姉の野望
腕組みをしながら掛けてないメガネを掛けてるようにクイクイ上下させてる姉はそんな小芝居しながら
「ふっふっふこれまでは良くてもこれからは店舗拡大を目標につむぎ亭の魅力を広げていかなければいけない時代に来てるのよ!むしろ何もしてない事に遅れすら感じてるわ!」
どこかのなんか偉い会社社長みたいな事を言いだした
しかしそう思いつつも姉の目は本気さが伺える
「そもそもなんでそんなこと考えてたの?」
「私は昔から歯痒かったのよ父さん達が頑張って美味しい料理に質の高い接客を安定させてるのに今の店だけじゃキャパが決まってる事に」
確かに良い物があっても飲食店としてのキャパシティは店の大きさや人のレベルで限界値がある
そして長年側で見てても大概満席から外に並ぶ程ではある
「そこでもう一つ店があればキャパは増え店を知って貰える範囲広がり分散も出来る!それが私の描く未来よ」
姉の想いはまあまあ分かるが具体的にどうするつもりなんだろう
店が二つになるとしたらもう一つを支える人材も費用も要る話だ
「姉ちゃん...父さんと母さんにこの話は?」
「これからよ」
「なんでまたいきなり話し出したのさ」
「今日遊びに行ってた友達と話してたらウチの話になってね、並んででも食べたいけどもう一店出さないのって聞かれてる内に火が付いてきたのよ」
これはその場の勢いでテンション上がってしまい姉の悪いクセが相まってしまったな
そう考え遠くを見る、とにかく大事な話ではあるし勢いだけでなんとかはならないだろう
「姉ちゃんの想いは充分にわかったけど父さん母さんにも聞かないと...ね?」
「勿論わかってるわよ、でもねもう一つきっかけはあるのよ」
「きっかけ?まだあんの?」
「あんたが十六歳になるまで待ってたんだから」
トリガーは自分が十六歳になる時だったらしい恐ろしい
そこからの姉マシンガンは止まらず先に帰ってきた母に制服着替えてない事に呆れられながら解放され自室に辿り着いた時には一日の疲れに襲われベットに倒れ込んだ
「店の未来か」
考えなかったと言えば嘘になるが自身のこれからも考えなければいけない時期が来る
今日は頭を使いすぎた事に比例するよう眠気が訪れ意識は奥底に沈んでいった




