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神様の慈悲  作者: 河藤
第二章 グランテスト大国へ
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第22話 レヴィ残留大作戦 Part2

すいません、短めです。

今、私は王弟の乗った馬車の後ろを馬に乗ってついて行っている。

馬は勝手にグランテストにいたのを拝借した。

ごめんなさい、後で返します。

王弟は私に礼を返すため王城へと招待すると言ってくれた。

流石ソルネル様、自分の息子の性格ならお見通しだわ。

他にも色々と知りすぎていて怖いけど。

…にしても、あのブラッドウルフの群れは酷くない?

きっとサラは私が犬が苦手だって事を知っていてあいつら(ブラッドウルフ)にした筈。

それを知っているのはサラを除いてはマモンだけだ。

止めなかったマモンも含めて帰ったら話し合いね。


「シーベルト様、そろそろ日が傾いて参りました。予定よりはるかに進みましたし、今日はこの辺りで野営にされませんか?」


王弟の護衛長をしている大柄な男、ガッシュが提案した。

ガッシュは私にも気を使ってくれる。

よっぽどサラより良い奴だ。


「あぁ、私も賛成だ。レヴィさんもそれでよろしいですか?」


「えぇ、もちろんです。」


道の脇に逸れて野営の準備をし始める。

どうやらここまで来るのにご主人様と残りの悪魔6人も付いて来ているみたいね。

不思議な事は悪魔4人の気配はわかるのにサタンとルシファーの気配が近くに無いこと、そしてご主人様の気配だけが全く掴めない事。

気配の察知に悪魔の中でも優れている私でもわからないなんて私達のご主人様はどれだけ化け物なの?

本当に人間?

おこした火を前にしながらご主人様達がいる方向を私は睨みつけていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「主〜、レヴィがすっごいこっち睨んでますよ〜。」


「うん…。フェゴール…俺なんかしたかな?」


「いやいや、多分奴は儂とサラを睨んでおるのでありましょう。のぉ、サラ?」


「…おそらく…。」


フェゴールの言う通り、馬車が止まって野営の準備をし始めてからレヴィがすごい形相でこちらを睨んでくる。

気を紛らわせる為に指輪を通して王弟の乗る馬車の通り道の先にいるサタンとルシファーに通信を入れる。


『そっちは大丈夫か?』


『サタンです。こちらは問題無く順調に全て狩っております。』


『ルシファーですが、こちらも問題無いですね。しばらくこの道に魔獣は出ないでしょう。』


『そうか、ありがとう。一通り終わったら帰って来てくれ。』


『御意。』


『わかりました。』


先程護衛長らしき男が「今日は予定よりはるかに進んだ」、と言っていたが、原因はサタンとルシファーだ。

サタンが通り道の近くにいる魔獣を蹴散らし、その付近にルシファーが魔獣の近寄れない結界を張っているのだ。

そりゃ予定よりも進むだろう。

この様子だと明日の昼頃にはグランテストに着く筈だ。

野営の準備を手伝っているレヴィにも通信を入れる。


『あのー、レヴィさん?怒ってます?』


『え?怒ってなんていませんけど?どうかしたの?』


レヴィの声が今まで聞いた中で一番優しい。


「この声…マモン殿、レヴィ本気で怒ってますよね…。」


「…うむ、まずいのぉ…。」


どうやらレヴィは怒りが溜まれば溜まるほど優しい声になるようだ。

おそらく今のレヴィの怒りメーターは何が原因かは知らないがMAXを超えているのだろう。


『辺りが暗くなってきたから俺はもう王城に帰るけど、サタン達は残しておく。何かあったら連絡してくれ。』


『ふーん、わかったわ。』


一方的にレヴィは通信を切って野営の準備を再開した。


「じゃあ、そういう事で俺は王城に帰るけど…何かあったら連絡してほしい。」


「わかったよー!連絡するね!」


元気にベルが答えてくれた。

なんだろう、嬉しい。

そうして俺はひとまず王城へと戻った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



夜が来て夕食が終わってからは王弟やガッシュと少し話をした。


「シーベルト様は何故今グランテスト大国へ?」


「うむ…まぁ話しても良いだろう。実はな、グランテスト大国の太后皇后、つまり私と兄上の母、ソルネルは昨日まで意識が無かったのだ。」


「え…太后皇后様が?」


もちろん私は知っている。

というかその人と契約していたのだから知らないわけがない。

流石に動けなくなったのにはヒヤヒヤしたけど。

王弟は話を続けている。


「うむ、しかしだ、昨日王城の者から魔道具を使っての連絡があってな、母が回復したと言うのだ!」


それも知ってる。

が、初めて知ったかのように驚いてみる。

多分バレてない…筈、よね?


「どうやって太后皇后様は回復なされたのですか?」


「それは、話によればある旅人のおかげのようなのだ。その者は生命の水(エリクサー)の材料を採取しに行った私の姪を命の危機から救いだし、その上その場で生命の水(エリクサー)を醸造したというのだ。私も礼を言わねばな。」


「そんな人が…シーベルト様、その者はどのような者なのですか?」


うまい具合にガッシュが尋ねてくれた。

ナイスガッシュ!


「うむ、白銀の髪を背中まで伸ばし、真紅の瞳を持つ者らしい。名をシド・テンペスト・シリウスと言うそうだ。」


「テンペスト、と言うと祝福者ですか…。凄いですね…。」


はい来た!

ご主人様の名前が出た!


「え⁉︎お兄ちゃん⁉︎」


「「へ?」」


よし!良い感じに引っかかってくれた!


「レヴィさん、今「お兄ちゃん」と言われましたか?」


「あ…はい、そのシドって人、髪とか目の色とか合わせて、多分私のお兄ちゃんです…。少し前にグランテストに行くって言って家を出たんです。私はそれを追ってきたわけで…。まさかそんな事になってたなんて…。」


「それならば話は早い!あなた達兄妹には王家の者が3人も救われたのです!そのまま王城にいても誰も何の文句もないでしょう!」


よし、完璧!

これでもう大丈夫!

あとはグランテストに入国すればクリアね!

その後は…サラとマモンとお話しかしらね?

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