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クッキング

「どうぞ、上がって下さい。」

無明が玄関の扉を開く。

犬飼は軽く手を上げた。

「おう。」

家の中へ入る。

無明は少し考えた後、犬飼へ尋ねた。

「何して遊びます?」

「ゲームしようぜ。」

「分かりました。」

二人はそのままゲームを始めた。

数時間後。

犬飼はソファへ体を預ける。

「そういえば。」

無明が立ち上がった。

「さっき買い物したので何か作りますよ。」

犬飼が少し驚く。

「料理出来るのか?」

「テレビで見たので出来ます。」

嫌な予感がした。

だが既に遅い。

さらに数時間後。

「出来ましたー。」

無明が料理を運んでくる。

テーブルには大量の料理が並んでいた。

犬飼は目を丸くする。

「おー。」

「思ったより時間かかったな。」

無明は不思議そうな顔をした。

「え?」

「食べましょう。」

犬飼は料理を見渡す。

見た目は普通に美味そうだった。

むしろかなり美味そうだ。

「ちなみに。」

犬飼が箸を持つ。

「これもテレビ知識か?」

「はい。」

無明は嬉しそうに頷いた。

そして見ていた番組について説明する。

三ツ星シェフが料理を解説しながら、

「簡単です。」

と言い続けるにも関わらず、作業内容だけは全く簡単ではない番組だった。

犬飼は呆れる。

「マジかよ……。」

「美味しいんですかね?」

「食ってみる。」

犬飼は一品を口へ運ぶ。

数秒後。

「うわ、美味ぇ。」

思わず声が漏れた。

無明は少しだけ嬉しそうに笑う。

「それなら良かったです。」

犬飼は別の料理へ箸を伸ばす。

「この前さ。」

「白雪に土地神食わされたからな。」

「カタスト食うのはもう勘弁だわ。」

そう言いながら別の料理を口へ運ぶ。

美味い。

普通に美味い。

その時だった。

「あ。」

無明が思い出したように声を上げる。

犬飼は嫌な予感を覚えた。

「なんだ?」

無明は悪気なく答える。

「今食べたのが帰り道で倒したカタストですよ。」

沈黙。

「新鮮なのは良いってテレビで見ました。」

犬飼の箸が床へ落ちた。

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