プール日和と肉体とスライダー
集合場所の駅前、欧風雑貨屋の前で福羽と鹿島さんが揃っていた。
「ごめん、遅くなった」
「いーや、結局皆時間前だ」
「私達も今揃ったとこだよ!」
皆楽しみにしていたのだろう、チケットをちゃんと持ってる事を確認して移動を始める。
「ここ調べたら結構色んなスライダーとか波のプールとかあるみたいね、楽しみ〜」
「うきわ持ってきたけど向こうで借りた方が大きいかな?」
「姉ちゃんの交友関係がイマイチわからんな、こんなチケットくれる友達なんて…」
各々がふわふわと会話をしながら電車に乗り込み揺られる事四十分程。郊外の土地にて広いスペースを取られたプール場へ到着する。
どうやら大きな食事処も併設された複合施設と言うのだろうか?夏休みなのでもちろん混み合ってるが、混乱が起きるようなレベルでは無い。
三人で並ぶ内に入り口ゲートに辿り着き、チケットを機会に通す。「いってらっしゃいませ」の声を受けてゲートを潜れば中から色んな声が聞こえてくる。
「おお、中が盛り上がってるな」
「ワクワクしてきたね!あ、あっち更衣室かな?」
「鹿島さん集合場所ここで良い?」
事前に取ったプール施設の内部マップの更衣室に近い時計塔を差し確認を取る。
「うん!じゃあそこで着替えたら集合ね!行ってくるね〜」
鹿島さんは女子更衣室に向かい、福羽と二人で男子更衣室へ向かう。中は市民プールとは違うなんだかオシャレな造りをしている、ロッカーもイラストが描かれておりテンションが上がる。
「おぉ、なんか凄い」
「ああ、柊あっち空いてるみたいだ」
福羽の見つけたロッカーが運良く近くで二つ空いていたので荷物を入れて着替え出す。
特に運動をしてない身なので標準体型な自分なのだが、福羽は筋トレに精通してるらしく裸が見えた時釘付けになってしまった。
「福羽筋トレやってると聞いてたけど脱いだら凄いのな」
「今は自主トレだけど中学から鍛えてはいたからな〜習慣みたいなもんだよ」
服を着てればそう変わらない福羽と自分なのに、裸になると違いすぎるのが少し恥ずかしくなった。
「自分も頑張ろうかな…」
「ん?どうした?」
「いやなんでも無い」
福羽の肉体美に自分もと考えながら着替え終わり中に入る。
きゃー!!わー!!と様々なスライダーを滑る人達の悲鳴が聞こえてくる。想像以上に広いが人の多さもなかなかである。
「えっと時計塔だったよな…あ、あれか!」
福羽が指した時計は確かに時計塔の形をした建物になっており休憩所となってるようだ。
「人が多いな…逸れたら見つけれんぞ」
「そうだな、集合ポイント決めとかないとな」
幸い目立つ様に何かしら建てられてるので共有しとくのが良さそうだ。
後は鹿島さんが出てくるのを待つだけだ。
女の子はまあ色々時間が掛かるだろう、姉の居る自分には慣れたものだ。
だが福羽はウズウズとチラチラとスライダーを見ている。
「なあ柊!あの一番デカいのか滑ろうぜ!」
コイツ…女子が居るのを忘れてないか?
そうこうしてると声を掛けられた。




