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いいよ!もう何でもイイよ!どうでもイイ!全部イイ!全部OK!ぜんぶ好き!大好き!あいしてる!あいしてる!あいしてる!最高!みんなああああーッ‼!ありがとうーッ‼!あいしてるああああああーーッ‼‼‼‼笑  作者: 好き!好き!好き!好き!好き!好き!大好き♡!かわいい♡!愛してる!愛してる!愛してる!愛してる!愛してる!愛してる!絶対に愛してる♡!笑
第5章

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どんくさい鳩(平岡大志)

「うぷっ……、お゛ぇ゛ぇッ!」


「アソブッ!!」「アソブーーッ!!」


 アソブが今にも吐きそうだったので、オレとオウシロウはそばにしゃがみ込んで背中をさすってやった。


「はぁ、はぁ、……う……ヴぉえ゛ぇ~ッ!」


「アソブッ!!」「アソブーーッ!!」



 で、結局、吐かなかった。


 少ししたら落ち着いてきたみたいだったので、「今日はもう、ここまでにしておくか。少しずつ慣れていけばいいから」と声をかけたら、


 アソブは、「……行く……」と言って。


 呼吸は荒く、青白い顔して変な汗までかいているくせに、ゆっくりと立ち上がった。


「無理すんなよ? 家まで送るぞ?」って言ったら、


「……大丈夫……行ける」と、ふらついた足取りで、前へ歩き出したので。

「だったらオレの背中に乗れよ」と、オレは背負っていたリュックをおろし、オウシロウに「持ってろ」と押し付けた。

 アソブは「いいよ」と言ったけど「乗れよ」と強引に彼の前にしゃがみ込み、背を向けた。


「吐くかもよ」

「いいぜ」

「ゲロまみれになってもいいのか?」

「あとで水で流すからいいよ。今日は水着だからすぐ乾くし。ほら、早く乗れよ」

「冗談だよっ。大丈夫、自分で歩けるから」

 そう言って、ひとりで歩き出したアソブ。


「フラフラしてるじゃねえか。遠慮しなくていいんだぞ!」

 背中に向かってそう叫ぶと、アソブは振り向きもせず、

「遠慮はしてない。恥ずかしい」って言いながら、どんどん歩いていく。


 ――恥ずかしがる余裕もあるなら大丈夫か。

 そう思って立ち上がろうとした、その時だ。


 アソブが、何もないところでつまずいた。


 それでバランスを崩し、前につんのめって、


 その先には鳩たちがたむろしていて、


 みんなすぐに飛び去ったけど、びっくりした1羽が、ひっくりかえって仰向けでバタバタと羽をばたつかせて、


「あっ!」 


 ――あぶないっ! 


 そう思った刹那、


 横から駆け込んできたオウシロウが、倒れゆくアソブの真下へと身を投げ出した。

 まるでダイビングキャッチをするかのように。


(――鳩おおおおおーーッ!!!!)


 オウシロウの体は容赦なく鳩を押しつぶし、その上から、とどめを刺すかのようにアソブが伸しかかった。


「おいっ、大丈夫かっ!」

 オレは慌てて駆け寄った。 


 オウシロウがクッションになったおかげでアソブは無事そうだけど、


 鳩は……。


 土に埋めてやる覚悟で、重なり合う二人の前へ回り込み、


 オウシロウの腹の下を、恐る恐る覗き込もうとした。


 そしたら、少しだけオウシロウの体が浮いていた!


 オウシロウは、プランクをするみたいにして、ほんの少しだけ体を浮かせた状態でぷるぷると耐えていたのだ。


 その腹の下で、もぞもぞと影が動いた。


 ぴょこん!


 鳩が、顔を出した!


(生きてた!!)


 鳩は、何事もなかったように目をぱちくりさせ、周囲をきょろきょろと見回すと、


「クルックゥ~」


 間の抜けた声を残し、バサバサバサッと飛び去っていった。


(ふぅ~、よかったぁ⤴……)

 安堵の溜息を吐くオレの横で、オウシロウが「ヴッ……」っと地面に突っ伏した。


 その上にもたれかかっていたアソブが「……ご、ごめんっ」と、慌てて上体を起こした。


 そして、動かないオウシロウを心配そうに覗き込み、


「だ、大丈夫……?」と、その背中にそっと触れた。


 するとオウシロウは、くるりと裏返って仰向けになり、「大丈夫だぜっ!」と笑顔で右手の親指を立てた。

 腕から血が流れている!


 その時だ!


「うぷっ……ン、ヴオ゛ォェ゛エ゛エエエッ!!」


 アソブの口から大量のゲロが噴き出してオウシロウの顔面に直撃。


 オレは一瞬驚いたけど、次の瞬間には腹を抱えて大爆笑だ。


 アソブはすぐに口を押さえたが、ゲロはほとんど出つくした後で、時すでに遅し。

「……ご、ごめんなさい~っ!」

 焦ったアソブはスクールバッグの中からハンカチを取り出して、なんども謝りながらオウシロウの顔を必死に拭いていたが、オウシロウは表情を歪めて、うざったそうに頭を振っていて、そのやりとりもおかしくて、オレは笑いすぎて膝から地面に崩れ落ちてしまった。


