第20話 上級悪魔
ソルネル様の部屋出るとすぐ自室に戻った。
「とりあえず上級悪魔を呼び出してみるか。」
一体どんなだろう。
角とか生えてるのかしら?
指輪をはめている右手を前に出し上級悪魔の召喚を念じてみる。
すると目の前に魔法陣が展開され、発光した後そこには人型の悪魔が7体立っていた。
3体は女性、4体は男性だ。
そのうち1人の男性悪魔が口を開いた。
「あなた様が私達の新しき主でしょうか?」
「えーと…うん、多分そうなる。」
「お名前を確認させていただいても?」
「シド・テンペスト・シリウスだけど。」
名乗ると7体の悪魔は俺の前に片膝をつき、頭を下げた。
「我ら契約悪魔はこれより、シド・テンペスト・シリウス様を新しき主とし、仕える事を契約します。我らに名を。」
「え、名前はハイドからもらったんじゃ…。」
「あの人は雑用悪魔には名前をつけたけど…あんな酷い名前は嫌だったの。」
苦笑しながら赤と青のオッドアイを持つ女性悪魔が言った。
確かに、あんな名前、人間に人間って名付けるみたいなものだしね。
実際アライ以外見た目だったし。
しかし7体分の悪魔の名前ともなるとかなりきついな。
必死で脳をフル活用する。
結論、無理。
(リーヴ、どっかに悪魔の名前一覧みたいなの無い?)
『前世の記憶から表示します。』
すると脳内にズラッと名前一覧が出てきた。
やっぱり超優秀。
悩んだ結果こうなった。
青年の黒髪赤眼(男):サタン
青年の青髪碧眼(男):フェゴール
青年の茶髪黒眼(男):ルシファー
老人の白髪黒目(男):マモン
少女の薄桃髪金眼(女):ベル
成人女性の金髪碧眼(女):サラ
少女の銀髪オッドアイ(赤と青)(女):レヴィ
となった。
名前は「七つの大罪」関連だ。
どうやら上級悪魔は数が少ないようだ。
契約するともなればその数は更に減る。
名前が被る事は無い、…筈だ。
「新しき名をありがとうございます、我が主よ。」
サタンが頭を下げる。
「具体的には悪魔って何をするんだ?」
「ん〜…言われた事かな?」
「そうですね、戦闘から情報収集まで、ほぼこなせます。」
ベルとサラがそれに答える。
戦闘にもなれば活躍してくれそうだ。
マモンが聞いてきた。
「ご主人様、何か命令はありますか?」
「いや、今は特に無いかな…。とりあえずどんなスキルを持っているか教えて欲しいんだけど…。」
「わかりました。では私から…」
そう言って悪魔達のスキル説明が始まった。
なんでこんな事をするのかって?
新しくスキルを会得するためだ。
貰えるものは貰っておきたい。
手に入れたスキルをまとめるとこんな感じになった。
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【黒の炎】:自由に悪魔の炎を操る事が出来る。
【陽炎】:自身が直接、又は間接的に触れている物を内部から燃やし尽くす。
【影縫い】:影の中を移動出来る。
【闇堕落】:対象を許可無しでは出ることの出来ない闇へと落とす。
【地獄の礎】:対象の近くの地面から鎖を出し、その対象を拘束する。
【引力】:対象を強制的に自身の元へと引き寄せる。
【爆弾魔】:魔力を使って爆弾を作り出す、もしくは触れた物を爆弾に作り変える。込める魔力量によって、煙幕のような物からダイナマイト以上の物まで作れる。
【防音】:指定した場所の音を外に漏らさないように出来る。移動可能。
【誘惑】:対象を自身の虜にするが、自身より実力が上の者には効かない。
【空気凝固】空気を凝固し、その上を歩くことが出来る。
【分解】:触れた物を強制的に細胞・分子レベルまで分解する。
【一点集中】:自身の力を一点に集中させ放出させる事が出来る。
【重力操作】:自身の周辺の重力を操作出来る。
【超感覚】:五感がレベルに応じて鋭くなる。任意で一時的に使用可能。
【温度察知】:発動中は周りの温度を壁を越して見ることが出来る。
【危険察知】:自身の身、周りに迫る危険を事前に感じ取る。
【欺瞞】:自身の姿を見えなくする、もしくは違う姿に見せる。
