「意味がわからないと言うな」
非対称罠を組みました。
同門扱いされかけました。
モンスターまで挨拶しました。
今日も感謝されてしまいました。
今回の罠は、左右非対称型です。
左通路は火炎罠、右通路は感知糸。ベルネさんが来ると聞いていたので、同業者にわかりにくい設計にしました。両通路にはスライムAとガルルを配置しています。
今日の罠には自信があります。
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ダンジョン配信中(登録者:11)
女神様「同業者さんですね❤」
名無しの罠「ベルネまた来た」
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「改善されてるか見に来たわ」
「批評は不要です」
ベルネさんは、相変わらず腕を組んでいました。
その後ろから、ノノカさんがひょこっと顔を出します。
「ベルネさんも師匠に教わりに来たんですか!?」
「は!? アタシ、こいつの弟子でも何でもないわよ!!」
「またまた~、恥ずかしがっちゃって。では同門ですね!」
「違うわよ!!」
罠が起動する前に、場がだいぶ荒れました。......無視します。
ベルネさんが左通路へ入ります。
床の模様を一瞥し、壁の隙間を見て、ため息をつきました。
「非対称ね。左が火炎、右が感知糸。なぜ非対称にしたの」
「素材の都合です」
「……素材の都合に見せかけた心理戦ってわけね」
「くっ......やるじゃないアンタ」
「ですから、ただの素材の都合です」
火炎罠が発動しました。
ただし、出力が三%ほど横へズレました。
炎はベルネさんの足元ではなく、壁際の古い苔を焼き、妙に清潔な通路を作りました。
「罠が、掃除まで兼ねてるの? 相変わらず腹立つわね」
「兼ねていません、偶然です」
右通路では、ノノカさんが感知糸の前で震えています。
「この左右差……師匠とベルネさん、やはり高度な会話をしています!」
「していません」
そこへ、ガルルが現れました。
ベルネさんに向かって、深く礼をします。
「……なんでこのスケルトン礼してるの」
「礼儀正しいスケルトンさんですね」
「意味がわからない!!」
さらに、スライムAがベルネさんの足元に寄りました。
ぷるぷる。
「……スライムも挨拶しています、かわいい」
「さらに意味がわからない!!ナニこれマスコット?ダンジョンなのにマスコットなのアンタ!!」
ノノカさんが目を輝かせました。
「モンスターまで同門を歓迎を!!」
「同門ではありません」
「モンスターにも認められてるじゃないですか、ベルネさん!」
「認められてない!! そもそも認められたくない!!」
ベルネさんは怒りながらも、火炎罠の燃焼角度を三箇所メモして帰りました。
「盗用ではないわ。批評よ」
「それはそれでどっちも困ります」
―――
処理後、コートの裾に書き足しました。
【ベルネ:モンスターにも困惑】
【スライムA挨拶確認】
【ガルル挨拶確認】
【同門ではない】
最後の一行だけ、太くなりました。
シア様は、ベルネさんがいた場所を見ながら笑っています。
「ハルカ、人気ですね〜」
「人気ではありません。誤解です」
「そうですか〜」
シア様のニヤニヤが、薄くはありませんでした。
ただ、ベルネさんのメモ帳を見た時だけ、ほんの少し目が細くなりました。
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ダンジョン配信中(登録者:11)
女神様「同門ではないそうです❤」
名無しの罠「骨まで礼してる」
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改善の余地があります。
マジで感謝するなつってんだろ。同門でもありません。モンスターも含みます。
ここは遊園地かよ!ダンジョンだよここは!!
【今回の登場キャラクター紹介】
・ベルネ:ライバルダンジョンマスター。ツッコミ強度が上がっています。
・ノノカ:全部を師匠の意図にしたがる後輩。
・ガルル&スライムA:挨拶要員ではありません。
【今回のズレパターン解説】
超克型寄りです。罠そのものは処理され、ベルネの批評とモンスターの挨拶によって別方向に崩れました。
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【今話のダンジョンデータ】
ダンジョンランキング :65388位 → 65320位
配信視聴者数 :11名 → 11名
本日の用途 :同業者交流会(非公認)
コートのメモ(今話) :「同門ではない」
【モンスター管理状況】
スライムA:稼働率0%(挨拶中)
ガルル :稼働率0%(挨拶中)
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