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紡ぎ紡がれこの店で  作者: かずや


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手土産は何が良い?

 市場から帰宅して夕食後、スマホに向かい悩んでいた。

 (うーん、福羽が言う事はわかるが選んでこいって難しい事を)

 発端は福羽からのメッセージだった、以前に計画されていた鹿島さんの監修の課題会が決まったのだが…

「柊!当日鹿島さんの家にお呼ばれだ!センスのある手土産を忘れるなよ!」との事。

 鹿島さんからの提案とは言え女子の家、お邪魔するなら何が良いのか悩んでしまう。

「…仕方ない、相談…してみるか」

 自室を出て隣の姉の部屋へ。

 ノックをして中から返事されたので入る。

「ん?何よ優斗?」

 薄着のまま部屋でだらけきってる姉に相談しても大丈夫なのだろうか心配だ、しかし来てしまった以上戻る訳にはいかない。

「あのさ、姉ちゃんなら友達が家に来た時貰ったら嬉しい手土産とかってある?」

「手土産?あんた友達呼ぶの?」

「違うよ行くんだよ」

「うーん手土産ね〜…あんた行く先って女の子の家?」

 ドキっと心臓部が跳ねた、勘がいい姉だ。少し面倒になりそうだ…

「ん?いや、まあ…とにかく手土産を探そうかなって」

「どんな女よ、私が導いてあげるわ」

 ニヤニヤしながら前のめりになってきた、かなり面倒くさい状況だ。

 (これは長くなる)

 もう後には引けないが覚悟をしとこうと心に決めた。


 姉のカウンセリング?が始まる、わざわざお茶を用意しに行って場を整えて「女の子の家に行く」事についての取り調べのようなものだ。

「まずその子との今の関係は?」

 嫌な聞き方をしてくる、今のも何も友達しか無い。

「クラスメイトの友達だよ…こないだプールに一緒に行った」

「プププール!優斗が女の子とプールですって!?」

「あのね…福羽も一緒だし、何と言うか福羽がその子を気になってると言うか…」

「あんたは違うの?友情か愛情の二択じゃないの?」

 この姉は何を言うのか、やっぱり相談相手を間違えた。母にしとけば良かったかもしれない。

「なるほどねぇ〜まあ微妙な関係はわかったわ」

「何にもわかってないよそれ」

「とりあえず今回は遊び目的じゃなく課題やるんでしょ?」

「そうだよ、それ以外には何もない」

「それなら皆で摘めるクッキーにしときなさい、私のお気に入りのお店送ってあげるから」

 案外普通の答えが返ってきたが、まあ無難だし姉はお菓子に関しては自分より店も知っている。面倒なやり取りもあったがそれさえ聞ければ結果良しである。

「ついでに私のも買ってきて、お金は渡してあげるから」

 やっぱり面倒である。

 その後も根掘り葉掘り聞かれそうな感じだったので、即退散をする。

 自室に戻り「疲れた」と呟くと同時にスマホが震える。

「課題会の様子はまた聞かせてよ」

 そんな一文とオススメの店のアドレスと電子マネーでクッキー代が送られる。

 はぁ、と息を吐き机に向かう。少しでも課題を埋めておこう、当日鹿島さんに負担を掛ける訳にはいかない。

 今日はちょっと頑張って遅くまで机に向かった。

 翌日、眠たい目を擦りながらいつも通りに起きて朝食を取り珍しく午前中から課題に向かう。

 (昼くらいにクッキー買いに行って帰って勉強して、バイトか)

 タスク的には数少ないが時間を考えると一日が消化される、そして明日には課題会となる。

 寝ている内に福羽から日程と待ち合わせについてメッセージが入っていた。

 昨日からの明日と急な決まり方だが開催地は鹿島さんのお家だ、そこは合わせねばなるまい。

 幸い明日はバイトが無かった為に二つ返事で了承メッセージを返しておいたが…福羽はちゃんと課題進めてるんだろうか?

 人の心配もあるが、まず自分の事を進めないといけない。余計な雑念は置いといてアラームをセットして机に再び向き合った。


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