【分身】:魔力を使って自身の分身体を作り出す。作り出した分身体は命令した事を実行する。
【転送】:指定した物を生物、非生物限らず指定した相手へと転送する。
【嘘か真か】:相手が嘘を言っているか分かり、嘘を言うと言った者の周りが黒くなる。
【下級・中級悪魔召喚】:今契約している悪魔の配下を召喚することが出来る。
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うん、わけわからん。
何これ。
試しに【黒の炎】を使ってみる。
【大炎龍】と同じように手が炎に包まれたが、その炎は黒く燃えていた。
今だけで18個のスキルを手に入れた。
【下級・中級悪魔召喚】を使えば戦力を増やすことが出来る。
聞いたところ7人みんなが500以上の配下がいるとの事だった。
全て召喚すれば3500体以上の悪魔が俺の配下になるわけだ。
なんていうか…全部使えば俺の周りだけ世紀末になりそう。
怖いね。
特に頼む事も無いので悪魔達にはしばらく自由にしてもらい、用事があったら来てもらう事にした。
それでも念のためと言ってレヴィは俺の近くに残り、他は俺の役に立ちそうな情報、各国内の地図を手に入れに行った。
サタン達を見送った後、レヴィがくるりと振り向いて尋ねて来た。
「それで、ご主人様、私はご主人様の何という設定でここにいれば良いのかしら?」
「あ…。」
すっかり忘れていた。
「…どうしよう…。」
「やっぱり…。」
レヴィが苦笑して言う。
だって急に出て来て残ると言われたんだから考える暇なんて無いもの。
「それを考えるにしてももう一度ソルネル様の所へいったら?」
「…そうだな。でも今日はもうやめておこうと思う。」
「わかったわ。」
外を見ると既に日が傾き始めている。
聞くのは明日でも良いはずだ。
アメリアに悪いけど今日は疲れたから、と言って無理に早く休ませてもらった。
夕食は【亜空間収納】に入れてある物で済ませる。
夕食に参加してしまうとレヴィの事がバレてしまうかもしれない。
「明日の事も考えて今日は早く寝るか…。」
キングサイズのベッドはフカフカで、寝転ぶとすぐにそのまま寝てしまった。
次の日の朝、レヴィを残してもう一度先程と同じ道を行く。
【瞬間移動】を使えばすぐに着くけど少しでも王城に慣れておきたい。
今度は迷わずに到着することが出来た。
「いらっしゃいませ。」
今部屋の前に着いたのにすぐ猫が扉を開けた。
これでもしっかり悪魔だからか。
雑用悪魔の所有権は俺に移ったが、今はソルネル様の元についてもらっている。
そのまま部屋に入ると既にソルネル様は椅子に腰掛けていた。
「やっぱりね。なんとなく予想は着くよ。で、誰が残ったんだい?」
「そこまでお見通しですか…。」
流石長く生きてきただけある。
指輪を通して召喚すると、さっきより小さい召喚陣からレヴィが出て来た。
「お久しぶりで御座います、ソルネル様。」
「えぇ久しぶりね。今の名前はなんて言うの?」
「レヴィで御座います。少々助言を頂きたく申します。」
「えぇ、レヴィが残る場合どういう設定でここにいるか、よね。どうしましょうかしら…。」
もうソルネル様は俺の素性も全部知ってるんじゃないか?
読心術者か?
「…1、2歳離れた妹とかはどう?」
「それならいけますね…。ご主人様はどう?」
「それはいいけど、どうやって王城に留まる?」
「あ…。」
確かに、レヴィの見た目は15歳ほどで、髪の色も俺に似ているから妹という手はありだ。
問題は何を理由にしてここに留まるか。
「なら留まるに足る理由を作って仕舞えばいいじゃない。」
「「はい?」」
思わず俺とレヴィ、2人揃って声を出した。
ソルネル様の言っている事がわからない。
「だからね、あなたがアメリアを助け出した時のような状況を意図的に作り出して仕舞えば良いのよ。」
「え…じゃあトラブルを自ら作り出すと…?」
「えぇ、そういう事よ。」
この婆さんとんでもねぇ…。
この人の方が悪魔っぽいね。
「さて、それでは作戦会議を始めましょうか。」
そう言ってソルネル様は子供のように笑った。




