表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/94

第5話 宅配司書が死ねない理由 ①

「生きている意味って、なんですか」



 ウィスタリア私立図書館、レファレンスカウンター。

 拭き抜けの天井まで届く書物。金の装飾に彩られた書棚と閲覧席。広大な空間の中央。コチニールレッドの豪奢なそのカウンターに、その問いはぽとりと落とされた。

 精魂尽き果て地に落ちる小さな実の粒のように。

 問いを受けた司書、ラヴェンナは一度、息を呑んだ。



「それは……」

 答えに窮したためではない。

 無数にありすぎる答えが溢れんばかりに喉元につかえていた。

「それを感じられる書物なら、たくさんございます! 例えば――」



 司書が羅列する膨大な物語を、随筆を。

 問いを投げかけた女性は視線を本の表紙から逸らしたまま、どこか気の抜けた様子で聞いていた。

 初老の皺に囲まれたウィスタリアの瞳。後ろで束ねられたセピアの髪はぱさついている。

 ちらと、客の反応を窺うため視線を上げたラヴェンナは、かすかに思う。

 どこかで見たような色の取り合わせだと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