5-3
東ルートから『クリフォト』の攻略を任されたファルコ、リク、シオンの3人は、高層ビルが整然と立ち並ぶ第4層『アクゼリュス』に足を踏み入れていた。
そこは奇妙な空間だった。
高級マンションや商業ビル、美しく整備されたハイウェイ、さらには人工の森林やせせらぎまで完備された完璧な住環境。しかし、そこには決定的に何かが欠落していた。
人の気配だ。生活音が一切しない。ショーウィンドウには最新の商品が並んでいるが、それを眺める客もいない。まるで映画のセットか、あるいは誰にも見られないために作られた箱庭のような、不気味な虚構感が漂っていた。
「……気持ち悪い街ね。綺麗すぎて吐き気がするわ」
シオンが自分の二の腕をさする。その静寂を破るように、低い駆動音が空気を震わせた。
「おっと、噂をすれば奴さん達からおいでなすった」
ファルコが足を止めて空を仰ぐ。
ビルの谷間から、陽光を遮るように漆黒のVTOLが姿を現した。
無音に近いステルス機動で気配無く現れたその底面ハッチが開き、黒い塊が次々と降下してくる。アスファルトに着地すると同時に重厚な金属音を響かせたのは、6機の漆黒の『アームドスケルトン』。そして、それを先導するように展開した『アームドスーツ』を纏った12人の精鋭兵士たち。
その威圧感は、明らかに通常のホークアイ隊員たちとは一線を画していた。
ホークアイ『機甲1課』。
「来たわね――『死神部隊』」
シオンの頬を冷たい汗が伝う。
スカーレットを死の淵まで追いやった因縁の相手だ。
「ターゲットを確認。排除する」
隊長のシュナイドが、感情の一切を削ぎ落とした無機質な声で告げる。
一斉に向けられる銃口。絶望的な戦力差。
だが、その殺気を受け流す男が一人居た。
「よし、探す手間が省けた」
リクは涼しい顔で、腰の『雷切』の柄に手を添えた。
その瞳には、獲物を前にした猛獣ごとき歓喜の稲妻が宿っていた。
Ø
一方、西側ルートを進むイーグラ、ヴァン、フローネも、生命維持プラント『キムラヌート』に到達していた。
空へと屹立する白亜のビル群。それらは『ダアト』内の水道や空気の循環浄化、重力制御や温度調整を一手に担う、この宇宙都市の心臓部だ。
しかし穢のない通路を進む一行の足が、不意に止まる。
「複数のドメイン反応があります。……人のものと、マキナのものです」
フローネの声がわずかに強張っていた。
直後、大通りの向こうから地響きと共に複数の人影が猛スピードで迫ってくる。獣のような咆哮、常人離れした跳躍。
「オルトの兵士……『ビースト・トルーパー』ってヤツらか」
ライオン系のオルトであるヴァンが眉を顰める。
現れたのは武装したオルトの兵士たちだった。剛腕、角、翼など、オルト特有の肉体的な特徴を持つ彼らだが、その様子は明らかに異常だった。全員が一様に、顔の上半分を覆うバイザー型のヘッドギアを装着され、涎を垂らしながら焦点の合わない目でこちらを睨んでいる。
「見たところあのヘッドギアで意識を奪われ、操り人形にされているようですね。兵士としての誇りも奪い、ただの殺戮兵器として……とてもひどい」
フローネが痛ましげに呟く。
「全く胸糞悪いね。それにマキナ部隊『アイアン・メイデン』まで来たもんだ」
イーグラの視線の先、『ビースト・トルーパー』とは反対方向から、整列した足音と共にマキナの兵隊が現れる。銀色のボディスーツに身を包んだ女性型のマキナたち。
「なんかロボットみてーな動きだな。こいつらも意識とか感情とか抑えられてるみたいだしマキナってよりドールの方が近いんじゃねぇか?」
