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紡ぎ紡がれこの店で  作者: かずや


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日々を淡々と、そしてお墓参り

 鹿島宅で行われた課題会から数日、大きな予定は無いものの教わったスケジュールの動き方に沿って課題にバイトとこなしている。

 バイトはまだ洗い場ながらも動きが安定して見えてきた気がする。父からも「そろそろ中を教えてやれるかな」と言われている。

 そんなある日、母から呼ばれてリビングに居た。

「優斗、今年のお盆は空けておいてね」

 特に毎年友達との予定は無かったのだが店も盆休みに入るし、大型の商業施設や観光地でも無い限り静かに過ごす期間だろう。

「どうしたの?特に今は予定ないけど」

「お墓参りに行くのよ、皆でね…あなたのお父さんお母さんのお墓に」

 そうか、お盆と言えばそうなるかと納得できる。

 ただ気になった事がある。

「毎年じゃないけど何度かお墓参りしてるよね?」

「いいえ、優斗のお父さんお母さんのお墓にあなたは行ってないわ」

「え?」

「この十六年はお父さんと私で行ってたけどね、優斗にはもう打ち明けたし報告しに行かなきゃだもの」

 そうだったのか、じゃあ誰の墓参りに行ってたんだ?

「あなたが連れられて行ってたのは私側の家系の方ね、ややこしいけど私の父と母が入ってて優斗から見ると血縁では無いのよ」

 母の両親なら祖父母…いや自分の立場から見たら関係が無いのか?となると血の繋がる姉からは祖父母になって、父側の方で考えると父の両親は本当の母の両親でもあるから…ん?本当の母さんは本当の父さん側の墓に入ってたら?…わ、わからん

「うん、こんがらがってきた」

「まあそうよね、まあ日数分けてそれぞれが眠るお墓参りに行くと思えば良いわよ、だから予定空けといてね」

「うん、わかったよ」

 これまでは考えることも無かった家系図も実際の自分に当てると、ややこしい事も出てくる。

 今回のような墓参りも誰の墓参りでどこに行ってるかがややこしい。

 まあ現実で生きてる内は、柊家は今の四人家族でそれ以上も以下も無いと言えばそうなのだが。

 自分の認識は両親は両親、姉は姉。

 実際の戸籍上では叔父叔母、従姉妹と説明は出来るが特に説明する機会も無いだろう。

 少なくとも十六歳までは何も不便も無かったし、そもそも知らなかったのだから。

 社会人になれば何かの影響はあるかもしれないが…イメージも湧かない。

「うーん、まあ…生きてくのに関係は無いか」

 そう呟いて今日分の課題を進め出した。


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