道のり2
「憂鬱」今の俺にはこんな言葉が似あうだろう。
現在、クライルを旅立って3日目である。
魔物も人もいないし周りは殺風景だ。ただただ歩くだけの作業。
スキルで移動時間を削減しようと試みたがやはり能力の設定が難しい。
俺のスキルは汎用性の高いものであるが限界は存在する。何でもできると思っていたら大間違い。
初日に使ったスキルは使わないでおこうと決めていたため歩いているのだ。
まあ歩いていてもあの魔族が近づいてこない可能性はゼロではないのだが。
どこまで歩いてきたかわからない以上食糧が持つかどうか心配ではある。
食事を節約してこなかった過去の自分にガツンと渇を入れたい気分でもあるが。
早くついてほしいと考えながらスキルで生成した生ぬるい水を飲む俺であった。
現在は4日目だ。
昨日は特に変なこともなく寝床につくことができた。
このままアリスカラまで何もないことを祈ろう。
現在、食糧難に陥っている俺はとにかく水で腹を膨らましていた。
ああ、早くこの殺風景な砂漠から抜け出したいなあ、こうして俺は昨日と同じ流れを繰り返した。
現在、5日目だ。
デジャヴではないが昨日とほぼ同じところをさまよっている。
もう少し食糧を持ってくるべきだった。背中と腹がくっつきそうというのは
比喩ではあるが本当にそのような感覚である。
ああ、おなか減ったなあ。よく歩き続けられてるなと思いつつも俺は歩き続ける。
現在、6日目だ。
本当にきつい。魔族に腕を持ってかれたときレベルの死を覚悟している俺は歩き続けている。
ところが見えている景色はこれまでとは確実に違っていた。
そう、草木が生えているのである。まああと10kmほど先にあると思われるが。
スキルにより視力が信じられないほど底上げされている俺は緑を発見したのだ。
これがいわゆる蜃気楼ではないということは俺がスキルによって証明しただろう。
昨日から頭痛がするのは食事をまともに取れていないからである。
フラフラと歩いていた俺にも希望が見えたため歩く速度を上げた俺は緑の見えるところまで一直線。
ついに脱出した、あの殺風景な砂漠から!
心を躍らせながら俺はよく考える。まだナスラクの国境まで距離があるのは変わらない。
そして地面に草は生えているが食べられそうなものはない。
この草を食べるしかないのか…この雑草を…まあ食べないで餓死するよりはマシだろう。
俺は明らかに食べられなさそうな色をした草を避けながら緑黄色の雑草を手で抜き
水で土を落とす。食事を普通にとっていれば食べないものでも今はおいしそうに感じてきた。
うん、末期だな。
俺は雑草を口にほおばる。青臭いうえに苦みもある。しかし、おいしく感じる。
ほのかにうまみのある雑草は空腹の俺にとってはご馳走に…なわけないのだが、腹は膨れる。
同じような草をさらに食べると俺はまた歩き出した。
現在、7日目だ。
昨日は結局食事は雑草のみだった。
今日こそは食べられそうな果実のなった木を見つける!と意気込んだ俺は
草原を歩く。ちらほらと木は見えるが食べれそうな果実のある木は見当たらない…
しかしついに見つける。赤く実った丸みを帯びた果実を。
そう、リンゴだ。俺はそのリンゴをある分だけ摘んで木陰に座る。
ああ、ついにきた。この時が。
リンゴをかじると口の中に甘みが広がる。雑草を食べていた昨日からはうってかわって
今リンゴを食べている俺は幸せを感じる。
命の喜びをかみしめたのち俺は再び歩き出した。
現在、8日目だ。
そしてナスラクの国境がみえてくる。
俺は少し速く歩いて国境まで向かった。
入国審査という名のふるいを見事通過した俺はナスラクへ入国した。
今日残り半日は探検という名の観光へ向かうことにした俺は宿に荷物を置き市場へ向かった。
とにかく食事がとりたい!まともな食事が!
とりあえず適当に店に入り食事をとろう。
涙が出そうなほどおいしかった昼食を済ませ俺は店を出た。
とりあえず市場の品を見てみることにするか。
夏休みもうすくない。
かなしいです。
今回は平和なはなしです。
へいわはだいじですからね!