「だろうね。人間不信のあの"坊や"らしい悪趣味さだよ」
「イーグラ一等将、ネットワークを特定しました。『アィーアツブス』と『ケムダー』に跨る巨大プラントから発せられている信号で彼らを制御しているようです。そしてその深奥にはアーチボルド、コーネリアス、バルサザールの一等将3名も居ることを監視カメラのハッキングで確認しました。どうやらファルコ二等官たちが真っ先に『ホークアイ最高司令部』へ来ることを想定してこちらに避難していたようです」
「でかした。つまりその発信源を潰せばこいつらは無力化できるわけだね」
「なら決まりだろ。あの"3匹の糞豚"を狩るのにも都合がいいしさっさと行こうぜ」
「待ちな。それこそ奴らの思う壺だ。敵は『ホークアイ』だけじゃないんだよ。奴らのバックに居る『オウルオーニング』や『AXZ機関』を潰すことが最優先事項だってのを忘れたのかい? アタシたち全員が真っ先に『ホークアイ』を潰しに行けば目の前のこいつらはアタシたちの相手をするのをやめて『クリフォト』に向かい、『パンクロウラーズ』を存分に叩き潰せる。そうなったら"詰み"だ」
「じゃあどうすんだよ」
「アタシがひとりで豚共を狩りに行く」
「危険です一等将。『機甲1課・死神部隊』が二等官たちと交戦していますが、残りの機甲1課の隊員や多数の兵器、トラップであの3人は身の回りを固めている筈です」
「そんなことわかってるさフローネ。確実にとっておきの"切札"を隠し持っているだろうね。だからこそあいつらの手の内をよく知っているアタシが行くしかないんだろう」
イーグラは軍帽の鍔を直し、マントを翻す。
「――というわけだ、頼んだよアンタたち」
「全く無茶言ってくれるぜ――了解!」
「こちらも了解しました、ご武運を!」
ふたりに敬礼を返し、黒い影となったイーグラは真っ直ぐ、最高司令部が存在する『ホークアイ』の本部ビルへ向かう。
Ø
そして、中央ルート。
漆黒のクリフォトタワーへの侵入を阻む巨大なゲートの前でパンクロウラーズの3人は多数の白いローブを纏ったAXZ機関の信徒たちに包囲されていた。
「次から次へとひっきりなしに出てくるねこのNEXASの人たち」
「AXZ機関の信徒たちがこんなに多く存在したのは驚きだね。一体どうやって集めてるのやら」
「ところでルナー? ハッキングできそうー?」
「……今やってる。もう少しで突破できるから待ってて」
ルナはゲートのシステムをハッキングしながら信徒たちの攻撃を『ファミリア』で片手間に凌ぐ。
「素直に引き下がってくれると助かるんだけど――ね!」
セレンが『メテオストリー厶』の空砲で次々に信徒たちをノックダウンさせ、ニコも非殺傷レベルに出力を下げた『ネコマタ』のガトリングでまとめて薙ぎ払う。
「……空いたよー」
遂にルナのハッキングが完了し、ゲートが開く。
「よし、中に入ろう!」
「助かったよルナ!」
急いで3人はゲートの中に入り、信徒たちも追うが、ルナの操作ですぐにゲートは閉ざされ、信徒たちはパンクロウラーズを逃してしまう。
「……ここが『クリフォト』。暗くてよく見えないけど大分広いね」
視界を埋め尽くすのは、漆黒の闇と、それを切り裂く無機質な蒼いNEØNの光だ。
巨大な吹き抜けの底ではZPEプラントが青白い光を放ち、遥か上空まで続く螺旋階段を逆光で照らし出している。
重力を無視して浮遊する無数のキューブと、誰も乗っていないエレベーターの駆動音だけが、この巨大な神殿が稼働していることを告げていた。
壁面全体、そして螺旋を描いて壁沿いに伸びる通路の床には、幾何学模様のNEØN回路が走っている。
