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世界が生まれ変わる物語。  作者: ゆうわ
第二章 砂の果実。
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2.砂の果実。 開幕。 13


 天為は、無限の精神世界にいた。全てを受け入れ全てを解放することで訪れる、完全な精神状態。そこでは加速した彼の精神だけが回り続け、世界は相対的に停止する。


 ……それが心頭滅却の境地じゃ。


 彼の頭の中に懐かしい声が響く。ここは地底湖の畔。クレイフを囲む岩棚ウキハの最下層だ。天為は戦闘の真っ只中にいた。地底湖からは無数と言っていい数のラーダンモールが這い上がってくる。湖畔に立つのは、高坂だけだ。天為は……斜めっていた。丁度斜め45度の角度だ。つまりは、倒れる途中だった。


 ……やば。身体の自由が利かないや。上手く呼吸が出来ないみたい。毒、かぁー……


 勿論、天為はラーダンモールの攻撃を受けてはいない。かすり傷一つない。では、いつ毒を仕込まれたのか。天為は推察する。まず、ラーダンモール自身が倒れた。次にホラン。そして、コットス、天為。何故この順番なのか。毒に対する耐性の違い?そうではない。天為は自身がかなり虚弱である事を十分に理解している。それにホランとコットスも傷を負ってはいない。では?自身の思考だけが進む精神世界にいる天為には造作もない問題だった。


 ……雫だ。ラーダンモールが振りまいていた、雫が毒だったんだ。


 ずぶ濡れのラーダンモールが身体に付いた地底湖の雫を振りまいていたのではなく、闇色の籠手から毒液を振りまいていたいたのだ。だからラーダンモールに直接触れていたホランが真っ先に倒れ、距離を保っていた天為は毒の発現が遅かったのだ。


 ……なるほどね。


 斜めったまま天為は、考えていた。が、徐々に身体の自由が利かなくなっていく、倒れ込み中の彼に出来ることなどなかった。


 ……で、どうする。どうしようもないか?


 天為は、徐々に彼の完全世界がほどけていくのを感じていた。彼の集中が、心頭滅却が解けて行く。心頭滅却の入りとは逆に世界が加速していく。爆発するように天為を囲む世界が生き返る。天為は人形のように無防備に倒れ込んだ。


「おい!!」


 高坂の絶望的な声が地底湖に響いた。天為は、崩れ落ちた。


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