↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡ぎ紡がれこの店で  作者: かずや


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
94/182

初めてのライブハウス開幕

 ——日曜日

 ライブハウス「スパイスボックス」にて鹿島さんのバンド「アントガールズ」がライブをする。

 沢山居る内の一バンドだが、やはり楽しみになるし練習は見たが本番はどんな環境になるのか気になる。

 ライブハウスの開場は十四時からで出番は十五時くらいだと連絡はあった。

 移動の時間もあり自分のバイトも絡むので気を付けないといけない。

 午前中は課題に費やし午後からは時間までのんびり過ごす、そう言えば福羽は差し入れ用意担当だがどうしたんだろう?

 念の為メッセージは送ったが既読が付かない。

 割とリアクションが早いタイプなだけに、何かあったのかと心配になる。

 今回は待ち合わせもしてないので、直接ライブハウス開場に合わせて行くのだが緊張が増してくる。

 漫画やアニメでしかライブハウスを知らない、一度アントガールズの練習で訪れたが関係者みたいな位置付けだったし、何か作法とかルールとかあるのかと考えてしまう。

 ピコン

 悩んでいるとスマホが鳴った。

 福羽からだ……

「ちょっと差し入れ用意に手間取ってるから開場時間に入り口居なくても、気にせず入っててくれ」

 更に緊張を高めるメッセージだ。

 なかなか一人で初ライブハウスのあの扉を開けるってハードルが高い。

 だがもう悩める時間も少ない、そろそろ出とくかとショルダーバックだけ掛けて家を出た。


 行きの電車では鹿島さんからバンドの皆と写る画像が送られてくる。

「リハ頑張るから楽しんでよ!アントガールズ一同!」

 のメッセージと共に。

 こうして見ると幼馴染四人で高校生バンドやれる程、仲が続くのも凄いなと思う。

 本当に同い年か?

 それに加えてピアノも習い事として別に活動して学年三位の成績で……

 本当に……同い年なんだろうか?

 鹿島さんのバイタリティに改めて畏怖する。

 しかし、何故クラス内ではバンド活動を隠す素振りを見せるのか謎は感じる。

 その中で自分と福羽だけに明かして招待まで。

 普通がわからないが、沢山来てもらう為に宣伝するもんじゃないのだろうか。

 鹿島さん本人の意向か、アントガールズとして皆の意向か。

 そうこうしていると駅に着く、時間は開場時間には着けるだろう。

 前回通った道を歩いていく、今日は一人で少し心細い。

 角を曲がった先に地下へ向かう外階段が見える、そして独特のデザイン化された「スパイスボックス」の看板。

 階段まで近くなるとお客さんであろう人達が列を成している、意外と多い。

 開場まで五分を切ったところで扉が開いた、店長のサトルさんが見えた。

 ある程度人数を把握する為だろう、行列人数を確認していって店に戻って行ってしまった。

 少し待つと入口の看板や周りの装飾がライトアップされた、開場のようだ。ゾロゾロと待っていた人達はライブハウスに吸い込まれて行く。

 その波に乗るように自分も入り込む。

 一歩入っただけで前回と雰囲気がまるで違った、薄暗さの中に眩いライトが映え観客の熱を感じる。

「おぉ、暑い……」

 嫌な暑さではない、暑い?熱い?熱気が高まっていってる。

 あまりボーッとは出来ない、行列の中だから流れが止まって迷惑になる。

 何人か前の人の動きを参考に、チケットを買ってドリンクをオーダー、受け取りフロアに詰めて行く。

 どうやらそんな流れだ。

 チケットを買って、ドリンクカウンターに行って……

「お、確か柊君だったな?鹿島ちゃんの友達の」

 店長のサトルさんがカウンター越しに話しかけて来てくれた、一度会っただけで、しかも人が沢山なのに覚えているのが凄い。

「ようこそ初ライブハウス、スパイスボックスへ。ほら飲み物は何にする?お酒は出せないよ?」

 揶揄われながらコーラをオーダー。

 サクッと出てきた。

「楽しみなよ!フロアに向かいな一番手が出るから」

 サトルさんはヒラヒラと手を振り笑顔で送り出してくれた。

 コーラを片手にステージに近づく、あらかた行列も入り切って人が密集している。

「凄いな……あっつ」

 既に汗が出そうだが、室温の上昇と言うより観客の熱気の塊がストーブみたいに感じる。


 キィィン

 機材のハウリング音が少し響いて、観客はピタリと静まった。

 フッと照明が落ちスポットライトだけがステージを照らす、そこに最初のバンドが手を振りながら登場。

 各々が楽器を持って何かメンバー同士で確認している。

 チッチッとカウントが入り静寂から一気に花火が咲く様に演奏が始まる

 

 観客も合わせて手を挙げ、一瞬の静寂が嘘みたいに破られ初めてのライブハウスが開幕した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。