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セキュリティ強化した日
灯と春が出会った日の出来事
「恋宮さん。」
対策課の女性職員が声をかけた。
叶はパソコンから視線を上げる。
「はい?」
「ライセンスの不正利用が確認されました。」
数秒、沈黙。
「は?」
叶の眉がぴくりと動く。
「いやいやいや。」
椅子へ深く座り直した。
「偽造対策はしてるし、認証も通してるし。」
「紛失したのを報告してない馬鹿でも居た?」
女性職員は首を横に振る。
「違います。」
「じゃあハッキング?」
叶の口元が僅かに吊り上がる。
「面白いじゃん。」
「勝負してあげる。」
しかし女性職員の反応は微妙だった。
「えっと……。」
嫌な予感がする。
「何?」
「死体からライセンスを盗んで使ってたそうです。」
沈黙。
叶の思考が停止した。
「…………。」
女性職員も気まずそうに黙る。
数秒後。
叶は真顔で言った。
「その馬鹿どこ?」
「え?」
「連れて来い。」
ゆっくり立ち上がる。
「ぶち殺してやる。」
女性職員は慌てた。
「まぁまぁまぁ。」
「想定出来るかそんなもん!」
叶は机を叩く。
「誰だよそいつ!」
女性職員は視線を逸らした。
「白雪さんが秘密にしてまして……。」
「あーーー!!」
叶は頭を抱えた。
「クソが!!」
その日の対策課では、珍しく恋宮叶の怒鳴り声が響いた。




