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紡ぎ紡がれこの店で  作者: かずや


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動いてみなきゃ

「柊何か悩んでるだろ」

ある日の学校昼休みに弁当を携えどかっと前の席に座った福羽はストレートを投げ込んできた

「ん〜まあな、自分の先ってやつかな」

「俺に話せば解決するかもよ」

 この自信溢れる態度はなんなんだろうか羨ましくなる

「福羽ならさ昔から知る好きな家族の店でアルバイトするってなったら迷うか?」

「迷わんな!ラッキーとさえ思う!」

 まあ彼ならそうだろうそんなイメージだ

「ただそれは俺だからだ、柊は違うんだろ?」

「バイト契約でやるか打診されて迷ってる」

「俺はお前じゃないから答えにならないかもだけど重く考えてない?」

「重い?」

「柊は落ち着いてて同世代より一歩大人びてるんよ、だから慎重すぎると言うか目標が無けりゃ動くのを抑えようって姿勢が見える」

 図星だった、事実ゴールを探す事に思考が裂かれて一歩も動けないままなのだから

「福羽は怖くならないのか?」

「怖くても動いてみなきゃその怖さが小さくならないと俺は思う」

 福羽の言う事には納得感があった、答えは見えてなくとも動かなきゃ不安は留まったままなのだから

「柊の悩み細かくはわからんけど大事だから悩むんだろ?大事なもんは掴みに行かなきゃいけないし俺らの年代では大事の認識すら出来てない奴の方が多いわけじゃん、だからお前スゲー奴だなって俺は思うけどな」

 福羽のストレートな感想にむず痒さを感じながらも大事な物を掴みに行くと言われた事が心に残る

「福羽...君男前だな」

「うへへ」

 大事な物か...その言葉と店を重ねて夏が近づいた空を眺めた


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