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異様な打ち上げ

「……。」

「咲様は何食べます?」

ファミレスの席で無明が隣へ話しかける。

当然返事は無い。

「……。」

「んー、僕はハンバーグにします。一緒に食べましょう、咲様。」

犬飼は黙ったままメニューを眺める。

カウンター席だったのが唯一の救いだった。

こいつと知り合いだと思われたくない。

心の底からそう思う。

無明が犬飼へ視線を向けた。

「犬飼さんはどうします?」

「ハイボールで。」

「昼からお酒ですか?」

「アルコール飲まないとやってられない状況なんだよ。」

無明は呆れたように肩を竦める。

「体は大切にしないと駄目ですよ。」

「それはそう。」

犬飼は小さくため息を吐いた。

「というか、なんで打ち上げとか言い出したんだよ。」

「僕の味方なら当然でしょ。」

「あ……うん。」

あまりにも当然のように言われ、犬飼は反応に困る。

無明は気にした様子も無かった。

「こういう時にやる事は知ってます。」

「トランプとか王様ゲームですよね。」

「あー……。」

犬飼は周囲を見回した。

「ここ騒ぐ店じゃないからな。」

「やるならカラオケとかじゃね?」

人目に触れたくない。

その切実な願いが犬飼にそう言わせていた。

「なるほど。」

無明は素直に頷く。

「あとは何しますか?」

「ビンゴ大会とか?」

「修学旅行かよ。」

犬飼は呆れながらハイボールを口にした。

そしてふと思い付く。

「パチンコ行くか。」

「え?」

「パチンコ。」

「いや……。」

無明は本気で困惑した顔をした。

犬飼は無理やり言葉を続ける。

「男友達ってそういうもんだから。」

「な?」

「そうなんですか?」

「そうそう。」

「本当ですか?」

「たぶん。」

「たぶん。」

沈黙。

無明はしばらく考え込んだ後、小さく肩を竦めた。

「まぁ、行きますか。」

犬飼は少しだけ笑った。

「おう。」

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