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神様の慈悲  作者: 河藤
第二章 グランテスト大国へ
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第31話 初依頼の達成

ギルドで受けることのできる依頼には大きく分けて2種類ある。

1つは害になる魔獣の討伐依頼、もう1つは商品を作るのに必要な物の採取依頼。

ランクが上がるにつれて依頼の難易度も上がっていく。


「で、Gランクは、と…。」


G〜Sまで上がって行く中でその最低ランクのGには主に薬草の採取依頼が多い。

討伐依頼があるとしても1、2件。

横のFランクのボードにはちらほら討伐依頼も見える。

別に薬草採取で良いんだけどね。


ボードに貼られた依頼票を読んでみると、必要な薬草は大抵持っていた。

下山する時に片っ端から拾っては【亜空間収納インベントリ】に入れてたから相当な数がある。

数枚の依頼票を剥がしてカウンターに持って行くとミナさんがすぐに出てきた。


「早速依頼ですか?」


「うん、これ全部よろしく。」


持っていた依頼票を手渡すと驚いたようにこちらを見てきた。


「…これ全部ですか?流石に張り切りすぎなんじゃ…。」


「いや、大丈夫。で、これがその薬草。全部ある筈だから確認してください。」


薬草をカウンターの上に出すとまた驚いたような顔をした。


「…人の物を取ったりは…?」


「してません。」


俺はそんな事しません。

前世では成り行きでカツアゲ全員倒した事あるけどね。


「わかりました。確認するのでちょっと待っててください。」


確認の間はギルド内にあるテーブルの側に座って待った。

依頼から帰って来て疲れている冒険者の為にギルドでは酒だったり食事だったりがある。

俺の近くでもおそらく依頼が終わったであろうおっさん冒険者が酒を飲んでいる。

酒って美味いの?


「シドさん、終わりましたよ。」


そうこうしてるとミナさんから呼び出しがはいった。


「合ってましたか?」


「はい、全部合ってます。それではこれが依頼の報酬金です。にしても凄いですね。1分かからずに初依頼を終わらせるなんて。」


「たまたま持ってたんですよ。じゃあ、ありがとうございました。」


もらった報酬金は全部で銀貨2枚と銅貨3枚だった。

あれだけで2300円ももらえるのか。毎日これだったら楽に生きていけそうだな。


「あと欲しいのは冒険者内の情報かな。」


今の冒険者の関係や国の具合、魔獣の種類などなど、知らない事が多い。


「ちょっといいですか?」


さっきのおっさん冒険者のいるテーブルに近づいて声をかけた。

多分ベテランだし情報も多いだろう。


「ん?なんだ?」


「ちょっと話を聞きたくて。すいません、人数分エールお願いします。」


「おぉ、兄ちゃんわかってんな。いいぜ、なんでも聞けよ。俺に教えられる事なら教えてやる。」


やっぱりこういう事はしとかないとね。

後々世話になるかもしれないし。

エールがテーブルに届くとおっさんに配られた。

俺は未成年だから何も頼んでないけど、この世界でも未成年は飲酒禁止とかあるのか?


「で、何を聞きたいんだ?」


「昨日登録したばかりなので、色々と教えて欲しいんです。例えば…こんな所が良い狩場だ、みたいな。」


これは重要。

ランクが上がって素材集めをする時にどこに何があるのか知らないと困る。


「昨日登録したばかりか…ん?その髪の毛、お前か?昨日新人潰しをぶっ飛ばしたってのは。」


「え?はい、そうです。」


あいつら「新人潰し」で認知されてたのかよ。


「ハハッ、よくやったな!あいつらあれでもCランクだったのによ、登録したてのお前にやられちまったし、その後にあんなに恥さらしたからもう冒険者業を辞めたって話だぜ。」


話が出回るの早すぎませんかねぇ。

昨日の今日だよ?


「そりゃ良かったですね。」


「おうよ。お前に感謝してる奴も多いと思うぜ。あぁ、忘れるとこだった。狩場の話だったな。そうだな…依頼でよく必要になってくる毛皮系だったらーーー」


本題を忘れんな。こっちにとってはあのチンピラ5人衆がどうなろうと知ったこっちゃないんだから。

その後はおっさんに色々な事を教えてもらった。

狩場の事、素材を売る所、ギルドの買取での事などなど。


素材に傷が付いていたら価値が下がるから解体は基本ギルドでやるらしい。

頼めばやってくれるそうだ。


「ーーまぁ、これくらいだな。ところで、お前武器は持ってないのか?魔法が使えるとしても近接武器でナイフぐらいは買っておいた方がいいぞ。」


「確かにそうですね。」


俺の場合は【創造クリエイト】で作れるんだけどね。

でも持っておいて損は無いだろう。


「そうだろ?よし、じゃあ良い武器屋を教えてやるよ。場所だけどな、ここからちょっと歩くんだーーー」


そう言いながらおっさんは簡単な地図を描いてくれた。

ちなみにおっさんの名前はモズというらしい。

依頼が終わったらいつも飲んでいるからいつでも声をかけてくれとのことだった。

また世話になろうかな。


「ありがとうございました。これはお礼です。またお願いします。」


テーブルに銀貨3枚を置いてそのままギルドを出て教えてもらった武器屋に行った。

銀貨3枚は出しすぎたかな?

