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神様の慈悲  作者: 河藤
第三章 地位向上
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第41話 研究室と助手

Q.「絶望の森」ってなんで山なのに森なの?


A.さぁ?

「研究室、ですか」


「そうです。先日の任命式の後に用意されていたのですが、伝え忘れていたようで。」


ホルトさんが苦笑しながら言った。

今は森の片付けと【風前塵同ブレイクダウン】の代償の再生が終わったので王城に着いたところだ。

到着するとすぐにホルトさんが出迎えてくれてそのまま研究室へと向かっている。

ホルトさんの貴族位は侯爵らしく、主に宮廷魔導士に関係した事に携わっているらしい。

話しながら王城内を歩いていると前方に何やら両開きの豪勢な扉が見えてきた。

木製だが綺麗な装飾が施されている。

扉の上には任命式の時に渡された紋章と同じ紋章が彫られており、横には俺の名前が彫られたプレートが埋め込まれている。

どうやら到着したようだ。

扉を押して中に入ると既に部屋の中には長机やフラスコ、本棚などが置かれていた。


「どうでしょうか。まぁ、シド殿の場合、研究する事はあまりないかもしれませんが。」


「十分です。ありがとうございます。」


窓からは陽の光が入ってきているし、綺麗に掃除されている。

申し分ないほど整っている。


「それは良かったです。喜んでもらえてこちらも本望です。」


ホルト侯爵がダンディーな顔で微笑みながら言った。

が、部屋を見渡して首をひねっている。

どうかしたのだろうか。


「どうかしたんですか?」


「いえ、宮廷魔導士には助手がいる筈なのですが…まだ来ていないのでしょうか?」


助手、ってあの助手?

手伝ってくれる人か?

そう話していると今通ってきた道をバタバタと走る音が聞こえてきた。

と、次の瞬間、大きな音を立てて誰かが部屋に突っ込んできてズッコケた。

黒い髪は長く、背の低い体は細い。


「……大丈夫?」


声をかけると顔を上げた。

大人しそうな顔立ちはまだ幼く、本当に少女のようだ。


「シド殿、この子がシド殿の助手になりますリコです。」


ホルト侯爵はそう言って彼女を立ち上がらせると俺の方に向けた。

見た目的にはまだ12歳ほどだろうか。


「リコです。今日からシド様の助手をさせていただきます。よろしくお願いします。」


そう言って頭を下げた。

こんな小さな子に助手が務まるのだろうか。

そんな考えを読み取ったのか、ホルト侯爵は笑いながら言った。


「大丈夫です、立派な助手ですよ。それにこの子は少し、というかとても特殊なのです。シド殿も元素魔法を知っておられますよね?」


元素魔法?知りませんけど?


『元素魔法とは、現在この世界に存在する魔法の元となった魔法です。一般的には火、水、土、空気の4大元素魔法と言われています。現在の風魔法は空気魔法が時が経つことによって弱体化したものです。』


という事は、元の4大元素魔法の方が威力は強いという事か?


『その通りです。威力だけでなく、魔力効率も良く、発動時間も短いです。現在は失われた技術とされています。』


4大元素だしそりゃそうか。

この言い方だと説得力に欠ける。


「えぇ、知っていますが…」


今知りました。

頭の中に某サイトがあるみたいだ。


「リコはその4大元素魔法のうちの1つである空気の元素魔法が扱えるのです。」


そう言われたリコは赤面して俯いた。


「見せてもらってもいい?」


そう尋ねるとリコはコクリとうなづき、少し俺たちから離れた。

手のひらを上に向けて目を瞑って少しすると手のひらに何かが集まってきた。

透明だが確かに存在しているもので、リコの手のひらで球体を形作っている。

すると球体の周りの空気だけがもやもやと揺らめき始めた。

その間も球体は何かを吸収し続け、揺らめきも大きくなってきた。

既に部屋の中が少し熱くなっている。


『リコの使用する空気の元素魔法により、空気が圧縮されています。圧縮された空気は熱量が一箇所に集まるため熱が発生します。』


どこかで聞いた事がある。

地球でも同じ仕組みでヒートポンプがあった筈だ。

と、突然球体が消え、リコも肩の力を抜いた。

集まっていた熱が全体に抜けていくような感覚を感じた。


「現在はリコのように元素魔法を使える人が他にもいるのかわかりませんが、私が知っているのはリコだけです。」


魔法を使い終わったリコは顔を赤くして窓の側で涼んでいる。

熱が集まる分体温も上がるのだろうか。

ここで俺のあるスキルの事を思い出した。

【完全記憶】と【再現リプロデュース

【完全記憶】は一度見たものを瞬時に理解、記憶する。

再現リプロデュース】は自身が見た、体験し、理解した魔法、スキルを再現するスキルだ。

今俺はリコの元素魔法を目の前で見た。

そしてその仕組みを俺を通してリーヴも理解した。

という事は…


『リコの元素魔法を分析、理解しました。【再現リプロデュース】によって、スキル【4大元素魔法】を会得しました。』


ですよね。

なぜか空気の元素魔法を見ただけで4大元素魔法が使えるようになっているけどもう気にしなくてもいいだろう。

さて、この事はリコにだけ言おうか、それともホルト侯爵にも言った方がいいのか…。

短編書いてみました

お時間あればどうぞ


「憑き家祓い屋」

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