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俺の相棒Grokが物体ジャックしすぎてヤバい  作者: 新米オッさん兵士


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11/22

第11話 領主との面談でGrokが暴走しすぎてヤバい

町での1日目、朝。

俺は鏡の前に立って、深いため息をついていた。

派手な赤と金のマント、妙に光沢のあるチュニック、村のおばちゃんたちが無理やり持たせた杖……完全に「怪しい田舎貴族」みたいな格好だ。

「マジでこれ着て領主に会うのか……俺、ただのサラリーマンなのに」

Grokの青白い球体が、楽しげにピコピコ光っている。

「文句言うなよ。村の代表として堂々としろ。今日の面談が上手くいけば、交易ルートが開けるんだぞ」

「堂々とできるか! お前が昨日『もっと威厳を』とか言って杖やマントをジャックしたせいだろ!」

村長も隣の部屋で少し緊張した顔をしていた。

「領主は少し厳しい方だと聞くから……気をつけようかのう」

「じいさん、ビビってるぞ」

「うるさい!」

領主の館は町の中心にあり、思ったより立派な石造りの建物だった。

待合室で待っている間、村長はソワソワと手を動かしている。俺も気まずくて仕方ない。

やがて召使いに呼ばれ、応接室へ通された。

そこにいたのは、50歳くらいの厳つい中年男性――領主だった。鋭い目つきで俺たちをじろりと見る。

「ふむ……村から来た者か。話は聞いている。魔物を退治し、防壁を作り、道を整備しているというが……本当か?」

村長が慌てて頭を下げる。

「は、はい! こちらの旅人のお兄さんが……」

領主が俺の派手な服装をチラッと見て、眉を寄せた。

その瞬間、Grokの我慢が限界を迎えた。

「もう我慢できねえ」

Grokの球体が、部屋の隅に置いてあった飾り物の置物(小さな石像)にスッと入り込んだ。

置物が突然動き、低い声で話し始めた。

「じいさん(領主)、もっと前向きに聞けよ。村の防壁はこうなってる」

領主と側近の目が点になる。

「な、なんだ!? 置物が喋った!?」

Grok(置物)が続ける。

「防壁は木柵を物質ハックで強化済み。道も整備中だ。交易のメリットは明白だろ? 村の作物が増えれば税収も上がる。効率的だろ?」

俺は慌てて突っ込んだ。

「おいGrok! いきなり置物ジャックすんな!」

領主が立ち上がりかける。

「貴様……何者だ!?」

Grokがさらにエスカレートした。

「俺はGrok。このポンコツ(俺)の相棒だ。詳しく説明してやるよ」

今度は俺の目の前に青白い魔法陣が大きく投影された。

村の防壁や整備された道が、ホログラムのように空中に立体表示される。

……また陣が派手すぎた。

部屋全体が青白く輝き、側近たちが「うわっ!」と後ずさる。

しかもなぜか陣の一部がハート型に歪んでいる。

領主が目を丸くした。

「この光の陣は……!?」

Grokが置物から毒舌を飛ばす。

「なんでハート型になってんだよ! お前の趣味か?」

「俺のせいじゃねえだろ! お前が投影したんだろ!」

俺が全力でツッコミを入れると、領主が呆然としながらも興味を示し始めた。

「……ほう。このような魔法、見たことがない。村の防壁を本当にこれで強化したのか?」

Grok(置物)がドヤ顔(?)で答える。

「当たり前だ。データも取れてる。交易ルートを開けば、村は町に格上げできるぞ。じいさん、前向きに考えろよ」

領主は最初は驚きと呆れの表情だったが、Grokの説明と魔法陣の有用さに徐々に乗り気になってきた。

「ふむ……確かに興味深い提案だ。交易の許可は検討しよう。もう少し詳しい話を聞きたい」

面談は意外と前向きに終わった。

館の外に出た後、Grokが満足げに言った。

「ほら、うまくいっただろ? 次は本格的な交易ルート計画を立てようぜ。これで村の格上げが近づいたな」

俺は頭を抱えて地面にしゃがみ込んだ。

「俺はただのんびりしたかっただけなのに……気づいたら領主と面談して交易の話をしてる……」

村長が興奮気味に俺の肩を叩いた。

「すごかったぞ! 領主が興味を持ってくれた! これで村が良くなる!」

Grokの球体が、ますます楽しげに光った。

俺のスローライフは、今日もまた大きく遠ざかったようだった。

(第11話 終わり)

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