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世界が生まれ変わる物語。  作者: ゆうわ
第二章 砂の果実。
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2.砂の果実。 決戦。 8


 叫びながら、聖騎士は大地に叩きつけられ、その大地は呼雪により切断された。呼雪の刃が大地の隙間を通ったのだ。大地は深さ数十メートルに渡り、切断されていた。その手前で大地に倒れ込む濁眼の頭部は上下に切断され、血と脳髄を砂に撒き散らして、いなかった。超人的なマイトで呼雪の剣撃を受けきったのだ。彼のマイトの方が強かったのだ。呼雪の剣筋に気付くのが、後僅かでも遅れていたら、防ぎ切れなかっただろう。絶命していただろう。濁眼の聖騎士は、初めて、正に初めて恐怖で心臓が鼓動するのを感じていた。


 ……死を、死を感じた。


 天為はまだ中空。聖騎士の上を取っていた。彼には、何の感慨もなかった。呼雪に残る全ての魂を刃に乗せて打ち下ろす。今度は縦一文字。先程の一撃を凌ぐ、強力で無慈悲な剣筋が降る。濁眼はこの一撃を受けきるほどのマイトが残っていない事を悟っていた。彼は叫んだ。それは、自身の能力の全てを引き出す為の叫び。聖騎士の長い腕は鞭のようにしなり、背後に廻る。身体を捻り体制を崩しながらも背負う12の刃から一振りを抜き放った。縦に打ち下ろす呼雪の剣筋と聖騎士の凪払う横の剣筋が接触した。光が炸裂して二人は吹き飛んだ。全ての活動が一瞬停止するような重い衝撃が砂漠を覆い貫いていった。光が去った大地に二人は立ち上がる。天為の手には古刀呼雪が、濁眼の聖騎士の手には赤く燃える超絶の大剣「絶」(ビヨンド)が握られていた。赤の大剣、それは、第六座(オ・オー)のキー。完全世界の核となる遺物だ。このコナゴナになった世界に新しい運命を与えることのできる、数少ない、キーだ。その力で景色が歪む。陽炎のように周囲の景色を踊らせる。ただ、それは熱で光が屈折しているのではなく、マイトで世界が歪んでいるのだ。二人は向き合う。天為の奇襲は終わった。天為は正面から挑むしかない。世界最凶の騎士に。1対1で彼に敵う者などいるのだろうか?いるかも知れない。でもそれは、剣士ではない。剣術に関しては、彼が世界最高峰だ。でも、天為は全く怯まず、世界最凶の騎士に挑む、が。濁眼が一振り、ビヨンドで凪払うと赤く歪んだ衝撃が発せられ、天為は呼雪で受けるが吹き飛ばされて大地に叩きつけられる。全く相手にならない。口の端を歪ませて、笑う。ぎぃぃぃぃ。充分にもったい付けてから、聖騎士は発した。


 「貴様、面白い。まさか、このわ……


 濁眼の聖騎士の左目を色のない光の筋が貫いていた。聖騎士は硬直する。光の筋は濁眼を貫き後頭部から大地へと続いていた。その光の発信源はウキハの上、高台にあった。そこから、光は真っすぐに伸びている。その光は美しく力強く……まるで、まるでそう、濁眼の聖騎士が落とした落魂のようだった。聖騎士は、天為が笑うのを見た。高坂は高台で遠雷を構えて叫ぶ。


 「鳴り響けぇぇぇ!遠雷!!」


 矢の無い弓からは光の矢が発せられ、それは、長い筋となり聖騎士の濁眼を貫いていた。高坂の叫びと共に光の筋は爆発し、強い光が世界を覆った。大きな大きな雷鳴が轟く。超超超高熱が濁眼を灼いた。


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