それはまるで電子の神経網か、あるいは巨人の血管のようだ。
淡い蒼青色の光は一定のリズムで明滅し、静寂なタワー全体が、あたかも一つの巨大な生き物として呼吸しているかのような錯覚を抱かせる。
「この先にユニが居るんだね。早く行こう!」
彼女たちが居るのは第1層目の『シェリダー』。ユニが捕らわれている最上層はまだ遥か上だ。
「待ってニコ。焦りは禁物だ。何か罠が待ち受けてるかもしれないだろう」
「わかってるけど――って、ふたりとも危ないっ!」
ニコが叫び、反射的に二人を突き飛ばす。
直後、彼女たちが居た場所を不可視の衝撃波が貫き、床を粉砕した。
「……いきなり不意打ち!?」
「助かった、ニコ」
「ほう。まさか今の攻撃を回避するとは。その野良猫のような危機察知能力だけは褒めておこうか」
頭上から降ってくる、粘着質な声。
ニコたちは一斉に見上げる。
「ヴェルナー……!」
ニコは宿敵の名を憎々しげに吐き捨てた。
重力制御技術を利用しているのか、それとも簡単な手品か、吹き抜けの虚空に浮遊し、侮蔑の眼差しで見下ろしていたのはヴェルナーだった。
「彼女を救いに、わざわざこの『ダアト』まで来るなんて健気なことだ。まるで魔王に攫われた姫を救いに来た勇者のような冒険譚じゃないか」
「アンタなんか小物に時間を割いてる暇はないの。さっさと私たちの前から消えて!」
「やれやれ、身の程を弁えて欲しいものだ。貴重な時間を割いているのはこちらだというのに」
ヴェルナーは肩をすくめる。
「オウルオーニングの私設武装組織の『ビースト・トルーパー』も『アイアン・メイデン』も、頼みの綱の機甲1課も執行0課が対応している。つまりNEXASでもない貴方の手札はもう無いはずだ」
セレンが冷静に指摘し、『メテオストリーム』の銃口を向ける。
だが、ヴェルナーは余裕の笑みを崩さない。それどころか、憐れむように鼻で笑った。
「私の手札がないだと? ……この力を見てもなお、そう言えるかな?」
ヴェルナーが指を鳴らす。
ズズズ、と不気味な地鳴りのような音とともに天井のゲートが開いた。
「……何? あの巨大な『アームドスケルトン』」
ルナが一歩後ずさる。
上空からゆっくりと降下し、ヴェルナーの背後に停止したのは、全長20メートルに及ぶ異形の『アームドスケルトン』だった。
手足を持つ人型ではない。それは卵のように滑らかな純白の装甲で統一された、巨大な楕円球体。そこから展開された3対の翼は、生き血のように赤いNEØNを噴出し、周囲一帯の空間を不気味なドメインで支配していた。神々しくも、吐き気を催すほどに冒涜的な姿。
「私がこれまでに"捕獲"したNEXAS……その12人の脳髄を生きたまま摘出し、生体CPUとして並列処理で組み込んだ決戦兵器『セラフィム』だ」
ヴェルナーの告白に、戦慄が走る。
「狂っているよヴェルナー……貴様はただの狂人だ」
「……あんな奴のために、彼らは生きたまま部品にされたっていうの……許せない」
「アンタ、人の命を何だと思ってるの!?」
激昂するニコたち。だが、ヴェルナーはその怒りすらも心地よさそうに受け止めた。
「私の養分だ。彼らは光栄に思うべきだよ。こうして私の糧となり、世界を統べる神の一部となることで、その無意味な命に初めて価値が生まれたのだからな」
ヴァルチャーヴォーテックスのボス・ザインの言葉がニコたちの脳裏をよぎり、怖気を感じる。
ヴェルナーは高級スーツの上着を脱ぎ捨てた。
