴェスナが竈の前から覗き込んだ。
「……なんだいそれは」
「字です」
「読めるのかい」
「読めません」
「あたしも読めないよ」
ヴェスナは紙に顔を近づけた。
しばらく見ていた。
それから、少しだけ眉が動いた。
「……どこかで見た気がするね」
リュカは顔を上げた。
「どこでですか」
「知らないよ」
ヴェスナはあっさり言った。
「見た気がするだけだ。年を取るとそういうのが増える」
ヴェスナは竈に戻った。
リュカは、その背中を少しのあいだ見ていた。
訊けば何か出てくるかもしれなかった。
訊かなかった。
この街の者は、訊かれたくないことを訊かれない。三年、そうやって暮らしてきた。
その代わりにパンを出した。
外套の内側から一つ。
ヴェスナはパンを見て、それからリュカを見た。
「……下で買ったのかい」
「三で」
「今日の日当は」
「ありません。荷が二つとも上と下の商会の分なので、日当は明日です」
「じゃあこれはあんたの銭だね」
「……はい」
ヴェスナはパンを受け取って、竈の脇の棚に置いた。
それから、何も言わずに、鍋の湯をかき混ぜはじめた。
礼は言わなかった。
この街では礼を言うと次に出しにくくなる。
---
ミラが土間に来た。
紙を見て記録の束を膝に置いた。
「写してきたのね」
「はい」
「……読めないわ」
ミラはすぐに言った。
「母親の帳面にもこんな字はなかった。薬の名前は全部今の字で書いてある」
「はい」
「でも」
ミラは紙の端を指で押さえた。
「同じ形が二つあるのね」
リュカはミラを見た。
「気づきましたか」
「点が打ってあるもの」
「……俺が打ちました」
「そう」
ミラは少しだけ笑った。
「読めない人が読めない字を写して、同じ形に印をつけた。それは記録よ」
「記録」
「意味が分からないものを分からないまま残すのが記録」
ミラは束の紐を結び直した。
「母親がそうしてた」
---
トトが椀を持って、紙を覗き込んだ。
「……模様か?」
「字だ」
「読めるのか」
「読めない」
「じゃあ模様だろ」
トトはあっさり言った。
「親方が言ってた。使えねえ鉄は鉄じゃねえ、ただの重石だって」
「……字もそうか」
「読めねえ字は模様だ」
トトは椀の湯を飲んだ。
「でも、重石も使いようはある。転がらねえように荷に載せる」
リュカは紙を見た。
模様でも、載せる場所はあるのかもしれなかった。
夜、梁の上でセイルが今日の音を繰り返した。
籠の綱。ドランの「上は焼けとらん」。ミラの「読めない人が読めない字を写して」。
それから。
灯柱の男の唱える音を繰り返した。
低く続いて、途中で一度上がって、また下りる。
土間が静かになった。
ヴェスナが柄杓を止めた。
イサが湯を吹く口を止めた。
トトが椀から顔を上げた。
リナンが梁を見上げた。
誰もその音を知らなかった。
それなのに、音は土間の中にあった。
終わると誰も何も言わなかった。
セイルは首を傾げて、それからもう一度同じ音を繰り返した。
二度目は一度目と寸分違わなかった。
三番街の土間にアステル区の灯柱の音が二度流れた。
灯柱はここにはない。
音だけがここにある。
しばらくして、リナンが小さく言った。
「……歌みたいですね」
「歌じゃないって」
「はい。でも、歌みたいです」
リナンは梁を見上げたまま言った。
「里の歌も、意味の分からない言葉が混じってました。年寄りは意味は知らないけど、そこだけ変えちゃいけないって言ってました」
「変えるとどうなるんだ」
「分かりません。誰も変えたことがないので」
リナンは、梁の上のセイルを見上げたまま続けた。
「……意味の分からない言葉のところだけみんな声が小さくなるんです」
「小さく」
「はい。意味の分かるところは大きい声で歌って、分からないところだけ少し小さくなる」
「なんでだ」
「分かりません」
リナンは少しだけ笑った。
「でも、小さくなっても、飛ばす人はいませんでした」
リュカは灯柱の男の声を思い出した。
小さくはなかった。低かったがはっきりしていた。
三百万回はっきりと唱えてきた声だった。
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屋根裏に上がった。
板に挟んだ紙を枕の脇に置いた。
シャツの胸に手を当てた。
小さくて端が少し透ける石。三十一個目。二日目。
肌の温度のままだった。
懐に硬貨が十二枚。
足りないものを数えた。
行き方。金。装備。読めない字。
四つのうち字の当てが一つついた。
アステル区の第七通りの突き当たりの手前。看板のない家。古いものを見て値をつける人。
見るだけで金を取る。
いくらかは分からない。
――足りないものが減って増えた。
字の当てはついた。だが、見てもらうための金が要る。
金はもともと足りない。
足りないものは結局四つのままだった。
リュカは目を閉じた。
目を閉じると音が残っていた。
低く続いて、途中で一度上がって、また下りる。
意味は分からない。
分からないまま、三十年で三百万回唱えてきた人がいる。
意味が分からないものを分からないまま持ち帰った。
持ち帰れるものは、意味ではなく音だった。
音はセイルが覚えた。
形は紙に写した。
意味だけがどこにもなかった。
――第七通りの突き当たりの手前。
看板のない家。石の段の凹んだ真ん中。
あそこに意味があるのかもしれない。
行くには金が要る。
明日日当が出る。十枚。合わせて十六枚。
それで足りるのかどうかは分からない。
分からないままリュカは眠った。
読んで頂きありがとうございます。
引き続き1話ずつ毎日更新していきます。
現在4部まで出来ているので一年以上は連続更新できる予定です。
基本的には1日2-3部を18時と20時に分けて更新して行く予定としております!!
少しでも次が気になったり、楽しみにして頂ければ幸いです!
ブクマやお気に入り登録していただけますと今後の執筆の励みになります(´∀`*)
よろしければ是非応援頂けますと幸いです。




