課題会の終わりに
最終時間は鹿島さんが総合して、男二人が今後躓きそうな科目と得意科目のバランスを考慮しながら夏休み中の計画立てから始まった。
「自分が集中できる物と使う時間、それに絶対に動けない時間を組み合わせて見える化しとくのって都合付けやすくなるのよ〜」
パラっと鹿島さんが自分のスケジュール帳を見せてくれた、色分けも最小限で文もその日のタスクタイトルぐらい。正直女の子らしくないシンプルで機能的な印象を受けた。
「詩華ちゃん凄いシンプルにまとめてるんだな」
「だって書き込むのは大事だけど目的はそこじゃないからね、予定を立ててこなして初めて意味が出るから」
無計画に手当たり次第空き時間で課題を埋めてた自分を怒りたくなるお言葉だ。
「お父さんの影響よね〜もうちょっとのんびりすれば良いのに〜」
「ちゃんと余裕持ってます〜」
詩織さんから見ても忙しくしてる娘に思う事があるんだろう、対して詩華さんはお母さんに心配要らないとアピールする。
「福羽も自分もそこまで詰めてない生活だから、やっぱり凄いと思うんだよな」
「そうだなぁ、俺なんかその日が始まって身を任せる生き方してるし学校があるから規則正しいだけで夏休みはな…」
「ふふ、課題とかは自由が効くから後回しになっちゃうよね」
互いに雑談を交えながらスケジュールを可視化した。基本の生活に当てはめバイトがある時ない時と浮き出たスケジュールに課題を詰めれば夏休み中に全然終わりそうだ。
もちろん遂行しての話だが…
「じゃあ今度は課題の優先順位付けちゃおう〜柊君は英語を最後に、福羽君は数学を最後に持ってきて」
「ん?最初じゃなくて?」
「そうそうなるべく得意な物から階段状に並べると良いよー」
自分にとって簡単な事から難しい事へ…
「ステップアップして勢い付けちゃうの、最初に躓くと別の物や意固地になって時間を使っちゃうからね」
「なるほどなぁ、柊と違う道になるわけだ」
「まあそうだが…」
「ちゃんとやれてれば出来てるとこを合わせて埋めれるでしょ?二人のタイプが違うからできるのよ」
鹿島さんの見据えてる所が想像の遥か先にある。そこに導けるよう整えてくれているのがよくわかる。
「詩華さんは先生に向いてそうだよね、凄いよ」
「俺も思った!わかりやすく教えるのもあるけどレールに乗せる?みたいな感じがありがたい!」
「そうかな?えへへ、さあ組み込めた?残りの時間はひたすら課題を進めるよ〜」
その後は三人でひたすらに課題を進めていく、途中わからなくなる事もあるが戻るポイントを始めに教わっているからか、調べて解決する力が付いてる。
本当に鹿島様々である。
ピピピピ…
本日最後のアラームが鳴り終了を告げる。
「ん〜結構前倒しで進んだね〜」
「いや本当実際二時間くらいしか課題やってないのに凄く進んだ」
「俺、明日以降も出来ちゃう気がしてる!詩華ちゃんありがとう!」
「二人のお手伝い出来て良かったよ〜」
ワン!
ロックも祝福してくれているようだ、短い足で福羽の背中をカサカサしている。
「おーロックもありがとうな〜可愛い可愛い!」
時刻は十六時を過ぎた頃、これにて課題会の解散となる。
しっかり使ったとこを片付けて家主にお礼を言う。
「詩華さん、詩織さん今日はありがとうございました」
「ありがとうございます!大変お邪魔しました!」
「うふふ、二人共また来てよね〜私もロックも楽しかったわ〜」
「お母さん、私外まで見送ってくるね!」
最後の挨拶を済ませて鹿島宅を後にする。
「柊君、福羽君困ったら連絡してねー!また遊ぼうねー!」
元気いっぱいに手を振り見送ってくれる鹿島さんに手を振り返しながら帰り道を歩いていく。
「いや〜課題会で学んだわ〜鹿島ちゃんやっぱ凄ぇよな〜!」
「ああ、本当にその場だけじゃなく今後に繋がるように教えてくれて感謝だよ」
「しかし忙しい中で俺達の為に作ってくれた時間だよな?申し訳ない気持ちが…」
「そうだな…何かお礼を考えよう」
「今度は相談しながらだな、またクッキー被ったらダメだし」
「そうだよ、何でピンポイントで被るんだよ…」
福羽と二人で今後を話しながら別れ道に差し掛かり、一人になる。
今日学べた事は課題だけじゃなく、色々活用するべきだな…と静かになった帰り道で思い返していた。