鍛え上げられた上半身を晒し、悠然と『セラフィム』の中枢ユニットへと歩み寄るとそのまま吸い込まれるようにコクピットに乗り込み、無数の制御ケーブルを自身の肉体に直接接続していく。 人の尊厳を踏みにじった力の結晶と、自身の神経をリンクさせる。
「ハハハハッ! 見える……私にもNEØNが、AuraNETが、ドメインが見えるぞ! これが選ばれし者の視界か!」
狂喜の叫びと共に、『セラフィム』の赤い翼が大きく羽ばたいた。
ニコは歯が砕けかねないほど奥歯を噛み締め、怒りの炎を瞳に宿して叫んだ。
「アンタは絶対に許さない……アタシたちパンクロウラーズが、その腐った野望ごと必ずぶっ倒してやる!」
Ø
満月が浮かぶ夜空の下の『CLOUD』。
世界を貫く巨塔『セフィロト』の根元、かつては厳重な警備によって隔絶されていた上級市民と下級市民の境界線で、怒号の渦が巻き起こっていた。
「俺達に避難場所を明け渡せ!」
「オウルオーニングを倒せ!」
「俺たちから搾取した金で空の上に住む奴らを引きずり下ろせ!」
それは長年虐げられてきた下層市民たちの鬱積した怒りの爆発だった。
数万におよぶ群衆が暴徒と化し、その矛先は企業だけでなく、上層に住む特権階級の市民へも向けられていた。
対する治安維持組織『ホークアイ』は、指揮系統である一等将や二等官たちが不在、あるいは機能停止しているため、現場は混乱を極めていた。
「くそっ、本部からの命令はどうなっているんだ!」
「発砲許可が出ていません! これ以上は抑えきれません!」
盾を構える隊列が、怒れる民衆の波に押され、ついにバリケードが決壊する。
雪崩れ込む暴徒たち。虐殺が始まるかと思われた、その時だった。
「――ッ!」
空間が裂け、ブロックノイズとグリッチとともにその内側から黒結晶の怪物が産声を上げる。
現れたのは、市民の怒りに引き寄せられたかのようなNO-IDの大群だった。通常見かけるタイプとは異なる、更に異形へと変貌した怪物が爪を振るい、先頭にいた市民やホークアイの隊員を吹き飛ばす。
「ひっ、NO-IDだ!」
「逃げろ!」
怒号は瞬く間に悲鳴へと変わり、パニックが伝染する。
逃げ惑う人々を背後から襲う牙。だが、その牙が肉に食い込む寸前、真紅の閃光が怪物を弾き飛ばした。
「――全く、どいつもこいつも騒がしいったらありゃしないわね!」
包帯を巻いた体を引きずりながらも、凛と立ち塞がったのはスカーレットだった。彼女に続き、ジャック、コットン、レトリー、そしてマオやワンといった街のNEXASたちが次々と戦線に加わる。
「スカーレットさん……!」
暴動に加わっていた若い男が彼女の名前を呼ぶ。
「アンタたち、よく聞きなさい! 今アンタたちが憎んで殴りかかろうとしているのは誰? 眼の前の人間? 違うでしょう!」
スカーレットの声が戦場に響き渡る。
「本当の敵は、私たちを分断し、こうして化け物の餌にしようとしている理不尽そのものよ! 武器を持つなら家族や恋人、友達、隣人を守るために持ちなさい! 叫ぶなら明日を生きるために叫びなさい!」
「よく言った! その腹の据わった姐さんの言うとおりさね」
「こういう時こそ結束して脅威に立ち向かうことが必要よ。憎しみに支配されたら何も救えないわ」
するとスカーレットたちの背後から『小夜啼組』を率いるオウカと『ストークファミリー』を率いるリリアが現れた。
彼女たちは合図を送ると、部下たちは一斉に動き出し、次々とNO-IDを狩っていく。
「こうしてお月様の下で思う存分に暴れるのは最高だな!」
リュウエンは獰猛に笑いながら偃月刀『逆鱗戟』で次々にNO-IDを切り裂く。
「おい野蛮人め。そこの可憐なお嬢さんが怖がって泣いているだろう。もっと優雅に戦えないのか貴様は」
