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この空の下で  作者: 石川美由紀
54/92

つづき

お昼休みになり、尚美は詩織の事が心配になり、吉田先輩のいる教室に一人向かった。


教室のドアを開けると窓側の机にいた先輩に声を掛けた。


「吉田結香先輩、お話しが有ります、宜しいでしょうか?」


丁寧に挨拶した。



「何?話って!貴女確か詩織さんと一緒にいた娘ね」

近づいて来た。



廊下に出ると、「私に用なら早く話なさい、忙しいんだから」


尚美「詩織の事何だけども」と言って今朝どうして木村先輩が迎えに来たのか、結香先輩が勘違いしている事を伝えて、二度と詩織に手を出さないで下さいね。とお願いした。


「解ったわよ、あの娘も翔太に近づいて来なければ、私は何もしないから、そう伝えなさい」



尚美は声が震えながら


「解りました伝えます」

と言った。


(私は何をしに来たんだろう、これじゃあ変わらない)と思っていると!


「尚美さんどうしたの!?今詩織さんの名前がしたから気になって、まさか?今朝の事で結香と話っていたのかな?」


木村先輩が話し掛けて来た。


「木村先輩、今の話し聞いていたのですか?」


木村「ここでは、話し難そうだから屋上でも行こうか!」


「はい」


尚美は木村先輩について屋上に向かった。



「ここなら、誰にも聞かれる心配が無いから、さっき結香に話した事を俺にも話してくれないか」


木村先輩の隣に座り、今朝の出来事を詳しく話した。


それを聞いた先輩は、急に怒り出した。



「しまった!あの後か〜あっ」


屋上の床に目線を落とし握りこぶしを叩きつけた。


バシッ!!



「先輩どうしたんですか?指から血がでていますよ」


とっさにハンカチを取り出して先輩の指に当てた。


「悪い、取り乱した処を見せてしまったな」


先輩は、詩織が先日校門の所で足首が痛くなり、雅史先輩に病院へ運び込まれた帰りから話し出した。俺は詩織さんが心配でその日の放課後に青島雅史先輩に会って足首の具合を聞いたんだ、そして、またいつ具合が悪くなるか解らないから、毎日朝迎えに行かなくては、と青島先輩にいったら、アイツは「俺には出来ない」と言ったんだ。


なら、俺が迎えに行くからと青島先輩に言ったら、


「宜しく頼みます、翔太さん」

と言われたのが始まりなんだ。


「で今朝詩織さんを迎えに行ったんだね」


「そうだ、しかし学校の玄関で結香に会って詩織さんを頼んだのは、俺なんだ!あの時に気が付いていれば、詩織さんに危害を与えることが無かったんだ!チクショウ、この大事な時に、結香の奴」



尚美「結香先輩には、この事は内緒にしてね」



「何でだ!悪いのは結香だろうが!!」

声を張り上げた。


「だってまた、結香先輩に知れたら詩織は何をされるか解りませんよ?」


「大丈夫だ、俺が結香に上手く話すから…」


「宜しくお願いいたします先輩」


「有り難うな、俺に教えてくれて、また何かあったら教えてくれないか」



「詩織さんにはもう心配しないでくれと君から伝えてくれないか」



「木村先輩有り難うございました、詩織に伝えます」

そう先輩に言って、教室へ戻った。



木村(結香のやつ絶対に許さんからな…)


翔太も自分の教室に戻り、結香を探した、教室にはいない!?



(あいつ逃げたな?)


何処に行ったのか見当が付かない翔太は、教室で待っていると!午後の授業の始まるチャイムが鳴った。


授業が始まるというのに姿を見せない結香に、俺に怒られるのが嫌で帰ったんだろうと翔太は思った。


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