「ほんとにごめんなさぃ~」

「うっ……やっ……やめろっ」

「でも、まだ、ついてるっ……」

「だ……大丈夫っ……う……自分でやるからっ……や……やめろおおおおっ!!」


 オウシロウは、アソブの手をはねのけて起き上がると、ペッ、と地面に唾を吐き、手の甲で口元を拭った後、ゲロまみれの目元もゴシゴシと拭い、おでこに上げていたゴーグルを下ろして装着した。


 もっと……早くにかけていれば……ゲロが……目に入らなくて、済んだのに……。くっくっく、とオレの笑いは止まらない。


 アソブは土下座して

「本当にごめんなさいっ。……血を見たら、急に込み上げてきて、我慢ができなくなって……」


 オウシロウは「どうでもいい」と立ち上がると、「立て。行くぞ」と冷たく言い放ち、歩き出した。


「おいっ、待てよオウシロウ!」

 

 オレが呼びかけると、オウシロウは足を止め、こっちを振り向いた。


「もどってこい」そう言うと、もどってくるオウシロウ。


 近くに自動販売機とかないかな……。辺りをきょろきょろと見渡すと――


 あった!


 少し離れた向かいの歩道に2つならんで立っていた。


 オレのリュックは!?


 まわりを見渡すと――


 そばに落ちてた。オウシロウのリュックもある

 オウシロウのヤツ、リュックも持たずに行こうとしてたのか。アホだな。


 自分のリュックを引き寄せ、中からカブトムシ(財布)を取り出し、自動販売機で天然水のボトルを2本買った。


 ひとつはオウシロウに渡し、もうとつはアソブに……

 って、まだ土下座してるのかよ!


「おいっ、アソブ」

「……ほんとにごめん……」

「顔上げろ、もういいだろ」


 肩をゆすってやったら、アソブは顔を上げた。


 なんて顔してんだ!


 髪はボサボサで、前髪は汗で張り付いて、メイクも崩れて、


「大丈夫か!? ほら、これで口をゆすげ」


 アソブに水を渡して、オウシロウに目をやったら――、


 まるでテレビのCMみたいに、腰に手を当てゴクゴクと豪快に、


「なに飲み干してんだよっ!?」 


「へ?」と、間抜けな声をだすオウシロウ。


「ゲロを洗い流せよっ! まずはそれからだろ! あと傷口も! それであまったら飲んでもいいけどよ!」 


 そう言ってもオウシロウは「??」って顔をしてる。アホだ。


「はぁ……しょうがねえな」


 もう1本買おうと思って立ち上がったら、アソブが「……これ使って」と、さっきオレが渡した水を差しだしてきた。

「これはおまえのだろ! おまえも早く口をゆすいで手も洗えっ!」


 はぁ、まったく、手のかかるやつらだぜ……。


 また自販機まで走って、水を買って、今度はオウシロウには渡さずに、オレがぶっかけてやった。


 気持ちよさそうに頭をぶるぶると振って水を飛ばすオウシロウ。


 両腕両膝をすりむいて血が出てたので流して、ゴーグルもいったん外させて、手も洗わせた。


 アソブの水が半分くらい残ってたので、それで地面のゲロも簡単に流した。


 空になったペットボトルをリュックにしまうついでに、スマホを取り出して時間を確認したら、

「7時26分っ!?」 

 やべえ、もうとっくに朝練始まってる!

「アソブ! 大丈夫か!? 学校行けるか!?」

「んぅぅ……」と、視線を落とし、気まずそうに首をかしげるアソブ。


「どうしたんだよっ! さっきまでのやる気は!?」


「……んん……やっぱり……きついかも……」


 アソブは片手で腹を抱え、調子が悪そうだ。


「クソしてえのか?」とオウシロウ。

「ちがうっ……」と即答のアソブ。


「よし、じゃあ帰ろうぜ。送ってくよ。オウシロウ、これ、部室までもっていけよ。オレのロッカーにいれとけ」


 オレは、またリュックをオウシロウに預けて、アソブの前で背を向けてしゃがみこんだ。


「乗れよ」


 そう言ったのにアソブは乗ってこない。


「どうした、早く乗れ」


 それでも乗ってこない。


 おかしいなと思って後ろを振り返ると、アソブは何か言いたそうにしてもじもじしていた。


「どうしたんだよ。ここまでこれただけでも大きな進歩だろ。じゅうぶん頑張ったよ。また明日も挑戦しような。だからほら、早く乗れゴミ」


「……やっぱり行く」


「は? なに言ってんだよ。頑張らなくていいよ。無理すんな。ほら、早く。帰るぞ」


「……行きたい」


「なんでだよ!」


「……自分に負けたくない」


「勝ち負けとかねえよ! 自分と仲良くしろよ。なんでもいいから早く乗れ!」


「嫌だっ……僕は行く」


「体が拒否してんだろ? だったらしょうがないだろ。少しづつ慣れていけばいいんだよ」


「うああああああーっ!!」


 アソブの叫び声だ!


 何事かと思ってまた後ろを振り向いたら、アソブが自分で自分の頬を殴っているじゃねえか!


「しっかりしろよっ! このバカっ! このっ……! このっ……!」


 お腹をドンッ、ドンッと何度も殴り、頭もバンバンと何度も叩いてる! 頭がおかしくなってる!


「アソブッ!!」


 オレはすぐに立ちあがって、暴れるアソブに抱き着いた。


「やめろっ……! 落ち着けっ……!」


 背中をよしよしとさすってなだめようとするが、アソブは止まらない。


 

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