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紡ぎ紡がれこの店で  作者: かずや


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始めよう課題会

 さほど時間は掛からず鹿島さん宅へと到着した。

「…デカくね?」

 福羽が言葉を漏らす。

 そう、庭付きの大きな良いお宅なのだ。今にもゴールデンレトリバーとかが走って来そうな雰囲気がある。

「さあさあ暑いし入って入って〜あ、犬大丈夫?」

 やっぱり犬が飼われてるのか、「大丈夫だよ」と伝えてお邪魔する。

「お邪魔しまー…」

 トトトトッと軽やかに家の奥から犬が走りよって…顔に飛び込んできた!

「うわっ!」

「あ!コラやめなさいロック!」

「ハハハ!柊大丈夫か!」

 ロックと呼ばれた白黒の小さな塊が自分の顔を舐め回してくる。想像はゴールデンレトリバーだったが実物はチワワでありインパクトよりも小回り重視のようだ。

 鹿島さんに抱き抱えられ剥がされた姿を福羽は笑って見ている。

「柊君のお店の良い匂いに反応したのかしら」

「ほーらほらロック、柊は美味しかったか?ん?大人しいね、チワワって動き回ってやんちゃとかって聞くけど」

「散歩の後だからかな?いつもはもっと騒がしいよ〜」

 尻餅を付いた体勢から起き上がりロックを撫でる。

 ちょっと怒られたせいか大人しく視線を合わせてくるのみだ。

 

「ごめんなさいね〜二人ともいらっしゃい」

 奥から声が聞こえてきた、福羽と二人で声の主を確認する。

 鹿島さんによく似たふわっとした雰囲気を漂わせ、髪型こそ違うが顔立ちがそっくりな女性。

 間違いなく鹿島さんのお母さんだ。

「初めまして!福羽光司と言います!今日はお邪魔します!」

「初めまして、柊優斗です。すいませんお邪魔してしまって」

「二人共しっかりしてるわね〜男の子だからかしら?詩華の母、詩織です〜福羽君に柊君ね?さあ入ってちょうだいな」

 お邪魔しますと言って家に入る、とことこ着いてくるロックが可愛い。

 しかし広く綺麗なお家だ、まるで何か映画とかのセットみたいな整い方と装飾に目を奪われる。

「詩華〜こっちで良いのよね?」

 鹿島さんに確認を取りつつ開けられた内扉の先に見えた光景に圧倒された。

 リビングになる所だろうが高い吹き抜けになっており開放感が凄い…

「おぉ…柊見ろ、天井にプロペラが回ってるぞ…」

「本当だ…照明もお店みたいだ…」

 男二人して天井を見上げて口を開けてる姿が面白かったのか鹿島さん母娘が笑っている。

「ほら二人ともあそこのソファのとこでやりましょ、適当に座って座って」

「詩華手伝って〜飲み物用意しましょう」

 ハッと我に返り手土産を出す。

「あ、良かったらこれクッキーですけど」

「俺もお店違いですけどクッキーです」

「え?福羽もクッキー?」

「うん、被っちゃった」

 やはり事前に相談しておくべきだった……店違いだからまだ良かったが。

「二人共同じって凄いねぇ〜ありがとう!食べ比べしよ!」

「じゃあうちのも足してクッキーパーティにしちゃいましょうか〜詩華もクッキー用意したもんね?」

「え?鹿島さんも?」

「私は昨日作ったんだ〜」

「鹿島ちゃんの手作り!?これは嬉しいな!」

 結局、この日の為に皆クッキーを用意した事になり笑い合う。

「とりあえず座っててよ〜まず飲み物だけで勉強してからオヤツにクッキーパーティしよ!」

 福羽と二人でソファに促され座らせてもらう、フワッと柔らかく沈みこむ良いソファだろう。

「なんだか鹿島ちゃんに包まれているようだな」

 気持ち悪いなこいつと福羽の発言は無視していたら二人の間にロックが挟まりに来た。

「ロック?何だこんなに広いのに狭い間に来なくとも」

「あ〜ロックは人の間が好きなんだ、ごめんね邪魔しちゃうかも」

 満足そうに顔を見上げてくるロックを見て邪魔とは思えない。

「はい!とりあえず色々と飲み物あるから各自好きなの取ってね〜、用意したら早速始めましょう!」

「あらあら、詩華ったら張り切ってるわね」

 開放感凄いリビングではあるが、どこか落ち着く空気で課題会がスタートした。


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