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紡ぎ紡がれこの店で  作者: かずや


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順位確定


 ——放課後ホームルーム


 いよいよの時が迫る。

 担任が持つ封筒に入っているのだろう。

 目標は学内五十位以内、福羽とは一点差で負けを喫したがこれで五十位と五十一位とかだったら笑えない。

 どれだけ祈ろうが結果は確定しているので見るだけなのだが……


 ——「鹿島」

「惜しかったな〜でも学年二位は凄い!拍手!」

 担任が促し皆が祝福を贈る。

 流石に照れてる。


 五十音順に進み……

 ——「柊」

「凄い伸ばしたなぁ〜」

 担任も認める伸び率、それがどこに収まったかが勝負!

 

「……おっ!おお!?」

 らしくない声を出して皆が何事かと見てくる。

 とりあえず落ち着いて席に戻る……


 ——「福羽」

「お前も伸ばしたなぁ〜お調子者さん」

 福羽は……見ずに席に座った!?

 クラスメイトからブーイングが起きてる。

「光司お前めちゃくちゃ良くなってんだろ〜!」

「見せろ見せろ〜!」

「まあまあ諸君まずはホームルームを終わらせようじゃないか」

 なんであいつ大名みたいになってるんだ?


 ——そして全てが終わり福羽は皆に囲まれながら結果発表を始めた。

「……じゃあ行くぞ?解禁!!」

 バサっ!

 少し間を置いてクラスメイトは湧き出した。

「なんだと!?光司お前四(・)十(・)九(・)位(・)だと!!」

「一学期は八十か九十くらいだったよな!?」

「赤点に向かうどころか中堅〜上層じゃねーか!!」

 散々と言われてるが福羽はもう天狗モードで無敵な人になっている。

 仲良くつるんでいたクラスメイトに差を見せつけ、数々の目標をクリアした最高の結果でフィニッシュだった。


「柊君……福羽君が四十九位ってことは……」

「……ぴらっ」

 ——柊優斗 一学年二学期中間 五十位

「ん〜〜っ!ギリギリセーフ〜!」

 鹿島さんが自分のことのように喜ぶ。

 正直全身の力が抜けている、崖っぷちの目標クリア程心臓に悪い物はない。

 勉強内容に量的には二十位三十位を取る量でやっていたが、あれじゃなければ落としていただろう。

 無謀とも言える上乗せのおかげで首の皮が繋がった。

「鹿島さん……本当にありがとうございます!」

 感謝を表すしか無かった。

「これで私以外が目標達成かぁ〜今になって悔しいね!」

「そんなことないさ!」

 やっとクラスメイトの輪から外れた福羽が来た。

「俺達を抱えて途中人数も増えてでの結果でしょ!」

「本当にそうだよ、自分達が二点の足をひっぱっ……」

「こらこらダメだよ〜結果はあくまで結果、足なんか引っ張られてないんだからね!」

 鹿島さんは全てを受け入れて笑っている。

 福羽も全ての目標を最高の結果にして、彼はバイトの許可も何なく貰えるはずだ。

 そして自分は殻をやぶった、次は更に上が待っている。

 三者三様の思惑を胸に長かったテスト期間が真に終わりを迎えた。


 帰り道、結果用紙を見てニヤける。

「本当に自分が取ったんだなぁ……」

「アンタ道端で何ニヤけてんのよ気持ち悪い」

 突然の声にビクッとしてしまう、この感じは姉だ。

 ノーメイクにシャツに短パン、年頃の大学生なんてこんなものかと鼻で笑う。

「アンタ今笑った?」

「いいえなんでもありません」

「……その感じ目標はクリアしたね?」

「ああ……ギリギリ五十位だよ」

 姉に用紙を渡す。

「ふんふん、これを伸ばすなら苦手科目潰すように!」

 先生みたいな事を言うが、実際先生をやってくれたので文句は言えない。

「皆はどうだったのよ」

 鹿島さんは二位、福羽には一点差で四十九位だった事を伝える。

「光司君はまあ優斗と似たり寄ったりだと思ったけど、詩華ちゃんはやっぱり二点に泣いたか〜」

「姉ちゃん上位層の気持ちわかるの?」

「わかるも何も私は三年間トップだったっての」

「え?初耳……」

「まあアンタ達はどれだけ伸び率あったかの世界だけど、トップは一問も落とせないプレッシャーで戦うから違うわよ」

 聞けば聞くほど怖くなる……

「とりあえずはおめでとうだね、でも期末はこのラインが最低ラインだからね?分かってると思うけど」

「うぐ、分かってるよ」

 今回引き上げた限界値がそのまま次の期末ラインにスライドされる、これはもう普段の勉強習慣化しなければ維持も怪しくなる。

「息抜きも込みで計画立てなさい、今のアンタなら先が見えるわ」

 姉はそう言って先に家へと入って行った。

 姉なりに心配してくれてたんだろうか。

 今日はバイトもある、父と母にも喜んで貰えるだろう。


 高鳴る気持ちを秘めて家に帰っていった。

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