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同盟国の身の上話

さらっと王子さんの名前出ます笑

一章の終わり辺りで王族の皆さん登場します!



「…この国の貴族は皆承知しておりますが、ウィーの御母上は、インパチエンス王国の難民でありました」


「…それは、」


「いえ、ルフェ殿のお話に気分を害した訳ではありません」



何故、そう言い切れるのか。

まさかウィーの御母上が、周辺国出身だったとは…



「ルフェ殿、私の…私とウィーの昔話を、お聞きいただけますか…?」



恐る恐るといったエディソンに、了承の意を込めて頷く。



「私とウィーが出会ったのは…お茶会の場でした。私の家は、多く文官を輩出している家系で、幼い頃より剣術に興味のあった私は異質な存在でした。特に私の年代は、ラジュ王子殿下と同世代ということもあり、其のような風潮は強く、故によく、…誠に情け無い話ではありますが、揶揄される事が多々ありました」



成程。将来側近になるべく育てられる子が多かったのか。命を落としかねない護衛騎士ではなく、文官として。



「斯様な中、ウィーは、私を幾度も庇ってくれました。彼も周囲から蔑まれていたというのに……私は、己の身さえ守れぬ自分を恥じ、ウィーと共に、鍛錬に明け暮れました。そしていつしか、二人で騎士になろうと、見返してやろうと、この国を…、守ろうと。そのように、思うようになりました」



彼らは幼い頃から家や身分に縛られ、其れを受け入れながらも、それでも尚、立ち向かって来たのだと、改めて感じる。



「そして、私達は貴方に、出会いました。ルフェ様」



今まで見た中で一番の、エディソンの真剣な眼差しを受ける。



「貴方は、常に物事を客観し見極め、身分や結果で人を判断せず、何より…騎士の誇りを、既にお持ちです。私は……貴方に出会わなければ、己の感情を制御できずに、子どもの頃から抱えている反抗心を手放せぬまま、傲慢で無様な人間となっていました」



それは……何事も、割り切ってばかりいる私を、過大評価しているに過ぎない。

端から諦めているのだ。私は。そんな崇高な精神ではない。私が只、彼らより三つ年上だからであって。



「…いや、それは違う。お前達が、己の未熟さを認め、正しく在ろうと邁進できる人間だからだ。エディソン、」


私は、同じように、真摯な目で返すことができているだろうか。


「ウィーも。お前はいつまでそこに居るつもりだ」



後方の扉に向かって声を掛ければ、ばつの悪そうな顔をしたウィーが姿を見せる。



「……貴方という人は…本当に」



そう力無く微笑み、ルジの元へ歩み寄る。



「ルゥさん、僕はね、周囲の人からどう思われようとも微塵も気ならないと、言わぬばかりの貴方を、妬んでいたんだ。我々の事など、どうでもいいと、そう思っているんだろうってね」



真っ直ぐに、ルジを見詰める。



「だからね、嬉しかったんだ。僕達の存在を認めてくれて、間違っていると咎めてくれて。そんな人、居なかったんだ。この御時世で国を剣で守りたいだなんて言うのは古めかしいと、馬鹿にしてくる奴等しかいなかったから」



ひっそりと、耳を澄ましている同期生達。

ウィーは、おそらく、彼等の気持ちも代弁している。



「王宮内は、以前に比べて文官の貴族寄りなんだ。それは、近隣諸国との気候変動による紛争等の最優先に対処しなければならない事を、騎士団が担っているからで。その騎士団には身分問わず優秀な方々が配属されているんだ」


「…成程。井の中の蛙、といったところか」



優秀な者は皆、城外で戦っているということか。

其れならば尚更、生徒達を焚き付けてしまうと内部分裂が進むだろうに、何故。新任教官の意図が読めない。まさか人手が欲しいという理由だけではないだろう。


ウィーから視線を落とし、再び目を合わせる。



「ウィー。蛙は、何かをじっと、見ているのではないか?」


「……何かを、じっと…?」


「無論、泳いでいるだけの蛙ばかりだろうが」



私の問い掛けに、考え込むウィーとエディソン。

……空気が、重過ぎるな。



「ちなみに、私はカエルがあまり好きではない」


「……ブッ!!」



振り返り、吹き出したコルガーを睨み付ける。



「…そうなのか?」



コルガーの斜め後ろに座るジルが、少し顔を強張らせたまま聞いてくる。



「其奴の所為でな」


「フッ…!!」



笑いを堪えるコルガーの斜め前に座るディートは、瞼を閉じ腕を組んでいる。



この国は、沈みかけているのだろうか。


体勢を戻し、大袈裟に溜め息を吐いた。



親しくなる前のエディは特に、平然と平民のフリをしているディートにはめちゃくちゃ腹が立っていたんだろうなと(しかもめっちゃ強いし、憧れのルジとも仲良かったし)!

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