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第78話 反攻

獣人達が落ち着いた所で事情を聞く。


ここにいるのは初めに会った13人と助けた43人だ。種族は様々だ。


「助けてくれた事には礼を言うがお主は誰だ?」と1番屈強な男であるドワーフの男だ。


「私は数日前にこの先の海沿いの集落に船で上陸しました」


「ではワグからか?」


「もとは違うところからですが今回はワグの国からです」


「ではこの国の人種とじゃ関係無いと?」


「関係がありませんし獣人に手を出す輩は許しませんよ」


「分かった。信じよう」


「では事情をお聞かせ下さい」


「分かった」


大凡の事は分かった。人種の国が連合を組み獣人族を奴隷にしようと侵攻してきていると。そして今までは身体能力が高い獣人には余り手を出して来なかったが、人種国での魔法技術の発達によりその関係性が変わったと言う事らしい。


と言うことで倒した魔法師を調べると全員杖を持っている。調べると触媒宝石が付いている。ダイヤモンドだ。これは無魔法を補助するのだろう。1つ分解すると魔法陣が描かれている。ふむ、これはアロー系の成形の補助と飛ばす補助が出来る杖だ。なるほど無魔法の熟練度が低くても属性魔法が飛ばせるのだな。これは面白いね。こんな使い方があるとは。


これが獣人族がやられている原因だろう。獣人の身体能力が発揮される前に攻撃されるのか。これは考えたな。


商人の頭の中も、闇魔法で覗く。うわ〜こいつは屑オブ屑だ。


「大体の事情は分かったし、その原因と思われることも分かったが貴方達はどうしたい?」と聞くと獣人は顔を見合わせる。すると1人の獣人が、


「それは勿論、前の生活を取り戻したい」と言うと周りの獣人も頷く。


「では敵をなんとか出来る手があると言ったら?」


「勿論!そんな事が出来るならなんとかしたい!」


「では何とかしよう」とコウは笑う。


「どうするんだ」とは一番屈強なドワーフの男。


「この中で鍛治や魔道具に詳しいものは?」


「俺らだ」とドワーフの6人。


どうやらこの先の鉱山町で鍛治と魔道具製作を行なっていたが人種が攻めて来たためにこちらに逃げてきたらしい。


それで初めに会ったウサギ獣人の2人と山羊青年は鍛治ギルドの従業員だったとか。犬獣人の少女と獣人の子3人は鉱山街の孤児院の子だという。鉱山で亡くなった獣人の子だと言う。それも4人は小さい時にそれぞれの母親も流行病で亡くしているのだとか。


他の方達は途中の焼かれていた集落の獣人だという。海岸沿いの集落の獣人達は知らせにより逃げて無事だと言う。


まずは一度集落に戻り体制を整える事となった。


チャチャっと集落の建物を直し、何とか住める状態にする。


そしてドワーフ6人と打ち合わせ。ドワーフの名前は親方のドルン、弟子のグロウ、ラント、ガロウ、ミド、レンダスの6人だ。


魔道具の方はそれほどでも無いが鍛治は出来る。特に親方は獣人国の中でも有数だと言う。弟子の中には革細工や木工も出来る。親方は全てに精通しているとか。


何とかなるかな。


体の大丈夫な獣人2人に獣人が隠れていそうな場所へと伝令を出す。戦える獣人が少ないので何とかする。


見本で1つ作る。


スライム材と革で頑丈なバックパックを作成。その中に燃料となる魔石と魔法陣を描いて入れる。これで完成だ。


要は近づければ獣人の身体能力には人種は勝てない。ではどうするか?結界で魔法や弓矢を防いで近づけば良い。


それでこのバックパックだ。背負って発動するとこちらからは手を出せるが結界の外からは魔法も物理も届かない。


これで解決だ。


余りに簡単な方法なのでドワーフの6人は口を開けている。大丈夫?


そこからは早い。特に難しい事は無いので材料は私が出して作っていく。半日で50セット完成。


そして武器を作成。よく切れる剣と丈夫な盾を作成。これも50セット作成。


翌日、伝令が届いたのか犬人族が40名、狼人族が43名、豹人族が34名、白虎人族が15名が集まって来た。


そこから戦える獣人を選抜。犬人から15名、狼人から12名、豹人から11名、白虎人から7名の合計45名。


そこにドワーフ6名が加わる。


色々聞くと獣人族は魔法が不得意だが身体強化や探知といった事は得意なようだ。気配も消すのも上手い。


足りない1セットと予備を幾つか作り、翌日鉱山街の拠点を攻めることになった。


翌日の朝、鉱山街へと移動を開始。1時間半で街近くへと到着。昨日、一応の訓練は行った。魔法が効かない獣人はチートだ。


走っても音が無いし速い。身体強化をした身体能力は脅威だ。


二手に分かれて進む。初めの一隊が正面の門でワザと見つかる。そこに敵魔法師が並ぶ。ニヤついた敵の指揮官が号令!


魔法が多数飛ぶ。おお、これは無魔法の補助が効いていて射程距離もあるな。だがね。


結界を発生させた獣人達は止まらない!敵は魔法の噴煙から出てきた獣人に焦ってバラバラに魔法撃つが勿論、当たらない。


そこからは虐殺だ。もう一隊も反対から強襲して恨みを晴らすように敵を蹂躙。


簡単に鉱山街を取り戻す。


ここにいた人種は全員非戦闘員も含めて処刑。ここで甘い対応をすると人種というのはそこに付け込む。


殲滅あるのみだ。これでここが獣人の国を取り戻す前線基地となる。 

お読みいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 海の向こうの「ワグの国」は奴隷狩りとは無関係ですかね 建国の王はドラゴンやグリフォンの助けで魔物駆逐しましたが ワグの国で獣人に言及無かったのが気になる
[一言] 非戦闘員皆殺しって字面だけならやり過ぎに見えるけど今回は獣人達を奴隷にする気満々の奴らに協力してた連中しか居ない訳でやり過ぎでもなんでもないでしょ と言うより生かしとく事によるデメリットの方…
[良い点] 戦争被害者の悲惨さと怨念を理解されてますね。結局奴隷狩り、その使用を黙認した時点で罪ですからね。指導者が後悔?反省?するまでやっちゃってください
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