表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第四章 幽霊船と盗賊団
38/110

第38話「そっけない女」

前回のあらすじ……


担当:アーク・シュナイザー。

俺達の前に突如現れた謎のヒステリ少女。

その正体はなんと俺と同じくザイルに親を殺された賢者の娘であるリナ・ベルナールというヤツだった。

そいつの話によれば、この船に“世界最高の情報屋”がいるという噂があるらしい。

リナはそいつにザイルの情報を聞きに来たらしいんだがちょうどいい、俺も一緒に行って色々聞こう!



――――



「で、その世界ナントカってのはどこにいるんだ?」

 俺は進みながらリナに聞いた。

 幽霊船というだけあって内装はボロすぎる。

 今はなんとなく廊下を歩いているが、壁と床は腐って所々穴が開いて危ないし。


「知らない。ていうか世界ナントカじゃ意味不明。略しすぎ。どうでもいいけど」

 リナはホントにどうでも良さそうな顔をして言う。


「じゃあ略してセカジョーでもいいか?」

「勝手にすれば」

 うわ~、ホントにどうでもいいんだ。

 渾身のボケがスルーされ、個人的に超気まずい雰囲気になる。


 どうやらコイツに突っ込みをお願いするのは無理そうだ。

 ここはいっちょ真面目に行きますかー。


「つか場所わかんないのかよ!」

 話をそらされて危うく見落とすところだった!


「そ」

「じゃあ片っ端から探すしかねーってことか」

 そ、とリナはまたもしっぽむいた状態で短く返した。

 ……なんか、そっけない……。


 ああ、まともな会話が恋しいぜ。

 と思ってると、背後から嫌な気配が……。


「リナ後ろだッ! 目ん玉のお出ましだ!」

 ぬっと壁を貫通して現れる。

 相変わらず気持ち悪い。


「――っ! 分かった」

 数は3体。

 余裕だぜ!


「俺が突っ込む! 援護頼む!」

 ダガーを構える。


「嫌」

「はぁ!?」

 俺は拍子抜けした。

 その間にリナは槍を構え赤色の魔方陣を構築すると、


「紅蓮の炎よ! 我が武器に纏え! ソルフレイム!」

 と叫んだ。

 すると空間から現れた炎は槍に纏い、一瞬で炎槍が出来上がった。


「死ね化け物めッ!」

 それを縦に振り、目ん玉をぶった切る。

 なるほど、そういう使い方もできるって訳か。


「たたみ掛ける! クロスエッジ!」

 ダガーを十字に斬ると、そのまま敵は透明に変わってやがて消滅した。


「横から入ってこないで! 邪魔!」

「ひでぇ! じゃお前はそっちのを任せた!」

 なんだ、スタンドプレイがお好みだったか。

 仕方なく俺は標的を別のヤツに変える。

 直後、目ん玉Bの目が光り、電撃が走る!


 ――あぶねッ!!

 俺は右サイドステップでかわし、そのまま地面を強く蹴って目ん玉に接近――


「んがっ!」

 ――するはずだったが床が抜け落ちた!!


 ボロすぎ!

 俺は顔面を床に叩き付けた。


 そこに迫る雷撃!?

 間に合うかッ!!

 俺は速攻で足を引っ張り出し、着地を考えずとりあえず全力横ジャンプ!


「いってぇ!」

 肩を擦り剥きながらも回避成功!

 倍にして返してやるこの野郎!!


「喰らっとけこのっ!!」

 すばやく4撃入れる。

 直後、化け物が勢いをつけ俺にタックルをかましてくる。


「っとぉ!」

 俺は横とびでかわした直後、


「終わらせる! ダイヴスラッシュッ!!」

 高くジャンプし、落下と同時に左ダガー振り下ろし、右ダガーの2連撃で敵を倒した。

 そのころにはリナが相手をした目ん玉Cも片付いていた。


「片付いたな」

「そうね」

 そっけないなー、と思いながら先へ進む。



――――



 それから暫く進んだとき、

「………おい」

 俺は耐えきれず口を開いた。


「ん?」

「なんかしゃべろうぜ?」


「なんで?」

「いや……暇じゃん」


「関係ない」

「……俺、嫌われてる?」


「変態だと思ってる」

「んがっ!? そりゃ大いなる誤解だぞ!?」


「冗談」

「なんだ……お前でも冗談言うんだ」


「悪い?」

「いやいや。意外だったんだよ」


「あっそ――きゃあっ!!」

 何気ない日常会話(?)が突然寸断された。

 何が起こったのかというと、リナが歩いてた所の床が突然抜け落ちてしまった!


「リナ! 大丈夫か!?」

 俺は穴から下をのぞきリナに声をかける。


「いたた……何よもう、最悪!」

「怪我してんのか!?」

「うっさい! してない!」

 うっさいのか!?

 とはいえ、どうしようか。


「上がって来れそうか?」

 落ちても痛いで済む程度とは言え、這い上がるには結構高さがある。


「……無理ね。仕方ないからここからは別行動にしましょう」

 と言ってリナはそそくさと出て行こうとする。


「いやいや待てよオイ! 勝手に決めんな! 俺が困る」

 なんだってこいつは人の話を聞かないんだ!

 俺に興味0か!?


「なに? 問題でもある?」

 当然のごとくリナは言う。

 その声はもういつもの平坦に戻っていた。


「どっから目ん玉野郎が出てくるか分かんないのに別行動は危険だろ。それに連絡の取りようもないし」

「別にアンタと合流する必要ないし」

 素で言ってるよコイツ!

 ひでぇ!


「じゃあアタシここで待ってるから、アンタ急いでここに来て」

 ようやく分かってくれたのか……?


「OK。下に降りれそうな道探して行くよ」

 リナと合流するまでの間、結局俺は単独行動になった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