クッキーブレイク
ピピピピ……
ここで二時間目が終わったようだ。
「鹿島ちゃん、今ノッてたけど流れ切るの?」
「うん、人間集中力の時間もあるけどリセットも大事だからね〜」
「そうね、本人が思う以上に疲弊しちゃうものよ〜と言う訳でクッキータイムよ〜私もご一緒よろしいかしら?」
どうやらクッキーを大皿に並べてくれていたようで、まさにクッキーパーティと呼んで良い量が綺麗に並べられている。
「すいません準備して頂いて」
「ありがとうございます鹿島ちゃんのお母さん!」
「うふふ、詩織で良いわよ〜」
「良くないよ〜私は名字呼びなのに〜」
「じゃあ今から詩華呼びと詩織呼びにして貰いましょうか?」
まあ確かに鹿島さんと呼べば二人反応しちゃうが…
「詩華ちゃん詩織さん何から食べますか!?詩華ちゃん作ったクッキーはどれですか!」
あっさり溶け込む福羽の適応力は見習いたいとこだ…
「あ、ロックが狙ってくるから気を付けてね」
チワワの小ささを活かして皆の隙間を狙うロック、この子もまた自由だなぁと撫でておく。
今回はオヤツタイムと言う事で一時間休憩となり、詩織さんも迎え談笑タイムとなる。
「あら、じゃあつむぎ亭のお子さんだったのね?あの時案内してくれた子だったのね〜詩華にせがまれて行かせて頂いたけど、本当に美味しかったわ〜特にあのビーフシチューが最高よ」
「あの日は福羽も臨時バイトやってくれてましたけど、忙しくて挨拶まで出来なくて申し訳ないです」
「何言ってるの、十周年イベントだったんでしょう?忙しくて良かったじゃないの〜」
鹿島親子が来て居たのは知っていたが挨拶までは出来なかった、時間経ってからだがこうしてあの日の事を知る方に褒められるのは嬉しい。
「え?じゃあビーフシチューのテイクアウトは泣く泣く終了だったんだ〜」
「そうそう、柊と柊のお姉さんの茜さん、そして俺でランチ頑張ったよなぁ〜」
「あぁ、とんでもなかったよな…今思い出しても身震いするよ」
話はビーフシチューの限定テイクアウトからビーフシチューその物に移り皆から質問される。
「柊君のお店でビーフシチューテイクアウト常設したら流行ると思うんだけどな〜ねぇ?お母さん?」
「そうよねぇ、私も色んな物を食べてきたけど本当につむぎ亭のは傑作だと思うわ〜今晩ビーフシチューにしましょうかしら、何か秘訣はあるのかしら?」
「柊と二人で泣きながら切ったタマネギがここまで言われると嬉しいよな」
「全くもってその通りだよ、父さんも一番仕込みに時間掛けてるしな。でも大事なレシピは一つしか教えてくれないんだよなぁ」
「あ、やっぱり聞いた事あるのか、何が入ってるんだ?」
「私も聞きたーい」
「私も是非聞いて晩御飯の参考にしたいわぁ」
「……父さん曰く…愛、だそうです」
全員から笑いが起こる。
「そりゃそうか、納得するわ」
「今自分がバイト入ってますので盗めるよう頑張ります」
まさか店のビーフシチューが話題になるとは思わなかったが和やかな空気のまま、アラームが鳴る。
「残念だけど最終時間始めなきゃね〜片したら追い込みましょうか〜」
「うふふ、また聞かせてね柊君」
「よーしリフレッシュしたし頑張るか!」
「ああ、せめて半分も行ければ夏休み楽になるな」
各々が片付けを始めて勉強スタイルにチェンジする。
今回課題会に参加して一番学べたのはオンオフをきっちり切り替える事かもしれない。
大きな収穫だなと思いながらお礼の意味を込めてロックを撫で回した。




