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ウンゲレヒト

「ただいまー。」

玄関の扉を開けながら叶が帰宅した。

ソファで寝転がっていた犬飼が顔を上げる。

「一週間職場に泊まり込んで何してたんだ?」

叶は靴を脱ぎながら答えた。

「ウンゲレヒト。」

「ん?」

犬飼が首を傾げる。

叶は当然のように続けた。

「奪還したアストライト鉱と、犬飼がこれから奪還しに行くヘリオス鉱があれば作れる。」

「どゆこと?」

「レールガン。」

叶は冷蔵庫から飲み物を取り出した。

「超遠距離から土地神を殺す兵器。」

犬飼の思考が止まる。

「え?」

一拍置く。

「ん?」

さらに一拍。

「どゆこと?」

叶は飲み物を一口飲んだ。

「設計図作った。」

説明される度に理解が遠ざかっていく。

犬飼は頭を抱えた。

「説明が補足される度に分からんが増えるんだけど。」

「対策課の認可も下りたし。」

「待て。」

犬飼は手を上げた。

「整理しよう。」

叶は素直に頷く。

「うん。」

「設計図作った?」

「作った。」

「土地神殺す兵器の?」

「うん。」

「一週間で?」

「うん。」

犬飼は天井を見上げた。

理解を諦めかけている。

「どうやって?」

叶は不思議そうな顔をした。

「私の能力の副次的な最適化って思考継続でしょ。」

「うん。」

「一週間寝なければ設計図くらい作れる。」

「いや。」

犬飼は即座に否定した。

「思考継続だろ?」

「うん。」

「頭が良くなる能力じゃないだろ?」

叶は少しだけ考えた。

そして首を傾げる。

「対策課のセキュリティとかアプリ作ってるの誰だと思ってるの?」

犬飼は固まった。

数秒後。

「え?」

さらに数秒後。

「討伐依頼が届くアプリ?」

「うん。」

「謎に厳重なセキュリティも?」

「うん。」

犬飼は目を見開く。

「叶が作ったの?」

「セキュリティ強化したのはどっかの馬鹿が死体からライセンス盗んで不正利用したからだけどね。」

犬飼は思わず吹き出した。

「それは笑う。」

「私は笑えなかった。」

叶は真顔だった。

「徹夜が三日増えた。」

「ご愁傷様です。」

叶はソファへ腰を下ろした。

「はい。という訳でヘリオス鉱の奪還よろしく。」

「おう。」

「私はこれからゲームするから。」

犬飼は即座にツッコんだ。

「寝ろや。」

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