表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境伯様が気になったので飛び蹴りを食らわせてしまいました!  作者: ノーネアユミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/18

13 聖女

 目が覚めてしまったからきちんと着がえ、メイドが呼びに来たら朝食を済ませます。

 私の提案が突拍子もなかったようで、オーキッド卿の態度がまだおかしいまま。


 食後は執務室に向かい、不穏な計画の立案よ。



「どうしたら王弟殿下を玉座に着けられるのかしら」

「今のあの方は軍を率いている。そのまま王宮に進軍すれば確実だが‥ウィードとの関係をまとめてからだな」


 戦争は専門性が高い分野なので、私にもどうしたら良いか分かりません。


「オーキッド卿を死なせたくありません。我が領から食料援助をしても構いませんか?」

「そうだな。ところでシルビア嬢はクロード殿下とは面識があったのか?」

「ええ、王太子の無茶ぶりにつき合わされていた時はよく。時々ねぎらってくれる優しい方よ」


 当時は自分の婚約者と見比べて遠い目をしていましたが、今の婚約者殿なら遜色ありません。

 思わずフフッと笑ってしまいました。


「そうか‥親しかったのか‥」


 オーキッド卿のつぶやきがさみしそうなのはなぜでしょう?



「聖女はどうする? 殺すか?」

「それは何となく嫌ですわ」

「殺しては教会派の反感を買うからな」


 聖女は国の土台となる宗教の象徴です。

 処遇を間違えたら国の混乱は収まらないわね。

 殴って正気になるのならいくらでも殴りますが、彼女そんなタイプに見えませんし。


「いっそ聖女様の中身が別人になる‘転生魔法‘でも使ってみましょうか」

「そんな不確かなものに頼ろうだなんて君らしくない」


 自分でも分かってはいるのですけれど。



「しかし、別の聖女か‥」


 オーキッド卿は考えこんでいます。


「そうか、もう1人聖女が現れればいい。ビビアン殿には偽物になってもらおう」

「悪くありませんが、そんなにちょうど良く聖女は現れませんよ」


 オーキッド卿は、フッと笑うと両手で私の顔を包みこんだ。


(ええ、何ですの?)


 混乱する私に、彼は真剣な眼差しをぶつける。


「貴方がなればいい」


 へ、と私の目はまん丸になっちゃったわ。


「無理ですわ! わたくしが聖女だなんて教会が受け入れません!」

「我が領の教会なら私の支配下だ。買収できなくもない」


 ものすごく荒唐無けいな作戦のはずなのに‥気持ち悪くならない?




 私の反対を押し切り、さっそく伯は王弟殿下に手紙をしたためています。

 私の胃は完全に平常を保っているし、止めない方がいいのよね?


 いつも通り私は町を見て人々から話を聞き続けます。領地を回りたいと言えばオーキッド卿は馬車を手配してくれます。



「さて聖女様は本日何をなさったのかな」


 夕食時には婚約者からからかわれることも増えました。

 ただの報告なのに、嬉しくなっちゃうのはなぜ?



 領地と前線は離れているし、王弟殿下がクーデターの示唆にどれだけ興味を持ってくれるか勝算はありませんでした。

 それでも返事は届いたの。



「王太子が無理に出陣したそうで、瀕死の重傷だそうだ」


 あらかわいそうだけど自業自得よね。


「クロード殿下はご無事でしょうか?」


 この国の将来を担う方に何かあっては大変ですから、私はオーキッド卿に問いかけます。


「そのようだ。ああ、王太子と聖女ビビアンとの仲も今一つらしく、クロード殿下は教会へ亀裂を入れるらしい」


 良い知らせのはずなのに、オーキッド卿のお顔から眉間のしわが取れません。

 心配して見つめていたら、そっぽを向かれてしまいました。

 私に見られるのは嫌なのかしら?


「クロード殿下が心配か?」

「ええもちろん」


 なんでそんな当たり前の事をたずねて来るのかしら?


「改めて言うことでもないが、貴方の婚約者は私だ」

「はい」



 彼は何をおっしゃりたいのでしょうか?

 考えが読めませんわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