執事・コルニスも巨大なランス『ホワイトホーン』を華麗に操り、神速の刺突で次々にNO-IDを貫く。
「『小夜啼組』には優雅さが足りませんわね」
メイドのライカは2丁のライフル『シルバーサービス』で複数のNO-IDの胸や頭を貫きながら華麗に一礼する。
「あんなガサツな男と一緒にしないで欲しいでござるな、ライカ殿」
どこからかホオズキの声が発せられ、影から現れた巨大な手裏剣『黒風花』が弧を描き、その軌道上に存在した2体のNO-IDの首を一気に落とし、更に途中で花弁をなす8本のクナイ『黒風』に分離すると張り巡らされた単分子ワイヤーを滑るクナイが更に2体のNO-IDを切り刻み、影からぬるりと姿を現したホオズキが再度合体した『黒風花』をキャッチする。
「みなさん喧嘩はよしてください。神の裁きが下りますよ」
「まったくお祭りのつもりなんですかね皆さん」
シスター・ミエルと巫女・クオンが呆れつつ十字架型の槍『セントクロス』と大弓『不知火』で同時に1体ずつNO-IDを撃破する。
「まだまだ数は多いよアンタたち! 『小夜啼組』の意地を見せな!」
「『ストークファミリー』のプライドを賭けて必ず犠牲を食い止めなさい」
オウカの対の鉄扇『金翅炎舞』から炎がうねって飲み込んだNO-IDを焼き尽くし、リリアの霊柩『ブラック・ブラッド』から溢れた"血"が無数の槍のを形成してNO-IDたちに雨のように降り注ぐ。
「流石イーグラ隊長のご友人方だけあって頼もしい限りね」
「我々も負けていられませんねマスター」
スカーレットがライトマシンガン2丁で次々にNO-IDを蜂の巣にし、レトリーも二丁拳銃で次々にNO-IDにヘッドショットを決める。
「久々の仕事だ、ド派手にいくぜマオ!」
「あいよご主人!」
ワンが巨大なバズーカ砲を発射し、マオも両手に抱えた溢れんばかりの手榴弾を気前よく投げつける。盛大な爆発が生じ、NO-IDたちは木っ端微塵に吹き飛ぶ。
「ったく怪我人の手当で忙しいってのに戦闘までしなきゃならんとはな」
負傷した市民やホークアイ隊員の手当をしつつジャックはアサルトライフルで背後から近寄ってきたNO-IDの頭部を冷静に吹き飛ばす。
「皆さん軽傷なのは不幸中の幸いでしょうか――っと」
コットンも同様に左手のマークスマンライフルでNO-IDたちを倒しつつ右手で起用に怪我人の手当を行う。
「じゃあこの戦いが無事終わったらウチの店で祝杯をあげましょうか」
「マスター、それは死亡フラグです」
「んもー! 縁起でもないことを言わないの! それに"マスター"はおよし!」
スカーレットはキレつつ、新たに出現した大型NO-IDに対峙した。
「……」
彼女たちの言葉と戦う姿は、恐怖と怒りで盲目になっていた人々の目に理性の光を取り戻させた。そして、心を打たれたのは市民だけではなかった。
「……そうだ。俺たちは、何のためにこのバッジをつけたんだ」
最前線で盾を構えていたホークアイの小隊長が呟く。
彼は市民に銃口を向けるのをやめ、自身の制服の上着――組織への忠誠の証であるジャケットを脱ぎ捨て、地面に叩きつけた。
「隊長……?」
「腐った上層部の命令なんぞ知ったことか! 俺たちの任務は市民を守ることだ! 野郎ども、構えろ! NO-IDを一匹たりとも通すな!」
「「「……サー! イエッサー!」」」
その叫びに呼応し、隊員たちが次々と上着を脱ぎ捨てる。
かつて敵対していた市民とホークアイ、そしてNEXAS。立場を超えた者たちが背中を合わせ、真の敵であるNO-IDの群れへと立ち向かい始めた。




