表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
87/119

なんで作戦思いつくの?

「パンケアかぁ……必要だよねぇ。」

灯は机へ突っ伏した。

春は報告書へ視線を落としたまま答える。

「彼処の土地を奪われてから、病院は金持ちが行く場所になりましたしね。」

「家族が病院代払えなくて借金まみれ。結局、集団自殺なんてザラだし。」

灯は重く息を吐く。

春も否定しなかった。

それは対策課に所属していれば嫌というほど目にする現実だった。

「一応、時間稼ぎは出来たよ。」

灯は椅子へ体重を預ける。

「アストライト鉱山を十兆っていう安い金額で売る条件に、他国を含む医療費支援を取り付けたから。」

「聞きました。」

春が頷く。

「流石に一年が限界でしたけど。」

「だよねぇ……。」

灯は天井を見上げた。

「だからマジで早く奪還しないと。」

「そうですね。」

春は報告書を閉じて立ち上がる。

「じゃあ練習に戻りますか。」

「えー……。」

灯が露骨に嫌そうな顔をした。

「これムズくない?」

春は当然のように答える。

「俺は出来ますけど?」

「腹立つー。」

灯は机に突っ伏した。

しばらくして何かを思い出したように顔を上げる。

「あ。」

「どうしました?」

「神と戦った時みたいに、私の冷気を代わりに操れば良かった。」

春の表情が固まる。

完全に気付かれた顔だった。

「黙ってたなぁー。」

灯がじとっとした視線を向ける。

春は視線を逸らした。

「まぁ、いいでしょう。」

「良くない。」

即答だった。

春は咳払いして話題を変える。

「それより。」

「ん?」

「今回も作戦通りお願いします。」

「毎回思うんだけどさ。」

灯は首を傾げた。

「なんでそんなポンポン作戦思い付くの?」

春は逆に不思議そうな顔をする。

「逆に聞くんですけど。」

「ん?」

「敵の能力が分かってるのに、無策で突っ込みます?」

「いやー……。」

灯は視線を逸らした。

春は呆れたように肩を竦める。

「勝ちたいなら作戦を立てるのは当たり前でしょ。」

そして小さく付け加えた。

「灯さんじゃないんだから。」

数秒の沈黙。

灯はゆっくり立ち上がった。

「今の一言、余計だぞー。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