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永遠のブルー  作者: 結城 遼介
第一章 レッド選抜試験

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2. レッド選抜試験 ②


「おう、お前ら、よく来た。私がこのダイレンジャーの司令官、神城レミだ」


 レッド候補の面々の間に緊張が走る。

 無理もない、相手は国宝級の美少女だ。口調と性格はおっさんなのだが。あと、ついでと言っちゃあなんだが、神城さんはもともと東京のトップ戦隊、アトラスレンジャーの司令官だ。一時は国防を担ってたような人だ。なんでこんな地方都市のマイナー戦隊の司令官に成り下がったのか、誰も知らない。多分なんかやらかしたのだろう。大いにありうる。


「青木、お前、ちょっとこっちこい」


 呼ばれてほいほい神城さんのもとに寄ると、思いっきり、頬をグーで殴られた。


「な、なんで」

「カンだ」


 人を殴っといて、女神のような微笑みだ。俺は別にМじゃないのだが、何をされても神城さんのことは許してしまう気がする。だからいつも潜入捜査だの、おとり捜査だの、危険な仕事ばかり俺に回ってくる。


「これから、お前ら5人の能力をみるために試験を行っていく、ちょうどいいから青木、お前から自己紹介しろや」

「わかりました」


 俺はレッド候補の4人の方を向く。


「俺は青木誠、知っての通り、もともとこのダイレンジャーのブルーレンジャーだ。ダイレンジャーのビジュアル担当。レッドレンジャーの枠が空いたからには、俺が持ち上がりでなるのが自然な成り行きだと思ってる。ダイレンジャーの顔を、他の奴らにゆずる気はない。他のメンバーのためにもな。本気でやるんでよろしく」


 言いたいこと言ってすっきりした。

 他の候補者の横に並び直すと、不機嫌そうな顔の神城さんのニラミに捕縛される。

 なんか俺、気に障るようなこと言ったかな。まるで毒虫を見るような目で神城さんがこっちを見てるんだが。


「補足しよう。こいつはレッドに憧れて、レッドのヒーロー試験に参加した時点で、ブルーとしてはクビだ。それくらいの不退転の決意でこいつは参加してる。ほかの奴らに関しては、ブルーのほうが適性があると判断した場合、ブルーとして採用することもあるんでそこんとこよろしく」


 えええええええええええ!!!

 聞いてない、聞いてない。


「ちょっ、まっ!! レミちゃん。なに、それ。クビとか聞いてないけど」

「ああ、やっぱし言い忘れてたか。まあ、いいんじゃね、今言ったし。まだ試験の前だし。まあ、いいだろ、どっちにしてもクビだし」

「どのどっちだよ! レッド試験受けようが、受けまいが俺クビなの? 今までレミちゃんに捧げてきた奉仕はどうなっちゃうの」

「うだうだうるせえな、司令官のことレミちゃん、レミちゃん、言ってる時点でクビ確定だろうが、ドアホウが。ってか、お前、そんな甘っちょろい決意でこの試験受けに来てんなら帰れ! どっかのドマイナー戦隊でイエローやってろ、ターコ」


 なんも言い返せねえ。

 そうこうしていたら、何もなかったように、次のやつが自己紹介を始めやがった。


 どんなメンタルしてやがんだ、どいつもこいつも。


「俺はゲキレツファイターでゲキレツレッドやってた火野聖司だ。今回、神城さんに声をかけてもらって応募した。ダイレンジャーとゲキレツファイターは豊橋を二分するライバル社だからな。ケジメのためにゲキレツファイターの方には辞表を出してきてる。同じ熱い想いの奴がいて嬉しいよ。共に頑張ろう! 青木くん!!」


 手を差し出されて、握らないわけにもいかねえ。こんなコメント聞かされたら、泣いてクビの取り消しを願い出るわけにもいかねえ。


「ええ、頑張りましょう。火野さん。あんたとはいつか勝負したいと思ってたんすよ」


 この瞬間、まさかのニート入りが確定した。

 正直、おしっこちびりそうだぜ。

 車、ローンで買ったばっかなんよね。


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