エンジョイプール
「柊君、福羽君お待たせ!…どうでしょう?」
振り向いた先には可愛らしいビキニ姿の鹿島さんが眩しい笑顔でなんだか決めポーズをしていた。
「おお、鹿島さん可愛いね」
「……」
ん?福羽の様子がおかしい?鹿島さんを見てフリーズしてる。
「おい、福羽どうした?」
「福羽君?」
ここで我に返ったのかあわあわとして落ち着きが無い。
「す、すっごい可愛いよ鹿島ちゃん、アイドルみたいな可愛さ!見惚れちゃったよ!」
物凄い早口に賞賛している。
「ふふふ、ありがとう〜さあ行こっか!」
振り向く姿にまたフリーズしてる…
「おい、福羽」
少し小突いたら解凍されたようだ。
「おお、行こう行こう!」
福羽の様子がおかしいが…まあ大丈夫かと三人はスライダー目指して歩き出した。
このプール施設の目玉だろうウォータースライダーには長蛇の列が出来ている。ただ一人一人滑り出すのは早いのでそこまで待たないだろう。
「緊張してきたよ〜」
目をキラキラさせながら鹿島さんはスライダーから聞こえる悲鳴に顔を向けている。
「近くで見るとデッカいな〜」
「剥き出しなのが怖いな」
男二人はなんだかんだワクワクを隠し切れないのかソワソワしてる様を鹿島さんにクスクスされている。
滑り口に近づくにつれ緊張が高まる。
そしてついに順番が来た、まずは福羽からスタートである。
「行ってくるぜ!」
係員の合図と共に勢いよく射出された福羽。
うわぁぁー!と悲鳴が小さくなっていき…ドボンとプールに沈んでいる。かなりの速度に少しビビる。
そして鹿島さんの番だ、下で福羽が待っているのが見える。邪な事考えてなければ良いのだが…
「いっきまーす!」
元気良く鹿島さんも射出!
きゃぁぁー!とこちらは高い悲鳴が小さくなっていきプールへ着水。
下で構えてた福羽に手を引かれプールサイドへ。
(自分は手助けしてくれないのかい)
ちょっと福羽を恨めしく思いながら寝そべり体制へ、腕を胸のとこで交差して流れる水に身を任せる!
胃の辺りがフワッとする感覚と景色がスライド、下のプールがあっという間に迫り来る!
次に見えた景色は水の中だった。
「ぶはっ!」
なかなかのスリルとスピード、楽しいなこれ。
そんな事を思ったら目の前に福羽と鹿島さんが手を伸ばし引き寄せてくれる。
「凄かったよこのスライダー!」
「うんうん!俺もう一度やりたいくらい!」
「また時間空けて滑ろう」
三人満足なスライダーを眺めて次はどこ行こうかと相談する。
「あ、これどうかな?水バケツ被り」
鹿島さんが案内板を見て差す、水バケツ被り?なんだろう。
「丁度さっき出たみたいだから少し待てばまた来るよ」
鹿島さんが指差す方には高いトコに設置された大きなバケツに水が注がれている。
「あ、なるほど水一杯になったらアレが傾くのか」
「柊知らなかったのか?」
「いや、こんなプール施設初めてだし」
「じゃあ今日は色々体験しないとね!柊君、福羽君行こ!」
「ほれ柊!鹿島ちゃんに続け〜!」
二人共テンションが高まっている、どちらかと言うと自分は陰寄りであちらは陽寄りだしな。
ふふっと笑って二人を追いかけた。
三人で大量の水を被り、流れるプールで流されていたり楽しい時はあっという間に過ぎて行く。
少しはしゃぎ過ぎて疲れたので休憩がてら三人でジュースを飲み談笑する。
「俺最後にスライダーはもう一回やりたいな」
「あ!私も!癖になるよねあのフワッと感!」
二人は締めスライダーをご希望のようである。
「そうだな、なんだかんだ良い時間だし最後滑りますか」
ジュースも飲みきり時間も帰りを考えるとちょうど良い。三人で再びスライダーの列に並ぶ。
「私、今日来て良かった〜毎日習い事と課題だったし」
「鹿島さんの習い事ピアノだっけ?」
「そうそう今度ライブあるから練習漬けなの」
「ライブ……?発表会じゃなくて?」
「あ、ガールズバンドのピアノとキーボードやってるの」
「鹿島ちゃんそんなのやってたの!?」
福羽が驚愕している、コイツにも知らない事があったのか。
「そうそう、今度…あ、順番来たー!」
そのまま流れる様にスライダーに乗り込み流れて行ってしまわれた。
「鹿島ちゃんー!」
福羽も後を追う様に流れて行く。
係員さんがなんか微笑ましい感じでスタンバイしてくれている。とりあえず流れのままスライダーを滑り出して行った…




