同い年とは思えない
「あ!柊君と福羽君来てたんだ!」
演奏を終えた鹿島さんが、こちらに気付いて手を振る。
「詩華、友達?」
「言ってたクラスメイトの友達ね、良いとこ見せましょ」
「良い音聴かすでしょ、ほら次行くよ!」
ドラムのスティックカウントでバッと演奏体制に入るバンド。ガールズバンドと聞いてはいたが、可愛いよりクールよりなカッコいいイメージだ。
「あの子達は演奏技術に焦点置いてるから聴き応えあるわよ、ラッキーね」
サトルさんが耳打ちしてくれる。
ドラムがリズムを作りベースボーカルと言うのか歌いながらベースを載せる、ギターとキーボードが演奏に華を添えて美しさが出る。
(凄い……同い年のクラスメイトだよな?鹿島さん……)
自分から見てる鹿島さんは普段穏やかにほわほわしたイメージだ、でもステージで演奏する姿は楽しんでるのは勿論命を吹き込む勢いを感じられ、圧倒される。
バンドメンバー全員がそうなのか演奏に見えない力が感じるのだ。
二曲目が終わりステージ中央に集まりメンバーが話し合っている。
「何してるんだ?」
「さあ?何かあったのかな?」
「アレはあの子達の中で違和感あったから修正してるんだよ」
サトルさんはニコニコしながら言う。
「今日は練習のステージ貸しだからギリギリまで詰めてくんだよ、来週本番だから」
「え?詩華ちゃん来週が本番なんすか?」
「そうだよ、ここでね。学校始まるから最終合同練習だね。」
「ふぇ〜そりゃ気合い入るわ……俺達呼んで良かったのかな?」
福羽の感想はもっともだ、もう来てるからどうしようもないのだが。
ステージの四人は位置に戻り、先程の曲をリクエストしている。音響や照明とも連携しているようだ。
「凄いな……」
思わず呟く、そして自分はこの感覚に何故か覚えがある。
答えが出る前に先程の二曲目を再演し出した。
正直細かな違いまではわからない、だが再演された方がよりバンドの一体感を感じた。
そのままの流れで違う曲が始まる、今度は綺麗なバラード曲なのかスローテンポに変わり各自演奏に集中している。
今回は演奏のみなのか歌は無い、ギターとキーボードが全面に押し出されクラッシックのような雰囲気になる。
「なあ柊、同じメンバーで演奏してると思えないよな……サトルさん、彼女達こんな感じでやるんですか?」
「そうだよ、彼女達元々クラッシックやジャズから来てるからね。歌物はやってみたかったってぐらいでこれが本家なんだよ」
それを聞いて納得した、素人でも聴き入る音の波だ。
「珍しいスタイルだけど実力派だからね、結構ファンも居るんだよ?」
「ふぇ〜詩華ちゃんすげぇな」
聴き惚れていると演奏は終了しメンバーはお辞儀をした。
そしてこっちに走ってきた。




