母は優しい
朝目覚めると昨夜の事が浮かんでくる
変えようがない事実だが変えようの無い今であるからこそ当事者意識が薄いのかもしれない
(本当の両親か...正直ピンとこない)
頭の中に浮かぶ事がネガティブな想いにもならずポジティブにもなりきらない定まらない雲のような存在として片隅にある
仕方のない事であろうが閉じ込めて朝の支度を済ませリビングに向かった
「おはよう」
母が朝食の用意をしてくれながら挨拶をしてくれる
「母さんおはようって父さんと姉ちゃんは?」
「お父さんは店の新作浮かんだからって行っちゃったし茜は友達と遊ぶ約束あるんだって」
「ふーん意外と似てるよねあの二人」
「そうね突然動き出すのはそっくりよ」
母は出来立ての朝食を運びながら笑う
目の前に並べられたいつもの朝食にいただきますをして口に運んでいったところで母が聞いてきた
「優斗は昨日の話聞いて納得できた?」
納得するには突然で理解はしたが自分の中で消化するには時間がかかるのかもしれない
そう考えていると
「貴方はこれから大人になるけど私達との関係は変わらない、貴方は貴方のままでゆっくり自分見つけなさい」
微笑みながら母は穏やかに言った
頭にモヤがかかってる事を見透かされていたんだろうなと少し恥ずかしくなる
「十六歳って大人と子供が混じる時なのよ、でも大人のようには出来なくて子供の時みたいに許される事も少なくなるの」
言いたい事は理解出来る、バイトが出来るようになったりするが未成年として制限があり守られている反面何かやらかしたりすれば自分自身が裁かれる立場だ
まだ十六歳になったばかりで体感は無いが感覚として理解はしている
「貴方が私達の子供でもあるように本当の両親の子供であるの、だからこそ恥ずかしくない姿で大人になって欲しいのよ...親のエゴかもだけどね」
ペロッと舌を出し恥ずかしい事言っちゃったと残してキッチンへ戻る母を見ながら呟いた
「ありがとう母さん」




