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紡ぎ紡がれこの店で  作者: かずや


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お誘い

 夏休みの思い出作りも高校生には必要だ

 と、誰かが言ってたような何かで見たような

 手元に三枚あるプールのチケットは夏の思い出の一つとして刻まれるだろう

 別に泳げない訳でなくプールなんか行った事もある

 しかし、三枚と言う数が悩ませてくる

「順当にいけば福羽だが、あと一人」

 正直浮かんでない訳じゃないが、最近一緒に行動したばかりの女の子

 鹿島さんだ

 いきなりプールに誘うのはおかしくないだろうか?

 男子二、女子一の比率はおかしくないだろうか?

 いっそ福羽に押し付けてしまうか

 ぐるぐる考え悶え出した時に部屋のドアが開く

「優斗居たの?何くねくねしてんのよ」

 母が洗濯物を置きに入って来た

「ノックしてよ」

「静かだったからてっきり誰も居ないと思ったわよ」

 見られてしまった恥ずかしさに洗濯物を受け取り早めに部屋から追い出した

 カレンダーを見れば予定なんて沢山空いている

 課題に手を付けるはずが姉のおかげで更に遠のいてしまった

 (むむむ…ダメだ!連絡しよう)


「で、俺に連絡してきたと」

 一人で悩み時間が経つより早くに相談したほうが良い

 そして福羽を頼った

「俺もイベントロスって言うか課題が進まなくてありがたい誘いなんだけど、あと一人か…」

 おそらくではあるが福羽も同じ人物を思い浮かべてるだろう

「じゃあさ、こないだのプレゼント選びのお礼にチケットあげちゃうのはどうだ?」

「一枚だけ上げてもダメだろ…」

「そうだよな…てなると誘うしか出てこないけど女子一人は気を遣うよなぁ」

 どうしても自分と福羽が共通して関わり合っているのが鹿島さんしか居ない現実に、狭く深い関係しか構築出来てない自分を反省する

「まあでもここは心に正直になると言うか、遊びたいって気持ちで軽く誘うのが良いんじゃないかな」

 福羽らしい心のまま動く姿勢で考えれば…

「…よし、誘ってみる」

「一枚は俺が貰って良いんだろ?悪いようにはしないさ!」

 明るく笑い飛ばした福羽は本当に陽気な奴だなと思いながら通話を切り連絡先を眺めた

「鹿島詩華」

 十周年イベントに来てくれただけじゃなく、その後の両親へのプレゼント選びまで手助けしてくれたのだ

 ここで返さずいつ返す

 意を決してメッセージを打ち込んだ


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