まぁこれからもお世話になるかもしれないんだし良いだろう。


武器屋はすぐに見つかった。

ギルド近くにある綺麗な武器屋とは違い、古びた感じのものだった。


「こんにちは…」


中に入ると奥には熊のような大男がデンと座っていた。


「見ない顔だな…誰の紹介だ?」


「モズという人から教えてもらいました。良い武器が揃ってるって。」


「モズか…良いぜ、好きなの選んで持ってきな。」


外からはわからないほど武器は良い物だった。

全部が普通より綺麗でよく切れそうな物ばかりだ。

【鑑定】を使って武器を見てみると驚いた。


ここでこの世界の武器の紹介。

この世界の武器の価値はクラスで決まる。

下から


一般級コモン〉:普通に出回っている物


希少級レア〉:数が少なく質が良い


特殊級スペシャル〉:その名の通り特殊で珍しい。冒険者は大抵がここまで


伝説級レジェンド〉:伝説上の話で登場し、滅多に見つからない


幻想級ファントム〉:幻とされ、誰もが探し求め、どこにあるかはわからない


創星級ジェネシス〉:星をも創る創星龍が生み出したとされ、全てを貫く


神話級ゴッド〉:神が作り、人界へともたらされたといわれる。英雄と呼ばれる者にふさわしい


〈???級〉:不明(例)ローブ


という事になっている。

俺の手元には今〈神話級ゴッド〉と〈???級〉がある。

〈???級〉はコーラスが作ってくれた不思議なローブ、〈神話級ゴッド〉はヘスティアがくれた杖。

俺が持ってていい物じゃないよね。


話を戻すけど、何に驚いたのかというとこの店の武器のランクだ。

一般級コモン〉が一つも無く全て〈希少級レア〉以上、いくつか〈特殊級スペシャル〉もある。

そりゃ良い店だ。ギルド前の武器屋にはこんなの揃ってないだろう。


「兄ちゃん…あんた、【鑑定】持ちか?」


「え…そうですけど、なんでわかったんですか?」


急に口を開いたかと思えばいきなりそれか。

本当になんでわかったんだ?


「昔、ここでじっくり武器に見入ってる奴を見た事があんだよ。今の目はそれと同じ目だ。」


「そういう事ですか。って事は【鑑定】って珍しいんですか?」


「そうだな…持ってる奴なんて中々いないと思うぞ。で、どうだ?うちの武器は。」


店主につられて俺も武器に目を向ける。


「全て〈希少級レア〉以上です。〈特殊級スペシャル〉もいくつかありますし、凄いとしか言いようがありません。こんな量の〈希少級レア〉、どこで仕入れたんですか?」


「そこまで評価してくれるか…ありがとよ。でも仕入先は言えねぇな。企業秘密ってやつだ。買いたくなったらまたうちに来てくれ。」


「そうですよね。じゃあもう少し吟味させてもらいます。」


「そうか…兄ちゃんは何を探してるんだ?」


「魔法がメインなんですけど、近接用にナイフでも買おうかと思ってます。」


いざという時にあれば剥ぎ取りも出来るし削ったりも出来るからね。


「ナイフか…ちょっと待ってな。良いのがある。」


そう言うと店主は店の奥に行き、しばらくすると帰ってきた。

その手には1つのナイフがあった。


「これだ…ほら、見てみろ。」


手渡されたナイフはベースを藍色として金の装飾が施された鞘に同じく藍色のグリップのナイフが収まっていた。

抜いてみると刀身は鏡のように感じた輝いている。

【鑑定】を使ってすぐに店主を見てしまった。

なぜなら、そのナイフは〈伝説級レジェンド〉だったからだ。


「これって…なんでこんな凄いものを俺なんかに?」


「死んだ親友に頼まれてたんだよ。自分と同じ目をした奴が来たらコイツを渡してくれってな。金はいらねぇ。大事に使ってやってくれ。」


改めて【鑑定】するとやはり凄い代物だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


継魔の小刀(ロードナイフ)』・・・〈伝説級レジェンド〉人から人へ受け継がれてきた。それまでの所有者の力を引き継ぎ、次の者へと与える。魔法を込め、斬撃に属性を付与する事が出来る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「本当に良いんですか?」


「あぁ、頼む。代わりと言っちゃなんだが、何か買う時はまたこの店に来てくれ。こっちも良い物揃えて待ってるからよ。」


「はい、ありがとうございました。また来ます。」


不思議な贈り物を貰った俺は店を後にした。

今日の18時にもう一つ投稿します。

閑話ですがよければそちらもお願いします。

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