東雲という男
団体戦がそろそろはじまりそうだ。
先ほどの戦いを見るに勝てるビジョンが浮かばない。
浮かばないだけかもしれないが。
団体戦は30対30の生徒でおこなわれる。
しかし逃げ出した奴らがいるため人数は
30人には到底及ばない15人。
30対15というわけだ。うん、まけたな。
「緊張するなー、怖いなー」
なぜ棒読みなんだろうか。よほどの自信があるのか。
「どうせ負けるんだ。気楽にな」
俺は東雲に対して言葉を返した。
「ご褒美楽しみだなー」
「勝てる前提かよ」
やはり自信があるようだ。見習いたいものだね。
茶番劇を繰り広げていると集合がかかる。
それでは団体戦開始!合図がかかり気合をいれる。
だがしかし景色は1秒前とはガラッと変わっていた。
先ほどの中庭とはちがい魔法によって空間を
拡張しているようだ。あたりは一面草原である。
ざっと見てすごい広さだ。5kmはありそうだ。
とりあえず走り出すと後ろから気配がした。
「クソっいきなりかよ!」
気配はどんどん増えていく。何人いるのかわからない。とりあえず周囲を巻き込むしかないな。
俺は剣を地面に突き刺しスキルを使う。
俺のスキルは物質に能力を付与する。魔力を食うが
今の状況を変えるにはちょうどいい。すぐに負けたくないしな。
「付与対象 空間内の地面を構成する全物質 範囲 500m 付与能力泥化、概念魔法解除」
俺のスキルで概念魔法を使っていた約6名の魔法クラスのやつが見えるようになった。泥化により周囲の地面は足場が悪くなる。魔法クラスの奴らが足を取られている間におれは剣の鞘でやつらを気絶させる。
「6人 魔法クラス生徒 敗北」
空間内に声が響く。これであとは24人、人数不利があるためまだまだ戦わなければ負ける。なぜだろう。
負けたくない。負けず嫌いだったのか、気づかなかったぜ。
可能性はある。スキルを活かせば勝てることがわかれば皆もやる気を出すだろう。
勝機がみえたが声が響く。
「9人 魔法クラス生徒 敗退」
のこり6人で戦わなければいけないのか。
これはきびしいな。焦りながらも敵を見つけるため
走り出す。
俺、東雲はスキルで魔法クラスを翻弄していた。
空気と位置を変える。
剣で敵を斬りまた入れ替える。
奴らは魔法で対抗してくるが無意味と化していた。
火や水は入れ替えで避けれるため魔法が当たらないのだ。心配するところとしては魔力がきれることだ。
スキルが使えなくなる前に仕留めるしかねえ。
相手は4人。勝負に出るしかないっ!
「真・斬」
斬撃をくらった魔法クラス4名は腹を切られ重症を
おった。申し訳ないが模擬戦だ。仕方ない。
「4名 魔法クラス生徒 敗退」
真・斬とは魔力を濃縮し固めてとばす斬撃である。
東雲家は昔から続く剣の家系であるため、剣技の
研究が続けられていた。そのため魔力と剣のハイブリッド技である真・斬がうまれたのだ。
あと20人かとりま疾風と合流だな。
「4名 魔法クラス生徒 敗退」
誰かが倒したのか。とりあえず剣クラスと合流したいな。だが魔力の回復をしなければ。
俺は地面に手を置いてスキルを使う。
「付与対象 魔力 範囲 500m 能力 俺の体内の魔力が消費された時自動的に範囲に存在する魔力で消費魔力を補填する」
このスキルは弱いと言ったが実際にはちがう。
対象は物質すべて。つまり魔力も自在に能力を付与できる。少ない魔力をカバーできるため強力である。
よし、これで魔力は大丈夫。剣クラスと合流を目指し
走り出した。
「3名 剣クラス 敗退」
残り3人しか残ってないのか。まずいな。
アレはまだ使うことはしたくないからな。
早く合流しなくちゃな。
「疾風ー大丈夫か?」
東雲が残っていたため俺と東雲と後一人か。
「ああ大丈夫だ」
とりあえず魔法クラスの人数を減らすことを目標に
東雲と並んで走り出す。
「疾風、ちょっと待て。」
言われたとおり止まると魔法クラスを発見した。
物陰に隠れて様子を疑う。
20人全員ではないが10数人はいると思われる。
「チャンスだな」
「ああ、作戦はどうする?」
作戦を話し合うと実行にうつす。うまくいくといいが。
「作戦開始っ」
「付与対象 空気 範囲 150m 能力 魔力吸収」
魔法クラスのやつらの魔力を吸収する。
そして東雲は真・斬であいつらを切っていく。
遠距離から飛んでくる斬撃に衝撃を受けているようだ。かわいそうに思いながら作戦を続ける。
「16名 魔法クラス 敗退」
16人もいたのか。驚きだな。
「なあ、東雲あいつら弱すぎないか?」
「俺らが強いだけさ、オレラガナッ」
「いや、個人戦レベルの強さが見られない」
「確かにな、もしかして魔力を一人に集めてるのか」
「可能性としてはな、もしかしたら災害級の威力の
ある魔法を使われるかもしれない。確実に負ける。
いや、死ぬ。空間の耐久力はわからないが下手したら
学校が吹き飛ぶ。」
俺は東雲に対処策を伝えながらホンメイをさがす。
「なんだありゃ」
空には膨大な魔力を帯びた魔法陣が浮かんでいた。
間違いなくあれは止めなければシぬ。
「東雲っ準備をしろ」
「アレを使うんだな、足止めはする、ただ期待
するな多分止められない。」
「死ぬ時は一緒だなハハハ」
ジョークをかますと東雲は顔をしかめた。
「頼んだぞ、まじでっ」
「付与対象 空間の魔力 範囲 空間全域 能力
魔力を無限に拡散させ収束させない」
だが魔法陣が閉じない。
なんでだ、スキルは発動したのに。
まさか....スキルで魔法陣が閉じないようしているのか、殺す気満々じゃないか、ふざけやがって死んだらどうするんだっ。
アレを使いたくないからスキルを使ったんだが、
使うしかなくなったようだな。
「東雲っ全速力で空間の端へ行けっ」
「了解ッ」
俺は詠唱を始める。
「我が魔法を真紅に染めし魔力よ、我の想いに応え
天に舞いし円環に輪廻の輪をもたらさん。
現在、過去、未来に希望の光を与えつつ
現界するは無限の吸収。漆黒に染まりし器を
数多の魔力で満たしたもう。我が杯に注ぎたる
魔力は大罪人に地獄をもたらさん」
「詠唱完了」
『フラク・カラキ・ボルケニカ』
発動と同時に空間内の魔力は全て俺の手の中に吸収
され、魔法陣は破壊された。魔力は無限の器に収められ俺の中に「モド」った。
空間は機能を失いその後パラパラと崩壊していった。
眠いです
夏休みサイコー
ついに主人公戦闘シーンですね
これからの展開は戦いが多くなっていく予定です。
剣クラスの残り1人は今後にお楽しみを。




